梅雨時は、雨や曇天で忌むべきイメージがありますが、今シーズンはそんな思いが払拭されることがありました。山梨県北杜市内にお住まいのOさんからこの度、地元特産のサクランボがあかつき屋に届いたのです。
真っ赤に熟れたこのサクランボ。食べたら、何とも言えない甘さが口の中に広がりました。「こんなおいしいサクランボは初めて!」。家族は口をそろえました。
ちょうど梅雨の時季に収穫期を迎えるサクランボ。アジサイの花とともに、梅雨時の恵みですね。
(Oさんから届いた岩原果樹園さんのサクランボのケース)

山梨にお住まいのOさんご家族は、あかつき屋に五度お泊まりになった、超リピーターです。今では、山梨にお住まいのご友人のような感覚でお付き合いさせて頂いています。
(甘く、芳醇なお味でした。)

そのOさんから届いたサクランボ。八ヶ岳山ろく・清里高原にある、岩原果樹園さんで栽培されたものです。そこは標高800㍍余りあり、日本一高いところでサクランボを育てているのだとか。
山梨と言えば、ブドウ、桃のイメージがありますが、サクランボも立派な特産品として、定評があるのでした。
新鮮な上に、甘くて柔らかい果肉。Oさんからの自宅からほど近い、その八ヶ岳山ろくへ行ってみたくなりました。
Oさん、おいしいサクランボありがとうございました。
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戦後70年。戦争を知らない世代の私にとっては、第二次大戦がさらに遠くなる感がありますが、この度あかつき屋のお客様を通じて、この大戦の悲惨さを知る機会を得ました。
お泊まりになったお客様の80代男性の方々は、終戦間際の昭和20年8月、長野県内の軍需工場で働き、そこで仕事場を共にした女性のお仲間が愛知県豊川市内の軍需工場で戦火を受け、多数の方がお亡くなりになりました。
お客様たちは、その悲惨な出来事に心を痛め、少なからずご縁のあった方々の霊を慰めたいと、金沢にお越しになった機会を利用して、金沢・卯辰山にある慰霊の塔を訪れ、手を合わせられたのでした。
お客様の胸の内には今もなお戦争の生々しさが残るご様子。節目の時を迎え、人の命の大切さ、平和の尊さをかみしめたことでした。
(戦時中のことを回想される旧制飯田中学校の卒業生の皆さん
=写真掲載了解済)

(出版された書籍『中学校が軍需工場になった』)

今回お泊まりになったお客様は、長野県の旧制飯田中学校(現飯田高校)を卒業された方々です。この方々は在学中の昭和20年、学校の一部が軍需工場となりました。そこで勤労奉仕することを余儀なくされ、軍事製品の生産に当たられたそうです。
その学校併設の軍需工場は、愛知県豊川市にあった豊川海軍工廠(工場)の一部が移転(疎開)したもので、その関係から豊川のその工場の従業者女性(挺身隊と呼ばれました)の一部が飯田の軍需工場で働くことになったのでした。
当時、中学生でありながら、その飯田中学校の軍需工場で働いたお客様たちは、同じ工場内で働いたうら若い女性のことを今も鮮明に覚えておられます。そして、そのお仲間が実は、大戦が終わるわずか1週間ほど前の8月7日に、豊川の工場が米軍の爆撃を受け、多数亡くなったのでした。
その中には、石川県出身者が多数含まれており、今回あかつき屋にお泊まりになった旧制飯田中学校の卒業生の皆さんの金沢訪問の大きな目的が、無念の死を遂げた若き女性たちの霊を慰める、殉難おとめの像を訪れることでした。
今回の金沢の旅については、旧制飯田中学校卒業生で、現在金沢ご在住の堅田仁さん(85歳、天神町ご在住)がお世話されました。堅田さんら飯田中学同窓生はお泊まりの夜、昨日のことのように、学校併設の軍需工場で働いた日々のことを語られました。そして、その工場内で共に汗して働いた、当時10代後半の若い女性たちのこともしっかりと覚えておられました。
まだ年若い少年時代。まして、戦時下とあって、心の余裕もなかったのですが、友達の中には、彼女らに淡い思いを抱いた人もいたようです。
その当時のことは一昨年、『中学校が軍需工場になった 長野県飯田中学校生徒たちの昭和20年(1945)春夏』という本にまとめられ、出版されました。そんな本も手元におきながら、あかつき屋でお客様たちは、夜遅くまで、過酷な環境下、必死に生きた戦時中のことを語っておられました。
(出発の朝、おとめの像がある卯辰山に向かわれました。右から3人目が西村さん)

