大ベテランの表具師の瀬田良三さん(金沢市菊川1丁目)にあかつき屋に来てもらいました。障子の張り替えをして頂くためです。84歳とご高齢ですが、お得意さんを数多く持ち、襖や障子の張り替えに長年培った腕前を発揮されています。
町家の生き字引のような方なので、お越しになった際、建具や家の普請などについて、いろいろと教えて下さり、そのミニレクチャーを拝聴しています。時にピリッとしたこともおっしゃるので、その時は、背筋が伸びる思いがします。
(上がりの間で障子戸の取り外しを行う瀬田さん)

(かいがいしく障子戸を車まで運びます)

今回は主に障子の張り替えです。先日2階客室の障子戸をしてもらい、今回は1階の上がりの間やコミュニティルームの障子戸の張り替えをお願いしました。瀬田さんは、戸を少し動かして、その癖をすぐつかみ、戸を手際よく外して、車へと運び込まれました。
瀬田さんは手を休め、襖戸の裏を見せながら、変色しているところを指し示されました。
「ここが色が変わっているでしょう。戸を開け閉めすると、どうしても空気に当たり、汚れが付くんやわ」
瀬田さんによると、空気にふれたり、人が出入りするところは、汚れが付きやすい、そうです。目に見えない埃が漂い、付着するからだそうです。
「掃除をまめにすることが、家を長持ちさせる秘訣やね」。瀬田さんが、よくおっしゃるセリフです。
瀬田さんは、以前には、
襖戸の種類についてもレクチャーしてもらいました。「吉原」「折部」「源氏」と、襖にも様々な名前がついていることを知り、随分と勉強になりました。
裏手の看板も新調へあかつき屋では、家の背後のクスリのアオキさん側にある、小さな看板も、近く新調します。オープン後、9年ほど経ち、古くなったためです。
本格的な夏の到来を前にしたお化粧直しです。一つひとつ改まってくると。梅雨の鬱陶しさも忘れます。
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金沢は梅雨入りしているものの、このところ穏やかに晴れる日が続いています。そんなに蒸し暑くなく、夕方以降はひんやりとした空気さえ漂っています。心地良ささえ感じます。
そんな中、あかつき屋では、お庭がまた新たな魅力を見せています。ギボウシの花が満開となりました。縦に房状に並ぶ花は、見るからにさわやか。お客様も、そんな夏の風景を楽しんでおられます。
(満開となったギボウシ)

(万緑のお庭を楽しまれるお客様)

ギボウシは、その姿形が特徴的な花。葉は根元から大きく広がり、細長い花は秩序正しく縦に並びます。あかつき屋では、お庭の真ん中にあり、この時季、ひと際目をひきます。
この日朝、東京からお越しになった若い男性お二人は、縁側で朝の冷気にふれながら、憩いの時間を過ごされました。万緑の中で、かれんに咲くギボウシ。梅雨時のお庭の魅力を感じられたようです。
(家の前で育つ朝顔)

あかつき屋では、今年初めて‟トライ”したことがあります。朝顔を育てることにしました。朝顔を栽培するのは、小学校の低学年以来で、50年余ぶりです。
既に種まきを終え、今つるが支柱に巻き付き、日ごとに上に伸びています。その開花も楽しみな毎日です。
梅雨入りすると、街なかは幾分トーンが落ちた感があります。ゴールデンウイークにどっと押し寄せた日本人観光客の客足は後退し、日中は外国人観光客の方々が街を闊歩する姿が目につきます。金沢のここ数年の特徴的な光景です。
そんな街にあって、あかつき屋に近い賢坂辻界隈でひと際、にぎやかな場所があります。毎週火曜日午後一時から開かれる「おしゃべり野菜市」(横山町)です。新鮮な野菜が並ぶとあって、近所の主婦らが大勢訪れ、お目当ての品を買って行かれます。
(近所の主婦らが集う、おしゃべり野菜市。右端はスタッフの女性)

この野菜市は、旭町に事務所がある「NPO法人クラブぽっと」さんが2年前から金沢町家の古民家を会場に開いています。医王山のふもとの集落や旭町の農家が育てた野菜や加工品などを出荷しています。
この野菜市の魅力は、新鮮な野菜が並ぶだけではありません。近隣の人たちの憩いやふれあいの場としての利用も意図されており、ご近所の主婦らは、お買い物もそこそこに顔見知りの方とおしゃべりを楽しまれます。
(売り場に並ぶ野菜)

