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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

魚津で体験 金沢で交流 海洋大生さん

金沢町家のあかつき屋が、いっとき海の雰囲気に包まれました。東京海洋大学の女子学生さん5人がお泊まりになったのです。

学生さんたちは、富山県魚津市の魚津漁協さん主催の農山漁村体験モニターツアーに参加された後、金沢に入られました。その余韻を漂わせながら、あかつき屋にご宿泊。同宿された他の学生さんと交流され、お宿は熱気に包まれました。

(紅ズワイガニを手に持ち、笑顔=ご提供写真)
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(たこつぼ漁を体験=同)
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学生さんたちは、東京海洋大海洋政策文化学科の3年生です。魚津のモニターツアーは二泊三日で行われ、学生さんたちは、魚津沖でたこつぼ漁やかご漁などを体験、漁協の方々との意見交換にも臨みました。

また、宿泊した民宿などでは、「日本海の幸をたらふく食べました」と学生さんたちは話し、特に漁が本格化した富山湾の紅ズワイガニは「絶品だった」そうです。

(夜、東京海洋大と三重大の学生さんたちが交流=同)
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そんな貴重な体験をお土産にあかつき屋に入られました。同宿されたのは、二泊目となった三重大の学生さんたち。
分野も住む地域も異なりますが、同じ学年ということもあって、意気投合。気さくなおしゃべりは、深夜まで続きました。

北陸・金沢に住む私たちですが、紅ズワイガニは、まだ食べたことがありません。海洋大の皆さんの話を聞いていると、それをぜひ一度食べてみたくなりました。日本海の冬の幸ズワイガニとは、味が違うのでしょうか。

海洋大生さんのあかつき屋ご宿泊は、2年ぶり。以前の学生さんたちの所属は、商船系だったので、今回はまた新鮮でした。
皆様ありがとうございました。

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建築学ぶ学生さん 金沢散歩ご満喫

暑さ和らぎ、さわ風吹く9月。この月、あかつき屋には最終盤まで、学生さんたちに大勢来て頂きました。観光に、研究に、北陸・金沢は、格好の素材を提供し、若者たちは、その魅力を十二分に味わわれました。

三重大学から工学部建築学科の女子学生3人さんが二泊されました。古民家に興味がおありで、国登録有形文化財に指定されたあかつき屋を宿泊先に選ばれたとのこと。熱心にこの建物を見学され、私も多くのことを学ばせてもらいました。

(二泊された三重大の学生さんたち=写真掲載了解済)
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学生さんたちは、富山県内で一泊され、金沢に入られました。高岡では、古民家の宿に宿泊されたほか、高岡大仏や古刹・瑞龍寺などにも足を運ばれました。

二泊した金沢。あかつき屋では、円窓のある玄関や二階お座敷の床の間など、粋を極めた意匠(デザイン)に興味をもたれ、目を凝らして、いろんな角度から写真を撮っておられました。
また、秋の風情が漂うお庭も観賞されました。

あかつき屋界隈の街歩きも楽しかったよう。一口に木造家屋と言っても、切り妻造りの家もあれば、入母屋造りのものもあり、構造によって随分と印象が違います。お庭の配置も家屋において、重要な要素であるとの思いを強くされたようです。

近代建築では、21世紀美術館のほか、鈴木大拙館や海みらい図書館などを回られました。

(お宿のノートに残されたあかつき屋の絵。外観とお庭が見事)
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お食事では、近所の浅田さんのどじょうのかば焼や、柿木畠のあまつぼさんの治部煮などに舌鼓。天候にも恵まれ、大満足の金沢の旅になったようです。

皆様、ご宿泊ありがとうございました。また、遊びに来て下さいね。

秋祭り 最後の獅子頭飾りつけ

金沢はこのところ秋らしい日が続いています。青空が広がり、空気は澄んでいます。街のあちこちから、金木犀の甘い香りが漂ってきました。あかつき屋のお庭からも。

地元の氏神様・椿原天満宮の秋祭りが始まりました。実りの季節に感謝し、人々の平安を寿ぐお祭り。神社への通りには、露店が並びました。

あかつき屋の近所・扇町の一角に、立派な獅子頭が飾られました。その威風堂々とした面構えは、祭りムードをいやが上にも高めます。しかし、この獅子頭の展示は、今年で最後になるというのです。寂しいことです。

(扇町に飾られた伝統の獅子頭)
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(獅子頭の飾りつけに精を出す地元の人たち)
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獅子頭の傍らに置かれた説明版によると、この獅子頭は藩政時代、加賀藩主前田治脩公に仕えた永田流彫刻の名人・沢阜逃石が制作したものです。年代物であり、その卓抜した造りと合わせ、価値あるものです。