金沢ご在住の堅田さんは戦後、思いがけないご縁から豊川の軍需工場で働いた女性と金沢市内で知り合われました。そのお一人が西村八重子さん(90歳、東山ご在住)で、24日朝、堅田さんら旧制飯田中卒業生とご一緒に、卯辰山にある、おとめの像に向かわれました。
(おとめの像の前で手を合わせられました)

緑濃い丘の上に建つおとめの像。その像の前に立ったご一行は、手を合わせ、若くして人生を閉じた50余名の乙女たちの冥福を静かに祈ったのでした。
歴史の生き証人とも言えるお客様を通じて、知った戦後史。そして、人生の出会い、めぐりあい。生の重み、深みを感じる数日間でした。
北陸・金沢も今月19日、ようやく梅雨入りしました。平年より7日遅く、昨年より14日遅いそうです。
ここ数日、雨空や曇り空の天候となり、鬱陶しいというより、梅雨空は街を静かに包んでくれるように感じます。
街を歩けば、あちこちにアジサイの花が咲いています。あかつき屋でも、玄関の円窓の前にアジサイの花を生け、上がりの間の衝立には、アジサイを描いた水墨画の色紙を飾りました。
薄紫の彩りは、見ているだけで心が和み、落ち着きます。
(玄関に生けたアジサイ)

(衝立に飾ったアジサイの絵)

夏休みには、まだ日があるこの時期。あかつき屋には、観光とはまた違ったお客様がお越しになっています。
この週末のお客様は、ご友人の結婚式出席のためにお泊まりになった男性グループや、地元大学を卒業され、久しぶりに金沢で再会された女性グループ、さらには市内で開かれた学会参加のためにお越しになったご家族連れなどでした。
梅雨に入ったとは言え、ここの気候は、おおむね穏やかで、お客様はそれぞれの用務をこなしながら、金沢ステイを楽しんでおられました。
(満開となったお庭のギボウシ)

あかつき屋は、一年を通じて季節の花でおもてなし。
アジサイは、旬の美しさを見せ、お庭では、ギボウシが満開となりました。清楚な白い花。大きな葉っぱとともに、この時季、ひと際存在感があります。
こんなご旅行もあるんですね。今回あかつき屋にお迎えしたのは、今年4月に同じ会社に入社された新入社員の皆さんです。互いの親ぼくを図り、絆を深めようとの狙いで城下町金沢の旅を企画されました。
勤務先のある千葉県をご出発後、北陸新幹線にご乗車、金沢ご到着後、兼六園や21世紀美術館、近江町市場などを観光後、金沢の地元料理も楽しまれ、金沢満喫の一泊二日になったようでした。
(朝食を楽しく過ごされるお客様たち=写真掲載了解済)

一日目あかつき屋にチェックインされた際、皆さん若く、熱気にあふれているので、同じ大学の学生さんたちかなと思いました。で、お尋ねしたら、今年入社の新入社員の方々でした。
千葉県内にある勤務先は交通関係の企業で、職場は技術系、事務系と様々とのことでした。
(夕食で出された加賀野菜ピザ=お客様ご提供写真)

