4月が目前に。あかつき屋ではこの度、学生さんの卒業旅行においては、今シーズン最後のグループをお迎えしました。そのご一行様は、千葉県内の高校を先日卒業された女性5人さんです。
こちらに二泊三日の日程でご滞在になりました。その間、金沢市内観光のほか、このお宿では、他の大学の学生さんたちと交流され、一足早く学生気分も味わわれました。
(お着物姿で兼六園を散策されたお客様=ご提供写真)

お越しになった女性グループは、千葉県内の高校をこのほど卒業され、4月から首都圏や、京都の大学に進学されます。高校在学中は、ワンダーフォーゲル部に所属され、山歩きに青春の汗を共に流されました。
卒業式を終えての金沢旅行とあって、皆さんリラックスムード。ご宿泊二日目は、レンタル着物店でお着物姿になり、兼六園をそぞろ歩き。春の明るい日差しを浴びながら、名園の風情を楽しまれました。
園内では、出くわした「ナイスガイ」(お客様)に全員の集合写真を撮ってもらいました。園内は、春まだ浅いことから、木々はモノトーンの色合いが強く、女性たちの華やかなお着物姿は、ひと際映えました。
(前夜、共に楽しい時間を過ごされたお客様)

夜は、この日、チェックインされた名古屋市内の男子大学生5人と交歓する時間をもちました。
おしゃべりやトランプに興じることに。お宿の中は、夜遅くまで明るい笑い声が響きました。
皆様ご宿泊ありがとうございました。
千葉の方々、それぞれの土地で有意義なキャンパスライフを、名古屋の学生さんたちは、掲げる目標を目指して、頑張って下さい。
また、お目にかかれる日を楽しみにしています。
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春休み中とあって、様々な学生さんのグループのお泊まりが相次いでいます。週末を利用してこの度お越しになったのは、岐阜大学の皆様でした。
ご一行様は岐阜大地域科学部の柴田努准教授様と、先生が主宰するゼミの学生さんたちでした。経済学を専攻されています。
ゼミ合宿(旅行)でのあかつき屋ご訪問。終日、熱気にあふれる金沢町家ステイとなりました。
(ゼミ合宿でお越しになった岐阜大の皆様=写真掲載了解済)

こちらがまず驚いたのは、旅装を解くやいなや、早速、勉強モード全開になったことです。コミュニティルームの大きな掘りごたつを囲んで、ゼミがスタート。
(掘りごたつを囲んでのゼミ風景。左から2番目が柴田先生)

文献の読み合わせを行い、その資料を基に、それぞれが感想、意見を述べ、柴田先生がアドバイスされていました。その光景は、大学の研究室での演習をそのままあかつき屋に持ってこられたようでした。お部屋は、終始引き締まった雰囲気が漂いました。
夜、学生さんらは片町でのお食事後、あかつき屋に戻り、近所の温泉銭湯で一日の汗を流されました。
その後、先ほどゼミで使った掘りごたつを囲み、トランプに興じられました。
二日目は、近くの兼六園へ歩いて向かわれ、春の名園の風情を満喫されました。
学生さんたちは「掘りごたつが快適で、大学のゼミ室にもあればいいなー」などと感想を話されていました。
皆様、ご宿泊ありがとうございました。また、来て下さいね。
(兼六園で梅花を楽しまれる女性=写真掲載了解済)

この日午後、私も兼六園へ。梅が丁度満開で、入園者らが思い思いに花とふれあっておられました。たまたま出くわした埼玉からお越しになった女性二人。お着物姿で梅林を散策され、きれいな紅梅、白梅を心ゆくまで楽しんでおられました。
朝晩肌寒さは残っているものの、日ごと春の訪れを確かなものと感じています。日差しに力強さが増し、街が明るくなってきました。人の表情も明るくなってきたようです。
あかつき屋では、内と外で春への衣替えが進んでいます。玄関に面した上がりの間。ここは、西日が差す位置にあります。
夕暮れ時。障子戸に外側の簾の模様が映ってきました。組子(木の枠のこと)に簾の横線模様が見事にはまり、あたかも意図したかのような、鮮やかな幾何学模様を描いています。
(夕暮れ時、見事な幾何学模様を映し出した障子)

障子には、四季折々に太陽の傾き加減によって、簾の様々な模様が映し出されます。スクリーンに映し出された絵のように、時々刻々と、姿、形を変えます。
今、映し出されているその模様は、早春の夕暮れ時ならではの模様と言えましょうか。その場に居合わせたお客様は、驚いた表情を見せながらも、初めて出くわす光景に、カメラを向けていました。
(庭師さんによって行われる雪吊り外し)

あかつき屋では、前日に雪吊り外しを行いました。庭師さんが、松の木の枝に縛ってあった縄を手際よく解いていきました。その作業を横浜から訪れた学生さんが興味深げに見入っていました。
(兼六園周辺に並んだぼんぼり)

