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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

ご家族、正装に着替え結婚式場へ

あかつき屋は、時に晴れやかなムードに包まれることがあります。この週末にお迎えしたお客様は、金沢市内で催される結婚式・披露宴にご出席のため、ご宿泊された方々です。

三重県にお住まいのSさんの甥御さんが石川県内の女性とゴールインされたもので、あかつき屋には、Sさんとその4人の娘さん、そしてそのご家族がご参集されました。
結婚式にご出席の後、あかつき屋では、久しぶりに集まった娘さんご家族と和やかな時間を過ごされました。

(正装され、あかつき屋から結婚式会場へと出発されたお客様=写真掲載了解済)
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おめでたいことでお泊まりになるお客様をお迎えすると、こちらも華やいだ気持ちになります。
今回のSさんの場合は、全国各地に散る娘さんのご家族もご一緒に、3台の車であかつき屋に到着されました。早速男性やお孫さんたちがここで着替えられ、結婚式会場へ向かわれました。

式からお帰りになった夜、今度は娘さんご家族らとの親睦の会になりました。皆さん結婚式の余韻を漂わせながら、楽しげに団らんされていました。

この度は、おめでとうございました。ご宿泊ありがとうございました。
ぜひまた、お越し下さい。その折は、こちらでゆっくりとした時間を取って頂ければ、なお幸いに思います。

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艦隊コレクションの「暁」と出会う

お客様があかつき屋にお泊まりになり、ご出発する朝に決まって行われる玄関前での記念撮影。そんな日常の中でこの度、ユニークな光景がありました。

男性のお客様が、かわいらしい女の子の人形をのれんの前に置き、写真を撮られているのです。「何ですか、これ?」。見慣れぬ人形なので、そのお客様に尋ねました。

(お客様がのれんの前に、キャラクター暁の人形を置き写真を撮られました)
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お客様によると、それはインターネット上のブラウザゲーム「艦隊コレクション」に登場する艦娘の一人「暁(あかつき)」なのだそう。
このお宿の名前が「あかつき屋」で、同じ名前であることから、のれんの前でキャラクター人形と一緒に記念の写真を撮られたのでした。

ブラウザゲームも艦隊コレクションについても、全くの門外漢ですが、この「暁」ちゃんはキュートで、切れのある感じ。
艦隊コレクションに出てくる暁ちゃんを見てみたい気持ちになりました。

秋晴れが続く、朝の一コマでした。

独のシンガーソングライターご宿泊

あかつき屋は建築家やデザイナーなど比較的アーティストのお客様が多いのですが、今回お泊まりになったのは、ドイツのシンガーソングライターでした。

Lena Doblerさんで、金沢市内でのライブに出演するためにお越しになりました。あかつき屋で三泊される間、観光もなさり、歴史と文化が色濃い百万石の城下町の風情も楽しまれました。

(金沢市内のライブに出演されたLenaさん=ご提供写真)
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Lenaさんはドイツ・レーゲンスブルクにお住まいで、今回の訪日では、ご友人のMarcoさんもご一緒で、Lenaさんの演奏旅行に同行されました。

Lenaさんが作られる曲は、やさしく、穏やかなメロディーで、心がなごむものでした。彼女が私たちに下さったCDには、日本語で歌った「setagaya」や「himmel」「natsukashii」「heimat」など全11曲が収められています。
日々の暮らしや、その感情を落ち着いた雰囲気で歌っており、聞いていてやさしい気分になりました。

(あかつき屋でくつろがれるLenaさん・右とMarcoさん=写真掲載了解済)
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Lenaさんは、9月20日に金沢アートグミさんで開かれたライブに出演されました。CDに収録された曲を、ギターのメロディーで情感豊かに歌い上げられました。

Lenaさんは、日本語もお上手で、ご宿泊中は、他のお客様とも交流され、Marcoさんともども楽しい時間を過ごされました。

「ブルーインパルス かっこいー」

この週末の土曜の夜、あかつき屋はふだんにも増して、お客様の笑顔と熱気にあふれました。この日、航空自衛隊小松基地で「’14航空祭 in KOMATSU」が開催され、二組のお客様グループが大空を舞台にしたダイナミックで華麗な飛行ショーを見て来られたのでした。

