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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

夏の家族 東から西から

金沢は梅雨明け後、厳しい暑さとなり、一気に夏本番を迎えました。あかつき屋では、ご家族連れの姿が目立つようになりました。
国内のみならず、海外からも来て頂いています。この時期、欧米では、9月の新学期前の休暇に当たるからです。

過日お越しになったのは、アメリカ東海岸から。ここでご一泊され、夏の金沢町家の風情を楽しまれました。

(アメリカからお越しになったご家族=写真掲載了解済)
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このご一家は、ご夫婦とお嬢さん二人、そして姪御さんです。町家は初めての体験だったようで、畳の間や床の間、お庭などは、興味深かったようです。

ご一家が滞在中、ハッピーな出来事がありました。次女の方が誕生日を迎えられたのです。
お泊まりの日のご夕食。寿司パーティーをすることになり、田上町の回転寿司店に盛り合わせや巻物数点をオーダーし、出来上がった頃に取りに伺いました。

華やかな彩りのお寿司バラエティセットを囲んで、お嬢さんの誕生パーティーはスタート。町家で頂く本場のお寿司の味は、格別だったようです。

(上がりの間に飾った鯉を描いた水墨画)
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夏本番となり、あかつき屋の中の調度類も模様替えを行っています。
上がりの間では、衝立に鯉を描いた水墨画の色紙を飾りました。一昨年90歳で他界した父の手によるもの。勢いと清涼感を感じさせるものです。

お客様には、そんな小品にもふれて頂いています。

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散居村で伝承料理を賞味

(前回のつづき)
今回の砺波・散居村視察については、もう一つ大きな目的があります。それは、この地に伝わる伝承料理を学ぶことと、伝統的な散居村家屋について理解を深めることでした。

伝承料理については、砺波市大門(おおかど)集落に、この地の風土で育まれたお料理を提供する農家レストラン大門があり、昼食会場としてそこを訪問。私ども一行は、良質なお味の地元料理の数々を賞味しました。

(農家レストラン大門の正面)
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(頂いた散居村の伝承料理)
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お食事した大門は、散居村独特の「アズマダチ」の建物。大きな三角の妻面に太い梁と束、貫がマス目に組まれ、その間が白壁となっている切り妻造りが特徴です。
外からは堂々とした佇まい、中に入ると、冠婚葬祭が十分に行える、広々とした空間となっています。

そこで頂いたコース料理。がんもどきをじっくり煮込んだ丸山や、いとこ煮、ゆべす、よごし、三色くずきり、季節の天ぷらなどが、輪島塗のご膳の上に綺麗に並びます。
そして、大門と言えば、名物大門素麺もお椀に入って出されました。

(料理を頂きながら女将さんの話を聞く一行)
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女将さんの境さんが強調されました。「うちのお料理は、化学調味料は、一切使っていないんです。だからとても時間がかかるんです」。
おっしゃる通り、どのお料理も材料の自然の味が遺憾なく感じられ、体にとてもいい感じ。
「力仕事をしている人は、味が薄く感じられるかもしれませんが、私たちは、本当においしい味はこれだと思って作っているんです」。
そう説明されましたが、私たちは、全然物足りないことはなく、体にしっくりと馴染む、上質な味と感じました。

この農家レストランのもう一つ特筆すべきところは、空き家を活用している点です。世代交代等で住む人がいなくなったこの家を境さんのご主人が購入。地域活性化を目指す地元砺波市の働きかけもあって、北陸新幹線が開業した2015年3月にオープンしました。
そして、女将さんの境さんを中心に、地元の主婦らも参加して、運営されています。

数年前にテレビ朝日の「人生の楽園」で全国放送されたこともあって、知名度が格段にアップ。今は週末を中心に大勢の人が訪れています。散居村に新たな観光スポットが生まれた形です。

(大門素麺資料館も見学)
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このレストランのお隣には、昨年開館した「大門素麺資料館」があります。館内には、大門素麺の歴史や、製造工程などについて、写真パネルや各種道具などで紹介しています。

