あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

秋祭り、扇町の通りに立派な獅子頭

金沢は、観光客が大勢訪れたシルバーウイークが終わり、続いてあかつき屋の地元では、椿原天満宮の秋祭りが行われました。

これは、昔から伝わる地域のお祭りですから、観光客の姿はほとんどなく、住民の方々が、素朴に五穀豊穣と無病息災に感謝する祭礼。派手さはなくとも、その寿ぎ方は、心に染み入るような趣があります。

(祭りの提灯が飾られた椿原神社の参道)
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あかつき屋から歩いて数分のところにある扇町の一角では、獅子頭が飾られていました。大きな鼻や歯が目を引く、威厳のある表情のそれは、そばの説明板によると、「加賀藩主前田治脩公に仕えた永田流彫刻の名人沢阜逃石の名作」だそう。

南組の獅子とも記され、現在の賢坂辻交差点をはさんで南北に続く通りの町のもののようです。旧の町名では、材木1、2、3丁目に当たります。

(勇壮な獅子頭が展示された扇町地内)
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(扇町の通り)
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地元の人の話では、子どもが大勢いた時代、この界隈では、秋祭りに獅子舞の演舞も行われたそう。少子、高齢化とともに、その風習もなくなり、今は、伝統の獅子頭や蚊帳、前垂れ、太刀など獅子舞の装具を展示し、お祭りを祝っているのです。

一方、あかつき屋が加わる町会・御親会では、子ども太鼓の練り歩きがありました。雨の中、いつもなら法被ですが、今回は合羽を着た子どもたちが、元気よく太鼓をたたき、家々を訪ね歩きました。

藩政の時代を感じさせる、重厚な獅子頭や、無心に練り歩く子どもたちの太鼓行列。秋色帯びる街なかで、ほっとするような光景でした。

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バスケ仲間、お着物姿の後、鍋宴会

シルバーウイークは、あかつき屋では全国各地から様々なお客様がお越しになっています。
その後半入りには、静岡県浜松市からバスケットボールに汗する若者たちをお迎えしました。

バスケットボールをやっているとあって、皆さん高身長。そんな方たちの金沢の楽しみ方は、お着物姿になっての街歩きでした。
レンタル着物店で、全員が着物姿になり、ひがし茶屋街を街歩き。その後、あかつき屋に戻ってこられましたが、すらっとした、りりしい姿は、町家に映えました。

(お着物姿になった浜松からのお客様=写真掲載了解済)
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お客様は、チームは違いますが、バスケットボールを共通の趣味とし、練習などでともに汗を流す、仲良しグループです。今回は親ぼく旅行として、二台の車で金沢にやって来られました。

(夜は、お鍋を囲みご親ぼく)
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夜お着物姿であかつき屋に戻って来られた時は、びっくりしました。皆さんとてもおきれいで、そのすらりとしたプロポーションはモデルさんのようでした。
早速二階あかつきの間で、“撮影会”を行いました。

この後、大きな掘りごたつのあるコミュニティルームでご夕食。海産物とお肉や野菜などが入ったお鍋料理を中心に、スーパーで購入されたお惣菜などを囲んで、夜遅くまでご歓談を繰り広げられました。

韓国の学生さん、こまちなみご散策

金沢町家に興味を持って、あかつき屋にお泊まりする学生さんが、相次いでいます。この度ご宿泊されたのは、韓国・漢陽大学の博士課程で学ぶジャン・ミンヨンさんです。

ジャンさんは都市計画を専攻。特に日本の歴史的な街並みを研究対象にされ、城下町金沢にはこれまで再三訪れています。今回の金沢訪問では、あかつき屋でのご宿泊のほか、町家関係の専門家インタビューや町家巡遊のイベントなどにも参加されました。

あかつき屋でのご滞在中、私は近隣にある、こまちなみ天神町保存地区をご案内しました。戦前からの町家や街道が色濃く残る天神町・扇町界隈。そこは、観光地化されず、住民のありのままの暮らしが今も営まれています。