その中で、目玉はブルーインパルスの妙技の数々。「めっちゃかっこよかった」。お客様たちは、いまだ昂奮冷めやらないといった表情でその日の模様について語り合っておられました。

(小松での航空祭の模様について語り合われたお客様たち=写真掲載了解済)
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この日、小松での航空祭を見て来られたのは、関東と大阪などからお越しになった男女それぞれのグループでした。いずれも熱心な航空ファンのようでした。

このうち男性グループのお一人が、タブレット型コンピューター端末の画面から、その航空祭の様子を再現して下さいました。皆さん、その画面をのぞき込みながら、歓声を上げておられました。

(大空で妙技を披露したブルーインパルス=ご提供写真)
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松島基地所属の飛行チーム「ブルーインパルス」は、様々な陣形の編隊飛行を繰り広げました。2機がぶつかるのではないかと思うほどに近づき交差するシーンもありました。

(大空をキャンバスに様々な模様が描かれました)
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また、機体は秋空を縦横無尽に飛び、後尾から吐き出すスモークで、花やハートなど様々な形を描いているのもありました。
居ながらにして、航空祭の雰囲気を楽しめました。

カメラがお上手なお客様のナイスショットを紹介させて頂きました。

大学のゼミ旅行であかつき屋へ

9月も後半に入りましたが、多くの大学は夏休み中のようで、この度あかつき屋に大学のゼミ旅行の一環としてお泊まりになった学生さんらのグループがありました。

お越しになったのは、東京工業大学(東工大)大学院の齋藤潮教授様研究室のご一行です。国登録有形文化財に指定されているこのあかつき屋に関心をもたれてのご宿泊ですが、この建造物はもとより、周辺環境にも視線を注がれながらご滞在になりました。

(お泊まりになった東工大院の齋藤潮先生の研究室ご一行様=写真掲載了解済)
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齋藤先生の研究室は、景観を軸に、人が存在する空間の在り方やその方向性について幅広く考察されているラボです。
今回のご一行様は、フィールドワークとして加賀の山中温泉・鶴仙渓や小松の那谷寺などを回って、金沢に入られました。

あかつき屋では、金沢町家の特徴である高い屋根や天井、そしてあかつき屋ならではと言える、デザイン性の高い玄関の円窓や一枚板の腰板などに注目されました。
二階あかつきの間では、やはり贅沢に材料を用いている、床の間の一枚板の天井や、書院造などに目を留められました。

(秋の風情が漂うお庭にも注目されました)
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お庭も学生さんらの心をとらえるもののようでした。大きな掘りごたつのあるコミュニティルームからは、お庭が額縁の絵のように見えます。
樹木や石、手水鉢の配置が絶妙で、その遠近感は、何とも言えない奥行きをつくっています。学生さんらは、離れた位置や近くからと、場所を変えて盛んにカメラのシャッターを切っておられました。

学生さんらは、あかつき屋をめぐる界隈にも親しまれました。一泊目の夜は、兼六園そばのお料理屋さんで会食され、その後、近所の温泉銭湯で一日の汗を流されました。今朝は、材木町のパン屋森長さんに行かれ、焼き立てのパンを購入されました。

東工大の皆様、この度のお泊まりありがとうございました。この町家でのステイは、様々な可能性を有していますので、またお気軽にお越し下さいませ。

秋晴れ、夕暮れ、浅野川 

金沢はこのところ、秋晴れの良い天気が続いています。あかつき屋ではお客様が観光に出かけられ、お宿の中の仕事がひと区切りついたので、夕暮れ近くにちょっとの時間外出しました。

出かけた先は、浅野川界隈。晴れわたった空も、日が傾き、川や木立ち、家並みなどには、影が映っています。今日一日の幕が下りるかのように、その影の面積は広くなっていきます。

浅野川の水は、透き通って清涼感がありますが、深まる秋とともに、水面も深い色合いになってきています。忙中の閑。一息ついて、足早にお宿に戻りました。

(浅野川大橋から上流を望む。水の色は深まる秋を示しています)
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(中の橋から浅野川大橋方向を望む)
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浅野川大橋の下流にある中の橋を渡って、主計町の茶屋街を歩きました。川沿いの樹木は、随分と秋の色を帯びていました。
ただ、平日とあってか、観光客はまばらで、お料理屋さんの人の姿も見えず、いたって静かです。

