2016年も残り数時間となりました。振り返ってみれば、あかつき屋に日本から、世界の各地から大勢のお客様においでいただきました。人との出会いと語らいは、こうしたお宿業の醍醐味と言えるかもしれません。
魅力ある人との出会いの一方で、お客様を通じて、魅力的な品々との出会いもありました。この年末にもあり、それらは、農作物のクワイや東京のお寿司の名店の太巻でした。
一年を閉じるに当たり、こうした貴重な品との出会いがあったことにも感謝したいと思います。
(近江町市場の店頭に並んだクワイ)

クワイは、こちらにお泊まりになった男性のお客様とのご縁で身近なものになりました。その男性は、大のお料理好きで、ある晩、近江町市場で魚介類とともに、クワイを買って来られたのでした。
(フライパンで揚げました)

(朝の食卓の一品に)

で、台所に立って、手際よく作られたのは、クワイの揚げ物。フライパンにサラダ油を敷いて、適当な時間揚げたものです。
私も頂いたところ、お芋のようなほくほく感があり、とても食べやすいのに驚きました。
簡単にできるので、後日近江町市場で、県内最大の産地である羽咋・神子原産のクワイを買い、お客様の朝の食卓に紹介させて頂きました。先の男性がされたと同じ揚げ物に。好評でした。
一方、東京のお寿司の名店かねさかさんの太巻とも遭遇しました。先日、あかつき屋にここの関係者の女性がお泊まりになり、紹介されたからでした。
(東京・かねさかさんの太巻)


昨日、東京に住む息子が、丸ノ内パレスホテル東京内にある同店からこの太巻を買ってきてくれました。早速夕食で頂きました。
具だくさんで、ご飯の食感もしっとりとして良く、おいしかったです。
様々な恵みにあずかった一年。感謝の心を忘れず、来たる新年に臨みます。
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クリスマスイブ。今年も素敵な夜となりました。あかつき屋のお客様は、大半が20代で、お生まれは、北は北海道から、西は四国・香川県と様々。
手作りスイーツを食べながら、楽しくおしゃべり。主にアートを話題にしながら、夜遅くまで話に花を咲かせられました。
(手作りしたクリスマス・スイーツ)

あかつき屋では、毎年クリスマスは手作りスイーツをお出しして、ささやかですが、集いを開いています。今年もお客様とともに、アイスやチョコレート、リンゴ、イチゴなどのフルーツを並べたスイーツを作りました。
皆がそろったところで、ミニパーティー。この日は、富山大学芸術文化学部に学ぶ学生さんやインテリアや建築の仕事に携わる女性、そして東京のカップルさんが、お泊まりになりました。
(聖夜に楽しいおしゃべりを繰り広げられたお客様=写真掲載了解済)

(マイブームも語られました)

いずれのお客様もアートに関心が高く、昼間に訪れた金沢21世紀美術館での展観内容やその建物などについて、活発に感想を述べられました。
その鋭い視線からのいくつかのご指摘は、とても刺激的で、今さらながら金沢は、ポテンシャルの高い、素晴らしい施設をもっているな、と感じ入りました。
一年を振り返ってのコメントも。今年、自身が熱を入れて取り組んだことなどが披露されました。それは、一人鍋であったり、生け花であったり、ギターであったり、そして通称「千ベロ」と言われ、千円ほどの安価で、飲み屋さんを巡る嗜好などでした。
また、それぞれの故郷についても語られ、名古屋や静岡・浜松の魅力が紹介されました。
外の寒さを忘れるほどの熱気を帯びた夜となりました。それぞれに忘れられない思い出が胸に刻まれたようです。
皆様、ご宿泊ありがとうございました。良いお年をお迎えください。
十二月も後半に。日ごとに慌しさが増していく感がいたします。
そんな城下町金沢で風雅な時間を過ごされた、あかつき屋のお客様がいらっしゃいます。
山陰・島根県からお越しになった女性お二人で、あかつき屋に二泊されました。
お二人の金沢の旅には、あるプランがありました。それは、持参したお着物を身にまとい、兼六園などを歩くことでした。
あかつき屋でお着物姿になり、街へ繰り出しました。この日は、北陸の冬とは思えない、明るい空が広がり、お二人は心を躍らせ、歴史的な街並みの散策を楽しまれました。
(あかつき屋でお着物姿になったお客様=写真掲載了解済)

お二人はこの日朝、あかつき屋でお着物姿になりました。そして向かった先は、本多町にある中村記念美術館。その旧中村邸でお茶会が開かれたのでした。
(明るい日差しが降り注いだ中村記念美術館庭園)

(旧中村邸でのお茶会の一コマ=ご提供写真)

「イブの茶会」と銘打ったその催し。和室では、いくつかのお茶席とともに、地元工芸作家らの手によるお茶碗の展示がありました。
お二人は、他の参加者とご一緒に個性豊かな茶碗の数々を観賞されました。
(陽光の下の兼六園。せせらぎはどこかさわやか=同)

この後、歩いて兼六園や金沢城へ。
名園と古城は、明るい日差しを浴びて、輝いていました。
「弁当忘れても傘忘れるな」と、金沢の冬の天候の変わりやすさを譬える言い伝えがありますが(お二人は、この言葉は、島根・松江にもあると、おっしゃいました。)、そんな心配のいらない、屈託のない青空でした。
お二人は、地元では、忙しく毎日を送っておられるようですが、初めて訪れた金沢は、そんな日常を忘れさせてくれる、充実の時になったようでした。
ご宿泊ありがとうございました。お身体に気をつけ、地元で良い年末・年始をお過ごし下さい。
あかつき屋が数日間、アカデミックな雰囲気に包まれました。情報科学を専攻とする日本と中国の大学の教授らが今月14、15の両日、金沢市内でワークショップを開かれ、期間中、遠来の研究者が3泊されました。
最終日の15日の夜は、ここで懇親のお食事会を開催され、催しを振り返りながら、気さくにおしゃべりを繰り広げられました。
(コンピュータサイエンスをテーマにしたワークショップ
=しいのき迎賓館)

