一年の折り返しの時季。6月30日、城下町金沢は氷室開きの日。藩政時代に起源をもつ風習で、冬に室(むろ)に貯蔵していた氷雪を取り出す日。加賀藩がこの地を治めていた時代は、この氷雪を徳川将軍家に献上していたとされています。
金沢では、これにちなんで6月30日と7月1日にお饅頭(まんじゅう)を食べる風習があり、この饅頭は氷室饅頭と呼ばれています。
蒸し暑い梅雨の真ん中にある、氷室の日。酒饅頭のこの饅頭を食べて、元気になろう、という狙いもあるようです。
(氷室饅頭を売り出す山本観音堂さん)

市内の和菓子屋さんではこの二日間、一斉に氷室饅頭を売り出します。あかつき屋の近所の山本観音堂さんでも、店頭にずらりとその饅頭を並べていました。
いくつか買い求めました。この日、お泊まりになったお客様にお出ししました。テレビで湯涌温泉で毎年行われている氷室開きの催しが放送されており、たまたまこのニュースをご覧になったお客様は「これにちなんだお饅頭ですね」と話し、金沢ならではの食文化にふれられました。
(氷室饅頭)

国登録有形文化財のあかつき屋では、お客様には一年を通じて、金沢の風習にふれて頂いています。
お正月行事に始まり、春、秋に行われる野町・神明宮のあぶり餅神事、大晦日では前のお寺・広済寺さんでの除夜の鐘つき等々、長い歳月、地道に営まれる伝統行事が数多くあります。
一年の節目節目で、無病息災に感謝し、今後も引き続き精進を誓い合う。今年後半へ。気持ちも新たに臨みます。
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バイタリティーあふれる若者5人のお客様をあかつき屋にお迎えしました。東京から金沢に車で。下道を使い、8時間のドライブでした。石川県入りした後、一日かけて能登半島を一周し、金沢入り。
金沢では、兼六園をはじめとした観光地めぐり。ここならではの食にも親しまれ、海の幸を堪能されました。笑顔あふれる一泊二日になりました。
(あかつき屋にお泊まりになったお客様=写真掲載了解済)

お客様ご一行は、学生さんと社会人のグループ。お仲間の一人が金沢にお住まいで、東京からのメンバーとここで合流されました。
車で奥能登まで足を延ばされました。
好天に恵まれ、「珠洲にあるゴジラ岩を見て来ました」。
輪島では、「海鮮丼が、すごくおいしかった」とのこと。
(千里浜で青春の思い出を刻まれました=ご提供写真)

羽咋の千里浜・渚ドライブウエイでは、波打ち際で楽しんだそう。明るい日差しの下、車で砂浜を走るという稀有な体験は、忘れられない思い出になったことでしょう。
夜に、あかつき屋に入られたお客様たち。早速出かけたのは、兼六園で開かれているホタルの観察会。水路などの水辺のあちこちにホタルを見つけられました。
遅い夕食は、近所のまるよしさんへ。「お寿司とおでんが同時に食べられ、とてもお得」と皆さん。金沢の郷土料理であるベロベロ(えびす)も初めて食べ、とてもおいしかったとのこと。
「金沢のどこのお店でベロベロを食べられますか」と聞かれましたが、果たして、ベロベロを出すお店はあるのでしょうか。私は「ないんじゃないですか」と答えました。
この庶民の味をメニューに加えている飲食店が、まるよしさん以外に金沢にあるのなら知りたいです。
明るく、とてもマナーよく、ここで過ごされた若者たち。「今回は下見ということで、また来ます」と翌朝、歩いて金沢観光に出発されました。また、遊びに来て下さいね。ありがとうございました。
6月21日に北陸地方が梅雨入りし、その後数日好天が続いていましたが、今日は終日雨となり、梅雨らしいお天気に。気のせいか、街は静かになったようです。
雨は、鬱陶しいばかりではありません。あかつき屋では、お庭のギボウシが満開となり、いくつも縦についた白い花が、涼しげです。雨に濡れた木々の葉も、しっとりとした色合いを見せており、新たな生気を得たよう。知られざる梅雨の美景と言えます。
(雨に濡れたお庭。ギボウシが満開に)

週末にお泊まりになったお客様は朝、縁側にたたずみ、雨を受けるお庭を楽しまれました。晴れの日は、木々は明るい日差しで白っぽくなるのですが、水分を含むと、葉の緑は一層鮮やかになります。
「とてもきれい」。お客様たちは、いろんな角度から写真を撮っておられました。
(玄関には、紫陽花)