初めて乗車した北陸新幹線で、速く、快適に金沢にご到着。ご観光の一方、金沢グルメも楽しまれました。
ご夕食は、柿木畠のあまつぼさんへ。お造り、白エビなどの日本海の幸のほか、郷土料理は、治部煮のほか、加賀野菜ピザなるものも味わわれました。これは、ピザの生地にさつま芋、レンコン、かぼちゃなどの地元野菜が盛り込まれていました。
いずれのお料理もおいしく、大満足だったそうです。
朝は、皆で買い出しに行った、あかつき屋の近所のパン屋森長さんのパンと、浅田さんのドジョウのかば焼き、そしてコーヒー、紅茶などでご朝食。
緑濃いお庭を眺めながらの時間は、心豊かな時間だったようです。
この度は、ご宿泊ありがとうございました。お勤め先でのご活躍、そしてプライベートでも楽しくお過ごし下さいませ。
今年あかつき屋で新たな楽しみが生まれました。タイの地図をかたどった木製ジグゾーパズルがお目見えし、主にタイのお客様が楽しんでおられます。
あかつき屋の近所にお住まいの山下伸郎さんが4月に手作りされたものです。
山下さんは、木のおもちゃ作りの達人で、これまで干支の動物をかたどったジグゾーパズルなどを制作され、こちらに提供して下さっています。
(タイのパズルを楽しむタイのお客様=写真掲載了解済)

今回は、日本いや世界どこにもないようなタイのパズル。タイのお客様は、これを初めて見た時は目を丸くし、早速目を輝かせてパズルの完成に打ち込んでおられます。
(山下さんが作って下さったタイパズル)

あかつき屋は、ふだんからタイのお客様が多いことから、木工玩具作りの達人山下さんが、ご厚意でこのタイのパズルを作って下さいました。完成に要した期間は、わずか4、5日ほどで、そのお仕事の速さに驚きました。
パズルはタイの地図の形をしており、ピース(木片)はタイの県をかたどっています。数多くのピースを組み立てれば、タイの国が出来上がる仕組みです。
お越しになったタイのお客様たちは、コミュニティルームに置かれたタイのパズルにまず驚かれ、フリータイムに嬉々として、そのパズルに取り組んでおられます。
山下さん、素敵なパズルありがとうございました。
小なりと言えどもお宿業を営む日々の中で、近隣の商店から刺激を受けることが多々あります。今回感心したのは、兼六園下交差点そばで和菓子店を開いておられる中島菓子店さんです。
お店は兼六園、金沢城のすぐそばという好立地なのですが、それに安住せず、新商品を絶えず開発しておられます。今日お訪ねした際、お目にかかったのは、金箔を散らした、おぼろ月「一(いち)」です。
(金箔を散らしたおぼろ月の「一」)

おぼろ月は、中島菓子店さんの代名詞と言ってもいい和菓子。そのお菓子の表面に金沢の伝統工芸の一つ金箔を散らしました。それにより、お菓子に気品と高級感が生まれました。
その素敵なお菓子とともに、若いご主人の飽くなき商品開発意欲にも、大いに刺激を受けました。
中島菓子店さんは明治創業の老舗ですが、新商品の開発に余念がないのには、いつも敬服しています。端午の節句の時季には、鯉のぼりの形をした鯉のぼり最中を製造するなど、タイムリーな商品を世に出す一方、数年前には地元の高校とタイアップしてオリジナルなお菓子も製造されました。
(新商品を紹介する若女将さん)

今回の金箔を散らした和菓子は、先日の金沢百万石まつりに合わせて作ったものだそう。生地に竹炭の粉末を練りこんで漆黒の夜空をイメージ。金箔が散らされた丸い形は、黄金のおぼろ月だそうです。
北陸新幹線開通で金沢は観光客は増えているのですが、そこにさらに新商品を打って出すアグレッシブな姿勢。お菓子作りを楽しむ店主のハートとともに、見習いたいところです。
エントリーしていた金沢マラソンの抽選結果を知らせるお手紙が今日ようやく届きました。結果は「落選」でした。何と言っていいのやら。残念な気持ちと、ほっとしたような気持ちが交錯する複雑な心境です。
11月15日に金沢で初めて開催されるフルマラソンの金沢マラソンの前日は、あかつき屋にマラソン参加者の宿泊申し込みが殺到し、ここは既に満室になりました。
この「落選」通知は、「今回はお客様のお世話に専念しなさい」との神の思し召しと受け止め、当日は円滑なお宿運営に尽力したいと思います。
(金沢マラソンの抽選結果を知らせるお手紙)