一行は、そこも見学。ここの素麺の歴史は江戸時代後期、能登・輪島で製造されていた素麺について、売薬さんからもたらされた情報がきっかけだそう。その後、石川県かほく市高松の素麺職人を大門に招いて、地元の人数人が製造の技術を習得したことで普及が本格化したのだそう。とても興味深い事実で、インターネット全盛の今日と異なり、人から人へと情報が伝わる、当時の食文化の伝播について、思いをいたすこととなりました。

農家レストラン大門の皆様、この度はありがとうございました。

砺波・散居村を訪ねる

いわゆる「近くて遠い場所」と言ったところだったかもしれません。お隣富山県の砺波平野に広がる散居村です。
金沢から車で30分ほどで行けるのですが、そこを初めてゆっくりと見て回る機会がありました。

私が参画する白山ろくぼたん鍋プロジェクトの研修旅行で、そこを訪ねたのです。散居村に点在する屋敷森(林)に囲まれた大きな農家。それらを目の当たりにすると、長年、時に過酷な自然と共生してきた人々の営みを感じざるを得ませんでした。

(砺波平野に広がる散居村。小矢部のクロスランドタワー展望フロアから)
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(クロスランドタワー)
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白山ろくぼたん鍋プロジェクトは中山間地の活性化を目指して各種事業を展開しており、昨年夏は、白山市吉野谷地区でソーメンバイキングを開きました。
今年は趣向を変えて、砺波・散居村への視察を行いました。

砺波の散居村は、全国各地にある散居村(散村)の中でも、最大規模とされています。現在のこの地の散居村は中世から近世にかけて形成されたとみられております。

平野を流れる庄川が再三氾濫したために、微高地に住居が建てられ、その周辺に住人の農耕地(水田)を開いたため、現在のようなユニークな居住空間がつくられたと考えられています。

集落と違って、家々が孤立しているため、家屋の回りには、風雪から家を守るため、カイニョと呼ばれる屋敷森がつくられているのが、大きな特徴です。

散居村自体は、高いところからでないと、その全体像を把握することはできません。そのため、平野の中や周辺の山や丘陵地などに散居村の眺望スポットが設けられています。

今春、私は平野北部に位置するクロスランドおやべへ行き、そこのタワーの展望フロアから周辺を見回しました。地上100㍍のそこからの眺望は、まさに教科書に出てくるような、典型的な散居風景が広がっており、感嘆しました。

(となみ散居村ミュージアム)
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今回の視察では、まず、となみ散居村ミュージアムを訪ねました。そこの風土を余すところなく紹介する展示パネルやビデオがあり、メンバーは熱心に見て回りました。

(散居村を紹介する写真パネル)
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(館長さんが、散居村の風土について説明して下さいました)
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また、館長さんにお話をして頂き、散居村について随分と知識を養うことができました。館長さんはじめ、スタッフの皆様、お世話になりました。ありがとうございます。(つづく)

ここで6泊 充実の金沢・能登旅

梅雨空が続く中でも、あかつき屋ではお客様の、充実した旅行のご様子に接しています。その中でも、目を引いたのは、ここで延べ六泊八日されたご家族がいらっしゃったことです。

そのご家族は、スイスの方々で、あかつき屋では最初に四泊された後、能登に出かけられ、金沢に再び戻って来られたあと二泊されました。そのゆったりとした旅のスタイルに、西洋と日本との暮らし方や余暇のスタンスの違いを感じざるを得ませんでした。

(書道体験をされるスイスのお客様)
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(出来上がった作品を見せて下さいました)
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お越しになったのは、ご夫婦と中学生のお嬢さんからなるスイス人のご一家でした。
初めにここで四泊し、市内の主な観光地を回られました。
その後は、能登・小木へ。ここのホステルで四泊されました。7月14日の夜には、「恋路火祭り」とも遭遇されたそうです。地元民らに担がれたキリコと呼ばれる屋台の勇壮な巡行。そして、かがり火は感動的だったそうです。

