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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

桜花ののれん、お庭開放 春本番

春到来の確かな手ごたえ。日差しの強さ、木々の緑、吹く風の感触などから、いよいよ春本番を感じ取っています。金沢でも29日、昨年より6日早く桜の開花宣言が、ありました。
こうした動きに呼応して、あかつき屋では、春の装いのピッチを一段と進めています。

玄関ののれんを満を持して、桜の花模様に取り変えました。温かくなってきたのでお庭に面する縁側を今シーズン初めてお客様に開放。お客様は、体いっぱいに春を感じておられます。

(桜の花模様ののれんに取り替えました)
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桜の花模様をあしらったのれんは、昨年新調しました。金沢美術工芸大学の学生さんにデザインして頂いたもので、とても素敵な仕上がりになり、喜んでいます。
あかつき屋の近隣の方の目にもふれ、「春らしくて、いいですね」と好評です。

ようやく縁側を開放する時季が来ました。空気が暖かくなり、緑も日ごとに増してきています。お庭に隣接する縁側の引き戸を開ければ、緑の空間が広がります。そこは一種理想郷。

(いよいよ春らしくなったお庭)
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(縁側で憩う若いお二人=写真掲載了解済)
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この度お泊まりになった関西からお越しになったカップルさん。ご朝食後、春の日差しを体いっぱいに受けて、縁側に佇みました。お茶を頂きながら、のんびりとした時間を過ごされました。
「ずっとここにいたくなりますね」とお二人。お客様にこうした時間を過ごして頂けることは、こちらにとっても大きな喜びです。
お二人さん、ご宿泊ありがとうございました。

(日の傾きにより現れた格子戸の影。上がりの間)
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春になり、あかつき屋では、この時季ならではの景観が生まれます。上がりの間では、絶妙な幾何学模様がつくられます。
昼下がり、日が西に傾き、格子戸の形象が、障子戸や畳に投影します。

整然、かつダイナミックな光と影の造形。あかつき屋の春を象徴する風景の一つとなっています。

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本物の春到来 玄関に花の彩り

春三月、そして後半。金沢にもいよいよ本物の春がやって来ました。長い冬のトンネルを抜け、待ち望んだ春。明るい日差しの下、心を弾ませながら、あかつき屋を春の装いに整えています。

お庭の木の雪吊りを外す一方、玄関回りでは、春の花を植えました。彩りが加わり、一気に華やかに。お客様や道行く人に喜んで頂いています。

(庭師さんによって行われた雪吊りの取り外し)
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庭の雪吊り。今冬ほど頼もしく思った年は、ありません。金沢は20年、あるいは30年に一回ともいわれる大雪に見舞われ、ここのお庭も1㍍ほどの積雪で、すっぽり雪の下になってしまいました。
今、雪はなくなり、庭師さんの手で、枝を支えていた縄や支柱が取り外され、名木の松は、解き放たれたように、生気を放っています。

【家の前を春の装いに】
(寄せ植えの右側にパンジーを植える)
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(玄関の格子戸前。かわいらしいアリッサム)
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家の前では、春の草花を鉢に植えました。今回初めて、パンジーとアリッサムを並べました。特別珍しい花ではないのだけれど、その花の色鮮やかさと佇まいは、どの花よりも秀でている感がします。


振り返って、冬から春への行程。寒さを忍ぶ日々が続いたのですが、気持ちが明るく、いやされる片時がありました。降雪が峠を越えた夕暮れ時の浅野川河畔、常盤橋近く。

(浅野川・常盤橋近くからの美しい夕景)
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西の空に素晴らしい夕映えが広がっていました。色が少ないこの時季に、日の光と雲が織りなす色のグラデュエーションは、人の手では到底かなわぬ、美しさと迫力がありました。空の下に続く家並みと川の流れは、どこかつつましく、主役の座を空に譲っているようでした。

今冬は、人の温かさや親切に数多くふれた時でもありました。大雪の際は、お客様からメールやお葉書などでお見舞いを頂きました。兵庫にお住まいのKさんは、地元の銘菓を送って下さり、励まして下さいました。
この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

インターネット時代ならではの応援をして下さる方もいらっしゃいます。
創業に当たって、あかつき屋のリニューアルをお願いした嶋田工建さんには、いろいろと気を遣って頂いています。
先日は、同社のブログで、あかつき屋の様子を紹介して下さいました。ありがとうございます。

また、以前にこんなこともありました。
旅のナビゲーターが、ここを訪れて取材し、詳しくリポートして下さいました。この町家宿を見つけて頂いて感激しました。Mayumi Tさん、その節は、お世話になりました。