6月初めに金沢マラソンの抽選結果の発表があるとのことから、その結果通知がいつ届くのかとここ数日やきもきしていました。
今日お昼前、郵便屋さんが「郵便でーす」と玄関に入り、封書を残していかれました。
封書の表には「金沢マラソン抽選結果のお知らせ」の表記があり、どきどきしながら早速封を切りました。
結果は「落選」。緊張していた気持ちの糸が切れました。
結果オーライと受け止め、大会前日の11月14日は、あかつき屋をマラソン参加者のお宿として、お客様が気持ちよくお泊まり頂けるよう万全を期したいと思います。
なお、当日は、初の試みとして、ご宿泊のスタイルを変更します。既にご宿泊予定者にはお知らせし、ご了承を得ているのですが、あかつき屋の客室を男女別の相部屋として、一人当たり3,000円(粗品付き)でお泊まり頂くことになります。定員は10人。
選手の皆様。魅力たっぷりの城下町金沢の大地でのご健脚を祈ります。
ここ数日梅雨入りの気配が漂う中、今日金沢は、百万石まつりが開幕しました。夜には、浅野川で加賀友禅燈ろう流しが行われました。あいにくの雨模様でしたが、数多くの燈ろうが川面を流れる風景は幻想的で、雨の鬱陶しさも吹く飛ぶほどでした。
6月に入り、街並みの夏への衣替えが進むあかつき屋界隈。近くの八坂では、坂の途中にあるグミが赤く色づきました。曇り空で風景の色合いがやや後退するこの時季にあって、鮮やかなグミの実の色は、見る人の心に快い刺激を与えてくれます。
(浅野川で行われた幻想的な加賀友禅燈ろう流し)

(梅ノ橋から上流を見る。延々と続く光の帯)

百万石まつり協賛の燈ろう流しは、毎年あかつき屋のお客様と出かけています。今回も外国のお客様とあかつき屋から歩いて会場へ出かけました。
午後7時過ぎ、雨模様ながら、会場の梅ノ橋下流付近は、大勢の人で混み合っていました。
川面を静かに流れる燈ろう。今年は雨のせいか、燈ろうが流れていくスピードは、これまでにもまして速いようです。
上流の天神橋、さらにその上流から続く、灯りの隊列。全部で約1200基という数多くの燈ろうは、次々と流され、光の道をつくっているのでした。
燈ろうの灯りが揺れています。梅ノ橋の上から見下ろすと、燈ろうの中には、ロウソクが立てられており、その炎がゆらめているからだと分かりました。多少の揺れでも消えない、炎。そこにこんな粘り強さがあることが、不思議でした。
金沢百万石まつりは、明日まつり最大の呼び物百万石行列が市中心部で繰り広げられます。
(ぐみの実。日ごとに色づいていきました)
(10日ほど前に撮影↓)

(数日前に撮影↓)

お客様とともに、よく通る兼六園そばの八坂。ここしばらくは、ちょっとした楽しみがあります。
坂の途中にグミの木があり、その実が大きくなるとともに、赤く色づいていったからです。
(静かな八坂。梅雨入り前の一日。左端にグミの木)

グミは、少年時代を思い起こさせる木。自宅近所にもその木があり、その実を手でつまんで口にした思い出があります。
今、八坂の昇り降りで目にするグミの木。
静かな坂道で、この時ばかり、ひと際存在感があります。
城下町金沢は、本格的な夏に向けて、ひたひたと歩を進めています。
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