梅雨の晴れ間のこの日も、女性たちが集い、スタッフの方を交え、談笑されていました。
私は、ここに立ち寄った際は、大根の酢漬けのお漬物を買うことにしており、今回もトマトとともにゲットしました。
スタッフの方は「先週末の雨でいい野菜が取れず、今日は品物が少なくて…」と残念そうでしたが、笑顔でお客さんに応対されていました。
このお店の前は毎日のように通っており、火曜日お店が開いているのを見ると、何となくうれしくなります。
金沢百万石まつりが終わり、街は落ち着いたムード。先日梅雨入りとなり、観光関係のお仕事に就く人にとっては、梅雨明けまで少し時間的余裕が生まれる時季です。
という訳で、過日福井県大野市を訪れました。ここは名水の町として知られており、至る所に湧水スポットがあります。蒸し暑い日でしたが、満々とたたえられた水場に、心身共にいやされました。
(大野市の御清水。名水百選に選ばれています)

(結ステーションの水辺)

環境庁の名水百選にも選ばれた御清水(おしょうず)。古くはお殿様のご用水として使われていたことから、殿様清水とも呼ばれているそうです。
立ち寄った時、年配の人たちが、円形の水くみ場に集い、涼をとっていました。
近くの越前おおの結ステーションというところにも足を運びました。観光や街歩きなどの拠点となる公共施設です。そこにも、水辺があり、女の子たちがそこで水に親しみ、遊んでいました。
梅雨入り後、信州・乗鞍高原へ仕事関係で日帰り出張しました。
空いた時間に車を走らせ、一の瀬園地を訪れました。そこは、かつて牛が放牧された所で、高度経済成長が始まった昭和30年代に観光施設として整備されたそうです。
(乗鞍高原一の瀬園地を流れるせせらぎ)


白樺の木立があり、いかにも高原といった感じ。周囲の山の佇まいと合わせ、洗練とした雰囲気が漂い、北陸にはない景観です。バーベキュー施設もあり、レジャーには持って来いの場所です。
ここにも、自然のせせらぎがあり、涼感を醸し出していました。純な山の緑と水辺。再度訪れ、このそばで仲間とバーベキューなどしたら楽しいだろーな、と思ったことでした。
6月のスタートともに、金沢百万石まつりが最高潮を迎えました。一日、呼び物の百万石パレードが行われ、時代衣装を身にまとった豪華絢爛な行列が目抜き通りを練り歩きました。
夕方からは、百万石踊り流しが繰り広げられ、城下町は終日熱気に包まれました。初夏の一大祭典。あかつき屋のお客様とともに、金沢が長年培った伝統と文化を堪能しました。
(金沢城のふもとで進む百万石行列)

百万石パレードは毎年6月の第一土曜日に行われることになっており、今年は一日がその日に当たりました。こんなケースは、私の記憶では、初めてではないでしょうか。
あかつき屋のお客様のチェックインが夜になるので、私たちは、兼六園下でパレードをしばし観覧しました。
武者行列や加賀鳶、獅子舞などが先導し、注目のお松の方や前田利家公などの行列が続きます。陽光の下、いずれも凛々しく、勇壮に、そして華麗に歩を進め、沿道の注目を集めました。
(藤本美貴さん扮するお松の方の行列)

今年のお松の方は元モーニング娘のメンバーで、タレントの藤本美貴さん。そのお松の方が近づくと、沿道からは「ミキティー」「ミキティー」と連呼する声が響きわたりました。お松の方は、満面の笑みで手を振り、歓声にこたえていました。
(夕方から行われた百万石踊り流し)

この日のあかつき屋のお客様は女性グループで、夕方から踊り流しに参加されました。同じ企業グループとして、そろいのユニフォームを着ての熱演です。
あかつき屋に帰って来られた時は、快い達成感を漂わせておられました。終日天候に恵まれ、参加する人も、見る人も、いい一日になったようです。
皆様、お疲れさまでした。また、お客様のI社の皆様、ご宿泊ありがとうございました。
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