ジャンさんは古い家並みに視線を注ぐ一方、通りのお店の人とも会話しながら、街並みや生活の変遷を感じられました。

(町家について勉強するため、あかつき屋に宿泊されたジャンさん
                      =写真掲載了解済)
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ジャンさんは以前に東京・早稲田大学にも学ばれており、かなり日本に精通しておられます。金沢にも既に五度ほどお越しになっており、細かな地理にもお詳しいのには、驚かされました。

今回の金沢ご訪問では、そんなジャンさんに、これまで訪れたことのない場所を知ってもらおうと、歴史的な家並みが続く、こまちなみ天神町地区を歩いてご紹介しました。

(こまちなみ天神町の通り)
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黒い瓦屋根、格子戸や、うだつのある家々。その通りは、観光客が行き来するような喧騒はなく、住民の方々の静かな暮らしが営まれています。

その通りにある魚屋「越吉」さんを訪れました。いつものように、女将さんがお店で忙しそうにしておられました。
女将さんに来意を告げると、女将さんは、昔を思い出しながら、いろいろと話して下さいました。

(天神町界隈の変遷について話して下さった越吉の女将さん)
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「私が嫁に来た時は、この通りには、いろんな店があったわ。米屋、桶屋、髪結いのお店もあったんよ。ここでは何でも買えた。繁華街やったわ」。

「繁華街」。今のお店のまばらな様子からは、なかなか想像しにくいのですが、こまちなみが立地する、この街道は、金沢城・兼六園付近につながり、反対側は越中・富山にも通じる道ですから、そうしたにぎわいがあっても何ら不思議ではありません。

それが高度成長期の歩みとともに、郊外の都市化による若年者の転出が進み、さらに少子高齢化も加わり、この界隈も人口減少や住民の方の高齢化が進んでいったのでした。

数十年前は、さぞ活気があったろう。女将さんのおっしゃる「繁華街」だった時代の通りを今一度見たいと思いました。

女将さんは、さらに続けました。
「昔に比べると魚屋さんもずいぶん減った。兼六園の方からこのあたりまで、魚屋の組合に入っていたのは、昔は何十軒もあったのに、今は数軒だけになってしもた」。
そう言って、女将さんは古い組合の名簿を見せて下さいました。
その該当のページには、既に廃業した数多くの魚屋さんの名前に横線が引いてありました。

でも時代の逆風をうけながらも、越吉さんは、意気軒昂。店頭販売や外商(行商)で多くの固定客をもち、自家製のうなぎのかば焼きや色付け、こぬか漬けなどに高い評判を得ているのでした。

こうしたお店の特長についても、ジャンさんにお話しながら、この通りをゆっくりと歩いたのでした。

自営業に携わる者としては、越吉さんのように長年地元に根を張り、多くの人に愛されているお店は、身近なお手本です。
そんな街や人の息遣いを感じながらの、韓国の学生さんとの朝のお散歩でした。

建築学ぶ研究室仲間 見学や観光

秋のさわやかな空模様の下で、青春を全開させたお客様がいらっしゃいました。東京工業大学(東工大)で建築学を学ぶ院生及び学部生の皆様です。

あかつき屋には飛び石で二泊四日されました。金沢市内の特色ある建築物のご見学はもとより、観光そして地元グルメのお食事と、フルコースで金沢ご堪能。学生さんたちの笑顔に接していて、こちらも元気倍増しました。

(最後の夜、とり野菜味噌鍋を楽しまれる学生さんたち=写真掲載了解済)
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あかつき屋は、建築系ではこれまでどういう訳か東工大さんのお客様が、数多くお越しになっています。昨年は、景観をテーマとする研究室が、先生と学生さんでお泊まりになりました。
今回は、学生さんオンリーでしたが、その分「リラックス」(学生さん笑)して、金沢ステイを楽しまれました。

国登録有形文化財のあかつき屋について、こう感想を話されました。
「玄関に入ってすぐに目に入る円窓が素敵でした」
「お香の香りが良かった」
「2階あかつきの間の網代天井がおしゃれ」
「正面の銅板葺き小屋根のデザインがいい」
「お庭が、とても素敵です」等々。

(あかつき屋玄関の円窓前の飾りつけ)
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訪れた鈴木大拙館や21世紀美術館では、ざん新な建築美に目を見張られました。