このご一家。実は当初の計画では、飛彈・高山を訪れることにしていました。でも「(髙山は)人が多そうで。ゆっくりしたくて」と急きょ予定を変更し、金沢での滞在に切り替えられたのです。

せっかくの機会ですので、こちらでは、おなじみになった書道体験でおもてなし。ご家族はそれぞれお気に入りの文字「海」「時間」「庭」をここのスタッフの手ほどきで書き上げられました。

(六泊後、笑顔でここを後にされました)
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金沢、能登と十泊に及んだ旅を振り返って、ご家族は「金沢は、歴史が豊かで落ち着いた街。あかつき屋はお庭がきれいでした」。そして、能登のお宿については「海がすぐそばで、魚料理がいっぱい出ました。お刺身が出ましたが、イカはいいけど、サザエはちょっと抵抗がありました」と、笑って話されました。

スイスのご家族の皆様、ご宿泊ありがとうございました。また、お会いできるのを楽しみにしております。

金沢に集い大学仲間の結婚祝う

この三連休の中日、あかつき屋は、若者たちの明るい歓声に包まれました、石川県出身の男性の結婚式に出席するため、大学時代の友人たちが金沢に訪れ、あかつき屋に一泊されたのです。

式場での結婚披露宴や片町での二次会を終えて、あかつき屋に参集。若者たちは夜遅くまで語らい、旧交を温めました。

(Nさん=前列左から2人目=の結婚を祝い、駆け付けたお客様たち)
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お越しになったのは、立命館大学草津キャンパス(BKC)で学んだ男性たちです。そのお客様は勉学の傍ら、バドミントンのサークルで共に汗を流しました。
卒業後今は、全国各地に散り、九州・福岡県から参じた男性もいました。

三次会会場となったあかつき屋。近所の温泉銭湯で汗を流した後、コミュニティルームの掘りごたつを囲んで、夜遅くまで心おきない会話を楽しまれました。あかつき屋からは、ささやかですがお祝いをさせて頂きました。

結婚式を迎えられたNさん、おめでとうございます、末永いお幸せをお祈りいたします。
また、お越しになった皆様のご活躍、ご多幸をお祈り申し上げます。

4年ぶりの再会 ワシントン大教授

「友遠方より来る」の感でしょうか。今日懐かしい方が、4年ぶりにあかつき屋にお越しになりました。

アメリカ・ワシントン大学建築学部教授のオオシマ・ケン・タダシさんです。オオシマ教授は2015年3月にご自身が主宰する研究室の学生さんたちとともに、あかつき屋を拠点に研究調査活動に取り組まれました。
今回の金沢訪問は、来年春に金沢市内で予定する作品展の打合せのためです。オオシマ先生は相変わらずエネルギッシュな活動をされています。

(4年ぶりにあかつき屋にお越しになったオオシマ教授)
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オオシマ先生のご一行は4年前、三泊四日の日程であかつき屋に滞在し、歴史的建造物や最新の建築物の調査や金沢市のまちづくり担当者の講演などに臨まれました。その際、私も一部同行させて頂きましたが、学生さんらは大変熱心に学んでおられました。

今回の金沢入りは、来年春に市内の公共施設で予定する作品展の準備のためでした。
その作品展では、海外の気鋭の建築家の手による模型や映像、写真などが出品される予定で、その際には、研究室の学生さんたちも訪れる予定だそうです。

(縁側でお庭をご覧になるオオシマ教授)
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金沢では一泊と慌ただしい日程でしたが、オオシマ先生は、あかつき屋では、緑豊かなお庭を楽しまれるなど、くつろいで過ごされました。
オオシマ先生、ようこそお越し下さいました。来春、学生さんらと再びお会いできることを楽しみにしています。