玄関には、この季節ならではの紫陽花(アジサイ)を生けています。
街角で楽しみ、この町家でも愛でる、梅雨の花。
花々が、お客様を静かに見守ってくれます。
さわやかに晴れ渡った朝、卯辰山中腹にある花菖蒲(しょうぶ)園へあかつき屋のお客様と訪ねました。ちょうど花しょうぶは満開、色とりどりの花は、周辺の緑に包まれ、感嘆する美しさ。
その花しょうぶを包むように、周囲にはアジサイの道もあり、目にさわやか。心地よい散策を楽しみました。
(満開になった卯辰山の花菖蒲園)

卯辰山は浅野川に隣接し、あかつき屋からは毎日眺めています。その登り道の中ほどに、花菖蒲園があり、この時季には決まって訪れます。
その園には、何種類もの花しょうぶがあり、少しずつ開花時期が違うので、日をずらして来ても、違った表情を見せて、魅力的です。
(タイのお客様も楽しまれました=写真掲載了解済)

この日は、タイからのお客様をご案内して、訪れました。
タイの人は、金沢については兼六園やひがし茶屋街など定番の観光地は知っていても、この花園は知らなかったので、百花繚乱の園に驚いた様子。
盛んに写真を撮りながら、園をめぐっていました。
(アジサイも目にさわやか)

アジサイも見ごろを迎え、花しょうぶとともに、初夏の花の共演を見せていました。
(終わった花を摘み取る男性作業員の方)

園内で何やら作業をする男性の姿が。近づいて尋ねると、終わった花を摘んでいるのだとか。
「見た目も悪いし、次の花が咲きやすくするためです」とその男性。
こんな方々のお世話によっても、この美しい花の憩いの場が、保たれているのだと分かりました。ありがとうございます。
その日一日、ほのぼのとした気持ちで過ごすことができました。週末のお客様をお迎えする準備を終えて一息ついた昼下がり。突然、男性の声が玄関から聞こえてきました。
この時間にチェックインされるお客様はいないはずだし、誰だろう?不思議に思いながら、玄関へと向かいました。
「前に泊めてもらった者です」。その若者は格子戸を開けて、おっしゃいました。そう言われても、すぐに思い出せません。
若者は、続けました。「長野県から来て、家族で泊まりました。近所のお寿司屋さんや、銭湯に行き、夜は、外国人と交流しました」。
それで思い出しました。あのKさんご一家ですか。お泊まりの際、お宿ノートに楽しい絵と感想を残されていったからです。
そのKさん。5年ぶりのあかつき屋訪問です。
(5年前に旅の感想を記したお宿ノートを手にするKさん
=写真掲載了解済)

長野市出身のKさん。聞けば、今春金沢大学に入学されたとのこと。その大学の法学類に在籍し、学んでおられます。
すぐに5年前にタイムスリップしました。
Kさんご一家は2012年3月、あかつき屋にお母さんと当時中学生と小学生のご兄弟の3人で宿泊されました。お泊まりの際、その模様について、お宿ノートに詳しく記されました。
近所のまるよしさんで、おいしいお寿司やおでんを食べ、みろく温泉さんで、身も心も温まりました。
夜は、同宿された外国人カップルと、流暢とはいかないまでも英語で楽しくやりとりされました。
一つひとつが初体験だったのですが、何よりうれしかったのは、行く先々で地元の人から親切にされた、とのことでした。
Kさんにとっては、忘れ得ぬ金沢の思い出になったのでした。
「この旅行で金沢が大好きになりました」。その思いを胸に中学、高校時代を過ごし高3の時、大学受験に選んだのが、金沢大学だったそう。そして、この春、見事に合格。
Kさんは入学して3カ月ほどたち、少し落ち着いたのか、5年3カ月ぶりに、「懐かしい」(Kさん)あかつき屋を自宅のある杜の里界隈から自転車で訪ねて下さったのです。
コミュニティルームでそのいきさつを聞いた時、驚くと同時に、大変感激しました。
金大で学んで、将来は国際的に活躍するジャーナリストを目指すとのこと。何事にも真っすぐなKさんなら、その夢をきっとかなえられるでしょう。
よく来て下さいました。ありがとうございます。また、ご家族で遊びに来て下さいね。
百万石まつりと並んで金沢の一大イベントとなった秋の金沢マラソン。6月14日に今年の金沢マラソン(10月29日開催)の申込者の抽選結果が発表されました。
抽選結果の発表と同時に、あかつき屋には、当選者からの宿泊お申込みが相次ぎ、お部屋はすぐに満室になりました。ご予約ありがとうございます。
今年も、素敵なランナーと出会えるかと思うと、今からワクワクします。
(金沢マラソン2017のパンフレット)