兼六園の梅林は満開に。桜前線は、もうじき金沢へ。
新年度も間近。感謝の気持ちを胸に、心新たに頑張っていきます。

徳島でラジオ番組作ってました♫

学生さんの卒業旅行が続いています。今回は、四国・徳島からです。明るく、さわやかな若者たち。その快活さで、地元徳島のFMラジオ局で番組作りに携わりました。

あかつき屋を貸し切ってご一泊された間、その番組制作を含めた学生生活を話して下さいました。四年間、充実したキャンパスライフだったようです。

(徳島大学放送研究会の皆様=写真掲載了解済)
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お客様は、徳島大学放送研究会の方々です。徳島大学のお客様は2年前に、ここに「縁結び女子旅」と銘打ってお泊まりになった女性グループがいらっしゃいましたが、今回は卒業旅行です。

この放送研究会のメーンな活動は、地元ラジオ局エフエム徳島の二つの番組「大学生で行こう!」「フルーティーキッス」を制作すること。
「大学生で行こう!」は今どきの学生のキャンパスライフを紹介し、「フルーティーキッス」は、悩める(?)若者たちに対して恋愛を指南するものだそう。
お客様たちは、それぞれの番組で企画、原稿作り、音量調節、パーソナリティーなどを担当されてきました。

初めての金沢は、天候に恵まれて、「絶好の観光日和だった」。夜は、旬彩料理のお店でお食事されましたが、「お魚がおいしかった」。

近所の温泉銭湯に浸かった後、あかつき屋に戻って団らんのひととき。トランプで楽しい時間を過ごされました。
ご卒業後は、社会人、進学と道はそれぞれのようですが、きっと今の調子で活躍されることでしょう。

ご宿泊ありがとうございました。また、遊びに来て下さいね。

バレーボールに汗した仲間 金沢へ

様々な地域から卒業旅行で金沢へ。今回お越しになったのは、山梨県内の大学のお仲間です。在学中は、バレーボールに汗を流し、青春の日々を刻まれました。

卒業式を残すのみとなった学生生活。すっかりリラックスして、城下町金沢ステイを楽しまれました。

(お泊まりになった「Tuesdays」の皆さん=写真掲載了解済)
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(練習スタイルの皆さん=ご提供写真)
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こちらのお客様グループは、山梨大学と山梨県立大学のバレーボール愛好者でつくるサークル「Tuesdays」の皆さんです。
創設25年余りの歴史あるサークルで、火曜日(Tuesday)ではなく、毎週土日の夕方に活動をなさっているそうです。
大会に向けての練習のほか、バーベキューやイチゴ狩り、学園祭参加など楽しいイベントもいっぱいとのこと。

(お着物姿で兼六園へ=同)
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卒業旅行に選んだ城下町金沢。歴史ある町の佇まいは魅力的で、二日目は陽光の下、女子も男子も着物姿になって、兼六園やひがし茶屋街を散策されました。
若さあふれる皆様。お着物姿は、ひと際輝いたようです。
ご宿泊ありがとうございました。またお越し下さいませ。

茶道部の学生さん 卒業旅行も和の趣

学生さんの卒業旅行も様々なスタイルがあるものですね。この度あかつき屋に貸し切りで二泊された9人のお客様グループ。今春、岡山大学を卒業される女子学生さんたちです。

学生さんたちは在学中、茶道部に所属され、日頃茶の湯に親しむ一方、茶会を開いたり、日本の礼儀作法なども学んでこられました。
卒業旅行で選んだ城下町金沢。一日はお着物姿で、ひがし茶屋街や兼六園などをご散策。落ち着いた街の雰囲気を体感しながら、充実した時間を過ごされました。

(お客様、兼六園で記念撮影=ご提供写真)
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お客様は、岡山大学の医学部の4年生で卒業後は、医師や看護師、保健師、検査技師などの道に進まれます。実はちょうど一年前、同じ岡山大学の同じ学部の皆さんも卒業旅行で、ここあかつき屋に泊まっており、今回のお客様がチェックインした時、あまりの偶然に、お互い大変驚きました。

ご一行が到着された日はあいにく雨でしたが、その後はお天気に恵まれ、快適に過ごされました。
ご滞在中、古い街並みのご散策や日本海の幸をご堪能。
特に9人がきれいなお着物姿で街を歩く姿は、通りの人の目を引きつけたようです。

(越吉さんで=同)
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(髙山豆腐店さんでお豆腐作りに興味津々)
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また、二日間の朝食では、近所の魚屋さんやお豆腐屋さんに出かけ、プラスαの食材を求めました。
扇町の魚屋越吉さんでは、ししゃもの干物、橋場町の髙山豆腐店さんでは、作り立てのお豆腐を調達し、干物はおにぎりとおみそ汁の和食に、お豆腐は森長さんで購入したパン食のプラスの一品となり、食卓が豊かになりました。