(夕暮れ時の主計町。静寂が支配していました)
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そんな中で、目につくのは、玄関先に掲げてある金沢おどりのポスターです。県立音楽堂で今月20日から4日間の日程で開かれる催しで、茶屋街の芸妓さんたちの意気込みが伝わってきます。

(玄関先に掲げられていた金沢おどりのポスター)
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そろそろお客様が帰って来そうな時間になったので、慌ただしく帰路につきました。

金沢で青春過ごした女性たちが同窓会

この三連休、あかつき屋で旧交を温める女性グループのお客様が、いらっしゃいました。金沢市内の大学を30年ほど前に卒業され、今は全国各地で暮らしておられるOGの方たち。

その方々が久しぶりに青春時代を過ごした城下町金沢に集まり、同窓会を開かれたのでした。あかつき屋を貸し切られ、お泊まりになった夜は、ここで夕食会をされました。互いの近況や学生時代のことなど話は尽きず、熱気を帯びた一夜になりました。

(あかつき屋で同窓会をされたお客様=写真掲載了解済)
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今回のご宿泊については、横浜にご在住のYさんからお申し込みがありました。事前の打ち合わせでは、ここでのお食事のことや、お風呂などについて、アドバイスさせて頂きました。

お客様は、お昼に恩師とお食事を取られた後、チェックインされました。
ご夕食会は、地元料理とお客様がご持参されたお料理とで食卓が出来上がりました。あかつき屋の近所のまるよしさんの金沢おでんと、横浜名物の崎陽軒のシウマイなどです。

(食卓にお料理がそろったところで「乾杯!」)
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いろいろな話題に花が咲き、皆さん学生時代に戻ったようでした。30年ぶりに金沢を訪れた女性は「金沢駅や街なかは、随分と変わりましたね。21世紀美術館のある場所は、私たちがいた頃は(金沢大学)付属の小中学校がありました」と感慨深げでした。

お客様の学生時代から比べて大きな変貌を遂げた城下町金沢。でも、その姿は、美しさと品格を高めたものだったので、どの方の胸にも快適さと心強さを感じさせるものだったようです。

この度のご宿泊ありがとうございました。

お客様 縁側でのんびりと裁縫仕事

あかつき屋でこの度、お客様の女性が縁側でのんびりと裁縫仕事に当たられる風景が生まれました。この女性は裁縫を趣味とされており、持参の裁縫道具を使って、指ぬきをこしらえておられました。

朝の穏やかな時間。思いがけない光景にちょっぴり驚きながらも、見ていて心がなごみました。

(縁側で針仕事をなさった女性=写真掲載了解済)
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この方は、大阪にお住まいで、最近裁縫に興味をもたれ、いろいろと小物類を作るようになったそうです。金沢にお越しになった目的の一つには、裁縫仕事で用いる指ぬきを販売している「加賀てまり毬屋」(南町)さんに寄るためでした。
そこでは、そのお店の方が手作りした精緻で美しい指ぬきが展示されていたそうです。

(その方は縁側で指ぬきを作られていました)
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あかつき屋では、そのお店で並べられていた指ぬきを参考にしながら、その女性は、マイ指ぬきを縁側に座って作られていました。お庭の風景を目にしながら、その針仕事は、いかにも楽しいといったご様子でした。

(ふなっシーの針刺しを見せて下さいました)
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そこで、その方は珍しいものを見せて下さいました。今人気のふなっしーをかたどった針刺しでした。「針刺しを作っていたら、どこかふなっシーに似ていたので、目や口などを付けました」。

その愉快な針刺しに、私も思わず頬が緩みました。秋の朝のひとコマでした。

独の建築家夫妻と旧道歩き茶屋街へ

あかつき屋界隈は、街歩きを楽しめる街。そんなことを改めて感じる時間を過ごしました。この度あかつき屋に二泊されたドイツのご夫妻とともに、旧道を通って、ひがし茶屋街まで歩いていったのでした。