報道によると、今年3回目となる金沢マラソンの申込者は、定員1万3千人に対して、一般ランナー2万8317人の申し込みがあり、競争率は、約2.2倍でした。なかなかの狭き門です。
あかつき屋では、今年も
昨年の大会時と同様に、金沢マラソン参加者のお宿として特別宿泊体制をとり、便宜を図らせて頂きます。
抽選結果発表後、予約して頂いた方には、リピーターの方もおられ、今から再会が楽しみです。
金沢マラソン参加者にとっては、新たなスタートが切られました。
マラソン愛好者の私も、秋の各種大会に向けて、トレーニングを本格化させたいと思います。ともに頑張りましょう!
今週末にあかつき屋にお迎えしたお二人の女子大生のお客様。来られて早々におっしゃたことに驚きました。
「私たち、名古屋から金沢までヒッチハイクで来たんです。」
「え~。」ここに、こんなふうに来られたお客様は、初めてです。でも、「いい人」(お二人)に恵まれて、金沢が素敵な旅になったとのこと。あかつき屋に新たな歴史が刻まれました。
(ヒッチハイクで金沢に来られたお二人=写真掲載了解済)

お二人は、愛知県内の別々の大学に通われています。今春語学留学で訪れたオーストラリアで知り合われ、お友達になられたのでした。
(オーストラリアで知り合われたお二人
=ご提供写真、以下同じ)

ヒッチハイクは、名古屋出発。スケッチブックに行き先を書いた紙を道路わきで掲げ、三度車に乗せてもらい、金沢にたどり着きました。お二人は「いい人に恵まれ、スムーズに金沢に着きました」。
(夕食で舌鼓を打った宇宙軒の豚バラ定食)

その日の夕食は、金沢方面に行く運転手さんにおしえてもらった「宇宙軒食堂」(金沢・片町)。そこで、そのお店の代名詞と言える豚バラ定食を召し上がられました。「とてもおいしかった。おススメです」とお二人。
あかつき屋に着いた後は、近所の銭湯みろく温泉さんでその日の疲れをいやされ、入浴後は、女将さんとしばしご歓談。
ご一泊後は朝4時半ごろに起きられ、無料時間帯である兼六園と金沢城公園に出かけられました。雨上がりの後のさわやかな空気の中で、散策を楽しまれました。
(朝、お庭を眺めて過ごされました。)

朝食は、あかつき屋でとられ、チェックアウトまでの時間、緑が濃いお庭を眺めながら、リラックスして過ごされました。
「無計画な旅だったけれど、こわいくらいラッキーな出会いが続きました」とお二人。その後、歩いて、ひがし茶屋街へ向かわれました。
明るく、バイタリティーにあふれたお二人。将来がとても楽しみです。
ご宿泊ありがとうございました。また遊びに来て下さいね。
初夏の城下町金沢の祭典・百万石まつりが6月2日から三日間の日程で繰り広げられました。3日は、祭り最大の呼び物・百万石パレードが行われ、市の中心部は、華やかな歴史絵巻に彩られました。
濃い緑の中、威勢の良い掛け声や吹奏楽の音色が響きわたり、出演する人も、見物する人も昂奮気味。まちは終日活気づきました。
(濃い緑の中、繰り広げられた百万石パレード)


あかつき屋からは、百万石パレードのコースまで、歩いて10分ほどで着きます。お泊まりのお客様が観光に出かけられている間、私たちもパレードをのぞいてみました。
大獅子の列や吹奏楽パレードと遭遇。大きな獅子頭をもつ男性が、沿道にいる子供たちに、その頭を突き出しておどけて見せると、子どもたちは、悲鳴とも歓声ともつかぬ声を上げていました。
(ミス百万石のオープンカーも)

ミス百万石の3人のお嬢さんを乗せたオープンカーも行き過ぎました。小高いところにいたため、そのご様子はよく分かりませんでしたが、沿道の観客に手を振る姿は素敵でした。
(ライトアップされた兼六園)


日が沈んだ頃、無料開放になっている兼六園に出かけました。昼間の熱気が嘘のような静寂が、そこにありました。ライトに照らされた木々や灯篭、水辺。昂ぶった気持ちを静めてくれるようでした。
あかつき屋のお客様は、百万石まつりを楽しまれる一方、週末、県産業展示館で開かれた
百万石音楽祭2017(ミリオンロックフェスティバル)に行かれる人が多く、会場で大いに盛り上がられたようでした。
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