旧材木町1、2、3丁目(賢坂辻の通りを南北に連なる地区)の町会の所有で、毎年秋祭りに展示されてきました。
地元の材二親和会の町会が、獅子頭の管理と祭礼での展示のお世話に当たってきました。

しかし、その世話に当たる方々の高齢化が進み、展示する場所への獅子頭や獅子舞の蚊帳、太刀などの祭り道具一式の運搬や飾りつけが、困難になってきたのです。
このため、獅子頭の展示を今年を最後にすることにしたのでした。

お世話に当たった町会の方々は、飾りつけの作業に勤しみながら、「(飾りに使う竹の切り出しもあり)準備が大変で、自分たちでもうできなくなった」「今年が見納めや」と、寂しそうに話していました。
毎年秋に私たちも、伝統のある獅子頭を見て来ただけに、残念に思いました。

この町会では、市の文化財担当課と相談し、可能ならば歴史民俗資料を保存する施設に引き取ってもらえないかと考えているようです。

(椿原神社前の道に並んだ露店)
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この界隈は、歴史的な街並みが色濃く残るところですが、少子化、高齢化の波は例外でなく、こうしたお祭りの維持・継承がむつかしくなっている側面があります。
私たちにとって、ここは生活の場でもありますので、そうした課題と真摯に向き合っていかないとと心しています。

三度滋賀県立大写真部の皆様

お宿業も歳月を重ねていくと、うれしい“再会”があります。この度あかつき屋にお越しになったお客様は、滋賀県立大学写真部の皆様でした。

今回訪れた写真部のご一行様は、先輩の方々と合わせると、あかつき屋へは三度目のご宿泊になります。オープンした2011年を初めとして、二回目が2013年3月で、今回は4年半ぶりです。部員の方々は、はつらつと城下町金沢の撮影散歩をされました。

(先輩に続きお泊まりになった滋賀県立大学写真部の皆様
                         =写真掲載了解済)
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滋賀県立大学は、身近に感じる大学です。この大学は滋賀県彦根市に立地し、実は私は、お宿開業前に、彦根市内の「とばや旅館」で修業させてもらった経験があるからです。
名城・彦根城があり、金沢と同じ城下町というのも、親近感があります。

今回お越しになったお客様たちは、そんな経緯もあり、いずれも初対面にもかかわらず、肩肘張らずコミュニケーションをとることができました。

メンバーの方々は、観光の傍ら、治部煮など金沢の郷土食にも親しまれ、充実の金沢ステイとなりました。
翌朝あかつき屋のお庭を楽しまれた後、千枚田のある能登・輪島へと出発されました。

ご宿泊ありがとうございました。良き先輩に感謝しつつ、再会を約しました。

三連休初日、穏やかに、和やかに

9月の三連休がスタートしました。心配された台風18号は、北陸から遠く、金沢は穏やかに連休初日を迎えました。

あかつき屋にお泊まりになった三組は、それぞれにタイプの違うお客様。一組は、フランスからのご夫妻。もう一組は、4年ぶりにお越しになった若いカップル。そして、もう一組は、母と子供さんでした。
暑くもなく、寒くもない、絶好の日和の下、観光スポットで、そして、この町家で、和やかに過ごされました。

(お泊まりになったフランスのご夫妻=写真掲載了解済)
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フランスのご夫妻はタフで、歩いて兼六園など各観光スポットを回られました。二日目は、通称・忍者寺へも徒歩で。
フランスのお住まいは、パリから南へ20㌔ほど行ったところにある、オルセーという町で、私が、あかつき屋について「築85年ほどたつ建物です」と説明すると、オルセーの自宅も同じ歳月がたっています、と説明されました。

ご夫妻は「ただ、あかつき屋は、木でできた家。私の家は、石造りで、そこが違いますね」と、笑って話されました。ちょっとした家談義をしました。

このほか、うれしかったのは、4年ぶりにお越しになった女性がいらっしゃったこと。前回は、学生さんでしたが、今回は社会人となり、愛知県内で活躍されていました。自社の製品をPRされ、頼もしく感じました。

また、東京から母と6歳のお嬢さんの親子さんも。連泊され、お嬢さんは夜、あかつき屋に常備する木のパズルに打ち込んでおられました。とても、好奇心旺盛なお子様でした。

皆様、ご宿泊ありがとうございました。

幅広く園芸学ぶ学生さん ご宿泊

ゼミ旅行で金沢にお越しになった学生さんたちをあかつき屋にお迎えしました。東京・多摩市にキャンパスがある恵泉女学園大学の学生さんらです。

同大学の人間社会学部社会園芸学科の宮内泰之准教授のゼミに所属する3年生の学生さん7人で、宮内先生と共に来られました。
日本三名園の一つ兼六園などをご散策の後、夜はここで勉強会を開かれました。