七夕の頃、梅の実、鱗雲にほっと

七夕の頃。毎年、梅雨の真ん中に当たります。梅雨というと雨や、鬱陶しさばかりが強調されがちですが、様々な季節の風物が、暮らしに彩りを添えてくれます。

あかつき屋では、七夕飾りとともに、梅の実や紫陽花の花などを配置し、季節感を演出しています。自然素材に重きをおく金沢町家のこのお宿。それらは派手さはなくとも、それとなく涼感を醸し出してくれます。

(上がりの間に掛けた七夕飾り)
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上がりの間の衝立には、素朴な七夕飾りを据えています。母が以前に施設で手作りしたものです。
折り紙で織姫や彦星、笹などをかたどっています。滋味ある作品は、お客様の目を引いています。

(台所に置いた梅の実)
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台所の窓辺には、我が家で育った梅の実を置きました。まん丸。成熟しきっています。
梅については、昨年に続いて今年も1キロ余り摘み取り、梅酒にと瓶に漬け込んでいます。

また、今年も玄関には、ユリの花とともに、アジサイを生けています。

(夕暮れ近く、上空に広がった鱗雲)
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夕暮れ近く、あかつき屋から兼六園方向へと歩いていると、上空には鱗雲が広がっていました。天気が下り坂の時に見えるそうですが、その見事な形状は力を与えてくれるものでした。

朝食にプラム鮮やか

晴れ間が少ない梅雨時とは言うものの、気持ちがパッと明るくなる時が、多々あります。今日の朝食のテーブル。今、旬を迎えたプラムが並びました。真紅の色鮮やかな果実。お客様の表情も明るくなりました。

このプラム。能登半島の入り口に位置する宝達志水町の押水地区の特産品です。プラムに関しては、県内最大の産地。お客様には、地元の里山の恵みにもふれて頂きました。

(色鮮やかプラムとパンが並んだ朝食)
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あかつき屋は、素泊まりのゲストハウスですが、それでも、お客様には、様々な形で地元の海や里山の幸を享受する機会を提供させて頂いています。

(数多くのプラムが売り場に並ぶ押水特産直売所)
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今回は先日、羽咋方面に行く機会があったので、途中にある宝達志水町内の押水特産直売所に立ち寄り、プラムを一パック買い求めました。
そして、今日の朝食にわずかですが、色鮮やかなそれを出させて頂きました。

メーンの食事は、材木町の森長さんの焼き立てのパン。それに、ここのフリードリンクのコーヒーや紅茶など。プラムの甘酸っぱさがさわやかで、シンプルながらも豊かな朝食となりました。

この日お泊まりになったのは、首都圏にお住まいの姉妹のお二人。観光ガイドブックには、ほとんど紹介されていないお店の食品や地元の幸を味わわれ、満足そうでした。

(コミュニティルームから望むお庭)
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食卓のあるコミュニティルームからは、緑濃いお庭が望めます。それは、一幅の絵画のように鮮やかで、「劇的な風景ですね」とお客様は、笑顔を見せておられました。ご宿泊ありがとうございました。

裏手の看板新調 気分も一新

あかつき屋の裏手に掲げる看板を新しくしました。先の物が開業時に設置したもので、八年半ほど経過し、古くなったからです。

新調したものは、ケヤキ製の一枚板で、縦横45センチの正方形。前に比べて一回り大きくなりました。「あかつき屋」の文字が、明るくはっきりと記されており、気持ちも明るくなりました。

(新調した裏手の看板)
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あかつき屋の看板製作は、開業時から「達磨堂看板」(小松市)さんにお願いしており、今回もお世話になりました。この日、代表の安田明千利さんが真新しい看板を持って来られました。
手に持たせてもらったところ、ずっしりと重く、とても存在感があります。

(まず台座を取り付け)
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(その上に真新しい看板を設置)
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早速、クスリのアオキ暁店さん側の壁面に設置してもらいました。初めに壁に台座を付け、その上に看板を取り付けました。
あかつき屋の文字が、遠くからでも鮮明に見えます。お客様には、お宿が見つけやすくなり、地元の人には、ここを一層知ってもらう契機になればと思います。
心持ちも、一新されました。