ご滞在中、近江町市場で朝食を買い出しに行かれ、最後の夜は、あかつき屋で鍋パーティー。地元まつやさんの、とり野菜みそ鍋を初体験。地魚のお刺身も加わり、大いに盛り上がりました。

(お客様がこの旅を振り返り作成された組み写真)
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学生さんたちはご出発の朝、金沢の旅を振り返り、何枚かの写真を使って、組み写真を作成されました。なかなかの力作。楽しい瞬間、瞬間がリアルに伝わってきます。

皆様この度のご宿泊ありがとうございました。また、元気な姿を見せて下さいね。

秋の日々、目に留まる草花の生長

9月に入ってからの日々。例年になく、雨の日が多く、朝夕は肌寒さを感じることがあります。
北関東では、大雨による鬼怒川の堤防決壊で、大変な被害が出ている模様。一日も早い天候の回復と復旧をお祈りいたします。

そんなここ数日ですが、兵庫・宝塚にお住まいのKさんから、季節の写真が送られてきました。
宝塚の方も、日ごとに秋の気配が濃くなっている様子。Kさんは、自宅のお庭や付近の散策で、季節の変化に目を留められました。

(夕顔)
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       (夏水仙)
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(雨に濡れて光る南天の実)
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ご自宅では、夕顔や夏水仙が清楚な花を咲かせ、雨の日には、水滴に濡れた南天の実が色鮮やかだったそう。

           (散歩道で見つけられたキノコ)
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いつもと違ったコースをとった散歩道の路傍では、キノコの姿を見つけられました。こんなところにも、「秋」が。そんな思いを抱かれたそぞろ歩きでした。

メールで送って下さったこれらの写真を紹介させていただきます。

大学ゼミ合宿 金沢で観光行動調査

あかつき屋に学生さんグループのご宿泊が続いています。この度お迎えしたのは、長野県松本市ににある信州大学人文学部の学生さんと先生の10人グループ。

准教授の岡本卓也先生の研究室の皆様で、社会心理学を専攻されています。今回の金沢旅行は、心理学の立場から観光客の金沢での観光行動を探ろうというものです。学生さんが自ら被験者となりGPS(全地球測位システム)受信機を携帯して金沢のまちなかをめぐり、その立ち寄り先や経路から観光客の行動の心理的側面を考える、ざん新な試みです。

夜、学生さんたちは、このフィールドワークからあかつき屋に戻って来られ、岡本先生とディスカッション。パソコン画面に映し出された自分たちの行動の軌跡を振り返りながら、観光行動を考察されました。

(あかつき屋で打合せする岡本先生=右から3人目=と学生さんたち
                         =写真掲載了解済)
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金沢を研究対象とした観光に関する調査は、これまで数多くありますが、GPSを駆使して社会心理学的な角度から観光客の行動と心理を調査しようというのは、極めて異例と言えそうです。

学生さんたちは、初めて金沢を訪れた人、複数回目の人など来訪回数によって3つのグループに分かれて、まちなかへと出かけられました。

夜、お食事を終えて帰って来られた学生さんたち。あかつき屋のコミュニティルームの掘りごたつを囲み、今日一日を振り返られました。

岡本先生の手元のパソコン画面には、GPSによってその日一日の各グループの行動の軌跡が金沢の地図上に示されています。
兼六園やひがし茶屋街などメジャーな観光スポットが多かったのですが、タクシーの運転手さんのアドバイスで予定外の場所を訪れたグループもありました。

(まちへ出る前に下調べする学生さん)
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(地図を手にさぁ出発)
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また、その立ち寄り先についても、なぜここを選んだのか、ここのどの点に心惹かれたのかなど、様々な観点から分析し、意見交換されました。

(ひがし茶屋街で=ご提供写真、以下同じ)
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(通称忍者寺こと妙立寺裏門)
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あかつき屋を拠点とした大学生のゼミ合宿は、これまで建築やアート、地理・歴史の分野の方が多かったのですが、社会心理学専攻は初めて。それだけにそばで拝見していて、新鮮であり、興味深かったです。

信州大学の皆様、二泊三日ありがとうございました。引き続き有意義なキャンパスライフをお送り下さい。

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