このワークショップは、日本学術振興会が採択した二国間交流・共同研究の一環で、日本からは、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST:能美市)や名古屋大学、中国からは上海の大学の研究者が参画されています。
今回はJAISTの小川瑞史教授の研究室が中心となり、運営に当たられました。
会場は、金沢市中心部のしいのき迎賓館で、両国の研究者が研究成果を発表され、意見交換をされました。
(あかつき屋での夕食会)

(雪模様の兼六園で記念写真を撮られた中国の研究者)

全日程を終えた15日夜。あかつき屋に発表者らが集われ、夕食会を開かれました。
食材は、近江町市場で買って来られた海産物や野菜。タラや白子の入ったお鍋や、甘えび、ナマコなどのお造りも食卓に並べられ、舌鼓を打ちながら、話に花を咲かせられました。
この日、金沢は今冬初めて雪らしい雪が降った日で、上海の先生方は驚きつつも、兼六園や金沢城周辺の雪景色を楽しまれました。
皆様この度のご宿泊ありがとうございました。またお気軽にご利用下さいませ。
北の家族とすっかり親しくなった四日間でした。この度、あかつき屋では、これまでで日本では最も北からお客様をお迎えしました。
お越しになったのは、北海道・羅臼町に住むご家族です。
羅臼町は、斜里町とともに知床半島を構成しており、根室海峡をはさんで北方領土の国後島と向かい合っています。その北の大地で暮らす稗田さんご一家6人があかつき屋を全室貸切って3泊されました。
稗田さんは、地元で酪農業を営んでおられ、ひえだ牧場を開いておられます。ここでのご滞在の間、羅臼の風土やお仕事など、得難いお話を聞かせて頂きました。
(北海道・羅臼からお越しになった稗田さんご一家)

稗田さんご夫妻には、小学生と幼児の4人のお子さんがいらっしゃいます。羅臼からは、飛行機やJR電車などを乗り継いで金沢に入られました。
稗田さんのご主人は、ご先祖さんが北陸生まれということもあり、この地に愛着があり、そんなご縁もあって金沢にお越しになりました。
(稗田さんの牧場の牛たち=ご提供写真)

(冬、雪に包まれたご自宅周辺=同)

稗田さんご夫妻との夜のおしゃべりは、興味が尽きないものでした。乳牛80頭を養う酪農業。美しくも時に厳しい自然の中で、家族を挙げて、良質の牛乳を生産し、乳業メーカーを通じて消費者に届けておられるのでした。
4人の子供さんの子育ても大変なのですが、4年生になるご長男は「最近牛の世話をしてくれるようになった」(ご夫妻)と、今では家業の戦力として期待できるようになったとのことでした。
金沢での四日間。主な観光スポットめぐりや夜のライトアップバスに乗られるなどされたのですが、このあかつき屋界隈の温かい人情にふれたのが、心に残ったとのことでした。
近所の温泉銭湯・兼六温泉さんやみろく温泉さんでは、地元の人から声をかけてもらうなど、親切にされたそう。また、夜のお食事では、串焼き店上々南々さんや、なんば亭さんでも、温かく迎えられた、とおっしゃいました。
ご家族は、朝は、あかつき屋で朝食を取られるなど、我が家のようにくつろいで過ごされました。
(お宿ノートに金沢の思い出を記されました)

こちらとしては、小さいお子さんがいらっしゃるので、体調を崩すことのないようにと、気を遣いましたが、夜はぐっすりお休みになったこともあり、皆さん元気に四日間を過ごされました。
本当にはるばる北海道の知床の地からお越しになったというだけで、感無量でした。
稗田さんご一家の皆様。この度のご宿泊ありがとうございました。
地元に戻られたら、再び健やかにお過ごし下さい。
私どもも、一度御地を訪れることができればと思っています。
あかつき屋はこの週末お休みをいただいて、首都圏を訪れました。日本海側とはうって変わって暖かく、空は青空。別の国に来たかのよう。前から気になっていたあちこちを訪ねました。
その中で、JR駒込駅近くにある、国の特別名勝・六義園を散策しました。ちょうど紅葉は、今が真っ盛り。他の観光客に交じって、初冬の風情を楽しみました。
(広大な六義園=東京・駒込)

六義園に行こうと思ったのは、日経新聞「何でもランキング 専門家が選ぶ 昼も夜も紅葉を楽しめる庭園東西10選」(2016年10月1日付)で、東のトップになっていたから(ちなみに西の一位は我が金沢の兼六園)。
(ピークを迎えた六義園の紅葉)


徳川5代将軍・綱吉の側用人、柳沢吉保が7年の歳月をかけて作り上げた回遊式築山泉水庭園。約560本あるというモミジは今がちょうど見頃を迎えており、ひと際鮮やかでした。
歴史的な佇まいの茶屋も趣があり、見ているだけで落ち着いた気分に。ここがとても大都会のど真ん中にあるところとは、思えませんでした。
東京って、あちこちに緑と水のオアシスがあり、人込みから離れて、そんなスポットへ行くと、身も心もいやされます。
(青空の下、そびえ立つ東京タワー)

その日は、東京タワーのふもとへも足を運びました。そこで会食があったからです。
木立ちの中から仰ぎ見る、タワー。高さは、東京スカイツリーに譲りましたが、その威容は富士山を見るように、神々しいほどでした。
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