兼六園周辺も着々と春の佇まいに。花見のシーズンの前に、ぼんぼりが並びました。
毎年、この風景を見ると、いよいよ本格的な春近しを感じます。桜の花見客でにぎわう時季は、もうすぐそこまで来ています。
(前回のつづき)
金沢21世紀美術館を会場にした、もやい展が初めての週末を迎えました。大勢の来場者があり、アーティストやスタッフの方々は終日、対応に追われ、充実の一日となったようです。
今回の展示の中で目を引くのは、来場者も参加できる趣向です。絵画の展示会場では、絵本の読み聞かせがあり、作家さんと観覧者が一体となる光景が広がりました。
(堀川さんご夫妻による絵本の読み聞かせが行われました)

福島県双葉郡の原発事故被災地の各所を描いた絵画の展示会場では今日、その作家さんが数回読み聞かせをされました。
夕方の部では、絵本「手紙 お母さんへ」を制作した堀川文夫、貴子さんご夫妻(浪江町出身)=前回のブログをご参照下さい=が、自著を手に取って読み聞かせを行いました。
ご夫妻は、絵本を通じて被災後のリアルな体験談を明快な語り口で読み上げました。ご来場者は、お二人のお話に熱心に耳を傾け、読み聞かせが終わると大きな拍手が起こりました。
(ヒノキ素材のひもで編まれたネットの中で遊ぶ子どもたち)

植物造形の女性作家さんのコーナーでは、ヒノキを素材にしたひもをネット状に編んだ作品を展示しました。もやい結びで、そのネットを広げていける仕組みです。来場された方は、その作家さんから手ほどきを受けながら、ひもを結び、その作品の輪に加わりました。
(会場の壁面いっぱいに広がった絵画の大作)

また、会場を圧倒するような作品も展示されました。木炭で描かれた絵画で、縦2.7㍍、横20㍍もあります。
震災後の気仙沼、陸前高田、福島の海をイメージしたものです。
作品の重厚さもさることながら、これを制作された作家さんの底知れぬパワーを感じざるを得ませんでした。
会食で作家さんら交流作家さんたちは、あかつき屋では、リラックスして過ごされました。
朝、夜のお食事は、格好の交流の場となり、それぞれの創作活動を踏まえながら、思いのたけを忌憚なく語っておられました。
(パンをメーンにした朝食風景)

(漁師さんから差し入れされたバイガイと甘えび)

会期中、うれしいサプライズもありました。スタッフの知り合いの能登の漁師さんから、取れたてのバイガイ、甘えびの差し入れがあり、早速お刺身にして食卓に並びました。
夜の宴は、大いに盛り上がりました。
(前回のつづき)
もやい展に合わせて全国各地からあかつき屋にお越しになった作家さんやスタッフの方々。その中に、筆舌に尽くしがたい体験をしながらも、それを絵本にまとめ、出版されたお客様がいらっしゃいました。
その方は堀川貴子さん(65)です。堀川さんは福島原発に近い浪江町出身で、原発事故までその町に住んでいらっしゃいました。しかし、事故後、着の身着のまま自宅を後にし、埼玉県を経て、現在は静岡県富士市に住んでいらっしゃいます。
もやい展では、スタッフとして参加され、あかつき屋ではお料理担当として、出品作家さんらを支えておられます。
(原発事故後の一家の物語を絵本にされた堀川さん)

一昨日、堀川さんは、こうおっしゃいました。
「私、(原発事故後の)この体験を絵本にしたんです。ご主人が興味をお持ちなようなので、(静岡の)自宅から送ってもらいますね」
そして、届いた絵本を見せて下さいました。「手紙 お母さんへ」というタイトルで、古里・浪江町で飼っていた愛犬ゴールデンレトリバー「桃ちゃん」の目から見た堀川さんのご家族と周囲の物語でした。
(塾の子らにも愛された桃ちゃん=絵本から)

(原発事故後、自宅に別れを告げる堀川さん=同)

堀川さんは、ご主人の文夫さんが浪江町で長年学習塾を営んでおられました。絵本は、堀川貴子さんが文章を書き、絵は、堀川さん夫妻や息子さん、そして浪江の学習塾の卒業生らと、避難先で開いた富士市の塾の生徒さんら19人が描きました。
クレヨンなどで描かれた絵は、タッチは多少違っていても、どれも温かみのあるもので、見ているだけで気持ちが和みます。
物語は、愛犬桃ちゃんが堀川家の一員になったところから始まり、多い時で70人を数えた塾の生徒さんらとの交流、そして原発事故を経ての富士市への避難、そこでの暮らしなどが綴られています。
だれも経験をしたことのない出来事の数々、避難先での生活の難しさ、塾の教え子たちのけっして楽でない毎日などが、素直な文章で描かれています。
「避難先でのストレスがたまったんでしょうね」。堀川さんは、その異郷の地で、愛犬の早すぎる死とも直面しました。
でも、そうした苦難も、悲壮感あふれる文章で書かれるのではなく、きれいで、淡々とした調子でしたためられています。物語はハッピーエンドで終わっているのではないのですが、読後は、どこか素直な気持ちにさせられるのです。
よく言う「まさか」の「坂」を身をもって味わった堀川さん。でも、ここあかつき屋では、そんなことを微塵も感じさせず、明るく立ち居ふるまっておられます。3.11後の道程はけっして平たんではないにもかかわらずです。
そんな堀川さんの温かな視線を背中に受けて、もやい展に出品されたアーティストの皆さんは、今日もあかつき屋から会場の金沢21世紀美術館へ向かわれました。
(ご夫妻と桃ちゃんを描いた作品のそばに立つ堀川さん)