(卒業旅行でお泊まりになった岡山大学の学生さんたち)
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夜は、コミュニティルームで心おきないおしゃべり。大学時代の思い出などを語り合われました。
4月から新生活がスタート。それぞれの健康と健闘を祈りながら、近い将来再び集まることを誓い合っておられました。

御宿泊ありがとうございました。ご卒業も元気でご活躍下さい。また、来て下さいね。

台湾から白馬、そして金沢満喫

台湾の若者たちの熱気にふれた4日間でした。この度、あかつき屋に宿泊された台湾からのお客様7人。まず信州・白馬のゲレンデで一週間スノーボードを楽しんだ後、北陸・金沢に移動。歴史と文化にふれ、日本海の幸を満喫されました。

何度も日本を旅してきたという若者たち。立ち寄り先や交通手段などを上手に選択され、完全燃焼の旅を実現されました。お世話させて頂いても、気持ちの良い数日間でした。

(白馬でスノーボードを楽しんだお客様=ご提供写真)
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お客様は台湾の台北などに住む方々です。常夏といって言い気候ながら、スノーボードの大ファンで、幾度も日本のスキー場でスノボをされているそうです。
今回は、約一週間にわたり、岩岳や五竜遠見など白馬のスキー場を滑り回ったとのことでした。

(陽光の下、兼六園でくつろぐ=同)
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(まちのり自転車で市内を軽快に移動=同)
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そして城下町金沢へ。あかつき屋に貸し切りで三泊されました。
好天の下、兼六園に向かわれました。すっかり雪の少なくなった兼六園で庭園美をご堪能。
公共レンタサイクルのまちのりも駆使。東西の茶屋街や金沢21世紀美術館を軽快に回られました。

(まるよしさんで気さくにお食事)
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日本海の幸も満喫。ご滞在中、近江町市場に二度訪れ、あかつき屋の近所のまるよしさんで、お寿司とおでんを賞味されました。
まさに「深夜食堂」。心おきなく食べ、大いに語り合いました。

(あかつき屋も存分に楽しまれました)
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スピーディーに、そして自然体に白馬、金沢を旅された台湾の若者たち。熱い思い出を胸に、富山空港から帰路につかれました。
皆様ありがとうございました。また、来て下さいね。

前のお寺の逸話 歴史研究家が講演

あかつき屋の前の浄土真宗寺院・広済寺さんは、最近相次いで貴重な史実が明らかになっています。滋賀県・近江八幡に本家があり、約500年の歴史を有する広済寺さんは、金沢では格式のあるお寺ですが、これまで歴史学者らによって本格的な調査が行われていませんでした。

今回、地元の歴史研究者の調査によって、いくつかの貴重な出来事が確認されました。それを踏まえて、3月2、3日に広済寺さんで営まれた伝統行事・「法宝物開帳の御忌(ぎょき)」を利用して、その研究者による調査報告があり、門徒さんらが熱心に聞き入りました。

(広済寺の秘史について語られる中田さん)
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法宝物開帳の御忌は、蓮如とこのお寺を開いた実如上人を追悼する催しで、春の到来に合わせて、同寺で継承されている多くの宝物の御開帳も実施されます。長期間蔵にしまわれていた掛け軸などの虫干しも兼ねています。

このお寺の古文書などの調査に当たられたのは、長年、高校の日本史教師を務めた中田隆二さん(62)=金沢市高坂町=で、昨年秋以来、お寺の梵鐘や古文書を通じて新事実を明らかにされました。

(御忌が営まれた広済寺さん山門)
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中田さんは、大晦日などに鳴らす鐘については、その表面に加賀の一向一揆の拠点・尾山御坊の時代からの歴史が漢文で刻まれているという事実を突き止めました。これによって、この鐘は滅却処分を寸前で免れました。

また、中田さんが近江八幡のご本家も訪ねて調査した結果によると、戦国武将浅井長政の異母兄弟に当たる近江国の僧侶、岡崎安休が、門徒の指揮をとったこと、さらには後年、このお寺の家紋「三つ葉葵」は、徳川家康から賜ったことなどが、判明しました。

2日に始まった御忌では、中田さんが、こうした貴重な史実を家系図などを配って詳しく説明されました。
門徒の方々は、興味深い逸話の数々に熱心に聞き入り、このお寺に秘められた数々の歴史ドラマに感銘を深くしておられるようでした。