(恵泉女学園大学の宮内先生と学生さんたち=写真掲載了解済)
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社会園芸学科では、心理学を融合させながら、園芸を軸に豊かな社会環境を築くことを目指して研究されています。
学生さんたちは、日中、兼六園や金沢城を訪れ、お庭の佇まいなどを見学されました。

夜は、あかつき屋で勉強会。
国登録有形文化財に指定された金沢町家のお宿を運営する立場から、私は、この町家のことやお宿の取り組みなどを、紙資料やパワーポイントなどで紹介させて頂きました。

(私が勉強会で使用したパワーポイント資料)
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この後、学生さんたちは、これからいよいよ卒業論文の制作が本格化するとあって、各自がその進捗状況を発表、宮内先生は一人ひとりに丁寧にアドバイスされていました。

ご一行様は、ドジョウのかば焼きや大根寿司など地元の食や、近隣の温泉銭湯にも親しまれ、旅気分も十二分に味わわれました。
皆様、ご宿泊ありがとうございました。引きつづき、元気に学生生活をおくって下さいね。

和装愛する学生さん 着物姿で街へ

秋の訪れにふさわしいお客様をあかつき屋にお迎えしました。この度、全室貸切で二泊されたお客様8人。女性の6人は、お着物持参で金沢にお越しになりました。

お客様は、お着物姿で街へ繰り出されました。落ち着いた所作で街をそぞろ歩き。秋らしくなった街並みに、和装はしっとりと溶け込みました。

(お着物姿で記念撮影に臨まれる学生さんたち
                 =写真掲載了解済)
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こちらの学生さんたちは、和装を愛する着物インカレサークル「和蒼会」の皆さんです。関東と関西に会員がいらっしゃり、お祭りや花火大会などのイベントに、一緒に着物や浴衣姿で出掛けられるそうです。
今回は、首都圏や関西からメンバーが金沢に集まられました。

ご宿泊一日目、二日目はあいにくの雨となりましたが、金沢市内や加賀・山代温泉にお着物姿で出かけられました。
終日、雨模様だったため、「せっかくのご旅行なのに」と気の毒に思いましたが、学生さんたちは「金沢は雨が多いと聞いていたので」と意に介しないようでした。

(雨上がりの朝、お庭でも撮影)
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ご出発の朝は、すっきりと晴れ上がりました。
あかつき屋のご宿泊記念に着物姿で撮影会を行いました。

二階のお座敷・あかつきの間で全員で撮影。続いて、お庭で2人ずつ写真を撮りました。
お着物姿でお客様がたたずむと、この町家は一層和の風情が増します。
このようなお客様のニーズにもこたえられるよう、気持ちを引き締めて、お宿業に当たらないとと、心に誓ったことでした。

皆様、ご宿泊ありがとうございました。

いよいよ秋に 茶屋街の夜

9月に入りました。朝夕は涼しくなり、大気は澄んできました。昼間、明るい日差しの下にあっても、どこか余裕をもって、受け止めることができます。大好きなSeptemberの到来です。

夜、お客様がお食事で外出されている間を縫って、散歩に出かけました。行き先は、ひがし茶屋街方面。あかつき屋から歩いて15分ほどで着きます。

(夜のとばりが下りたひがし茶屋街)
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ひがし茶屋街。日中の喧騒は嘘のように、人の姿は、まばら。お店の軒下に連なる灯りは、藩政期から続く家並みの風情を醸し出していますが、人待ち顔のようにも見えます。
柳の木がある広見で、しばし佇み、その場を離れました。

(梅の橋を望む。川面には、マンションの灯りが)
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浅野川のほとりに出ました。木でできた梅の橋付近。様々なテレビ番組でも登場する橋ですが、ここもいたって静か。
川面には、隣接する高層マンションの灯りが、落ちていました。

(主計町茶屋街も静かな佇まい)
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主計町に立ち寄りました。ここの茶屋街は、ひがしと違った趣があります。浅野川のすぐそばにあるだけに、心もち涼しく感じます。
通りには、いくつか名の通った鍋料理のお店がありますが、お店が活発になるには、時季がまだ早いよう。ひっそりとしていました。
魅力的なお鍋を楽しむ時は、もうしばらく先のようです。

清少納言は、枕草子で「夏は夜」と記しましたが、二つの茶屋街をはさむ浅野川界隈を歩くと、「秋は夜」とも言いたくなります。
川の流れ、風の音に、虫のさえずりも協奏し、昼の慌しさを忘れさせてくれます。