その堀川さんにとって、うれしいことがありました。あかつき屋にお泊まりになった作家さんが、堀川さんご夫妻と桃ちゃんが一緒になった様子を作品にして下さったのです。
布地にその姿を描いた作品は、何とも温かく、微笑ましい。見る人も思わず笑みがこぼれます。
様々なドラマを織り込んだ、もやい展。その力作とともに、そうしたエピソードも来場者に知ってもらえればと思ったことでした。
今年も近づいてきた3.11。言うまでもなく、未曽有の自然災害となった2011年3月11日に発生の東日本大震災です。あれから丸8年がたとうとしています。
その日を今年は格別の思いで迎えます。金沢21世紀美術館では、この日にちなんだアート作品を集めた「もやい展」が開幕し、その作品展に出品した作家さんらが、あかつき屋にお泊まりになっています。
作品会場では、気鋭のアーティスト14人の方々が、写真、絵画、工芸、インスタレーションなど幅広い分野で、それぞれ秀作を発表されています。渾身の作品群は、見る人に深い感銘を与え、3.11は何だったかを改めて考えさせる機会となっています。
(福島原発の事故の被害を受けた浪江町の商店街をとらえた写真作品)

もや(舫)いは、船を綱でつなぎ留めることをいい、転じて人と人との協働作業や人々の結びつきを意味します。「結(ゆ)い」とよく似た言葉と言えます。
今回のアート展は、そのもやいを名前に取っています。東日本大震災そして、それに起因した福島の原発事故。深刻な被害は広範に、長期に及び、様々なもやいを分断しました。
その状況と真正面から向き合い、作家さんたちが、様々な間柄を引き裂いたこの災禍を今一度見つめ直し、分断の溝を克服しようと、この作品展を企画したのでした。
(会場入り口の受付)

【出品作品の一部(つづく)】
(放射能汚染物質を詰めた袋を模した作品と写真)

(命をテーマとした和紙作品と舞踊(寝ている人))

(全国各地に立地する原発を配した絵画作品)

私は、既に二度会場を訪れました。テレビや新聞等のメディアでは、表現し得ない被災地の状況を作家さんが、それぞれの思いと技法で表現しています。魂を込めた個々の作品は、ややもすれば記憶から遠くなりそうなこの大震災を再び想起させ、胸を熱くさせます。
出品された作家さんたちは、原発事故により遠方に避難した人もいれば、被災地とはこれまであまり関係がなかった方もいらっしゃいます。
しかし、制作に向き合う姿勢には、全く隔たりがなく、全身全霊で取り組まれたことが、作品を見れば一目で分かります。
こうした作家さんをお宿にお迎えできたことを無上の喜びとし、微力ですがお世話させて頂いています。
作品展は10日まで開かれています。
この度、タイのご家族をあかつき屋にお迎えしました。三世代の計8人で三泊されました。
お食事では、ここの台所をフルに使われ、お料理を手作り。北陸の海の幸も食卓に並び、和やかな夕食風景が広がりました。
(一緒にお食事を楽しまれるタイの皆様=写真掲載了解済)

(お料理の数々)


タイのご一行様は、観光もさることながら、一緒に睦まじく時間を過ごすことに関心が向けられていたようでした。外出から帰られた際、香林坊大和の地下食品売り場などで買われた食材を携えておられました。
早速、お料理。ある晩は、カニやお寿司などをメーンにし、サラダなどを作られ、また別の日は、お肉を焼かれて、いくつかのお惣菜を作られました。
彩り豊かな夕食のテーブルを囲み、歓談されました。
あかつき屋を拠点に遠出も。二日目は、高速バスを使って奥飛騨・白川郷へ。三日目はJRを使い、北陸新幹線経由で、髙山へ。いずれも日帰りでしたが、日本の原風景的な景観を楽しまれました。
(広済寺さんで豪華ひな人形をご見学)

ご出発の朝は、あかつき屋の前のお寺・広済寺さんをお邪魔させてもらいました。そこには、立派な神殿造りのひな人形飾りがあるからです。ひな壇をバックに写真撮影をされる人もいました。
ご滞在中、桃の節句があったことから、お客様は、あかつき屋での飾りつけと合わせ、ひな祭りムードを満喫されました。
タイの皆様、ご宿泊ありがとうございました。また来て下さいね。
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