暑くもなく、それほど寒くもない朝の時間帯。あかつき屋から賢坂辻の交差点を右折して、ひがし茶屋街や主計(かずえ)街の両茶屋街へと続く道は、かつてのメーンストリート。道沿いには、古い町家が点在し、八百屋さんや美容院、食堂、時計店などのお店のほか、職人さんの住宅兼工房も数多くあります。
そんな暮らしの息遣いにふれながら、歩く道中は、心地よく、楽しいものです。

(ひがし茶屋街を散策されたドイツ人ご夫妻=写真掲載了解済)
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あかつき屋にご宿泊されたのは、ドイツ・カールスルーエにお住まいのAxelさん、Lenaさんご夫妻で、お二人とも建築家です。建物だけでなく、街並みや金沢の人々の暮らしぶりに大変関心がおありでした。

ご一泊された翌日、金沢市内の観光スポットをあちこち回る計画を立てられていたので、あかつき屋からひがし茶屋街までの最短ルートになる旧街道をご案内させて頂きました。

賢坂辻を右折してすぐ右手にあるのは、畳屋さん。この通りは、金沢の伝統工芸・産業を担う職人さんの家が数多くあり、ほかには、加賀友禅、建具、焼き物、判子などを生業としている方の家が軒を連ねています。

食品関係では、あかつき屋のお客様がよく訪れるパン屋の森長さん(材木町)や、街なかを大八車で行商もされる髙山豆腐店さん(橋場町)などもあります。

そんな商店をも目にしながらこの日の道行きでは、いくつかの発見や気づきがありました。

(材木町小学校前の通学路にある「ゆっくり」とカメの表示)
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材木町小学校前の通りでは、カメの絵と「ゆっくり」の文字が。子供たちが多く通ることから、ドライバーに注意を促す道路標示です。そこを通って小学校前にさしかかった時、ゆったりとした音色のチャイムが鳴りました。
Lenaさんは「私が通った学校のチャイムと同じです」と微笑まれました。

(善福寺さん前で開かれていた朝市)
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善福寺さん前に来たら、何やらにぎやかです。朝市をしているのでした。野菜や果物が並んでおり、お買い物をする主婦の姿が見られました。係の男性は「最近近くの八百屋さんが閉店してから始めました。金沢市の補助事業として、毎週木曜日の朝に開いています」と話されました。

(髙山豆腐店さんで購入したお豆腐)
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しばらく歩くと髙山豆腐店さんの前に。規則的な機械音がしていました。
女将さんが、作ったお豆腐をパックに詰める作業をしていたのでした。ドイツのご夫妻は、興味深いと早速カメラに収めておられました。
いつもおいしく頂いている、そのお店のお豆腐。今回も一丁買い、食卓に並べました。

浅野川大橋を渡って、ひがし茶屋街に到着。平日の朝とあってか、意外と観光客は少なめ。お二人は、代表的なお茶屋である、「志摩」「懐華楼」さんなどに入られ、藩政時代の趣を色濃く残す花街のエッセンスを体感されました。

(ご夫妻が描かれた、あかつきの間のスケッチ)
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建築家とあって、ドイツのお二人は、もちろん金沢の伝統的町家造りのあかつき屋に強い関心を示されました。広い床の間や書院、縁側などがある、10畳間のあかつきの間には、感銘を受けられたようで、お宿ノートには、そのお部屋の絵の力作を残されました。

秋晴れ、心地良い日々

このところ、城下町金沢は秋晴れが続き、心地よい気候となっています。お盆時期に大雨が降ったりして、不安定だった8月とは打って変わり、9月は秋らしい日が続いています。
穏やかに、静かに秋が深まっていく。そんな思いを胸にしながら、あかつき屋での毎日を過ごしています。

昼頃は、汗ばむほどの暑さになっても、空の色、木々の緑、吹く風は、間違いなく秋です。
あかつき屋のお客様の表情にも、ほっとしたような、ゆとりが感じられ、こちらも真夏の時と違って、心身に余裕をもってお客様のお世話をさせて頂いています。

(ススキの背後に落ち着いた佇まいを見せる、あかつき屋)
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あかつき屋の界隈も秋色に染まってきました。
家の前の植え込みのススキは、随分と背丈が高くなりました。夕暮れ時、そよ風に揺れるススキの穂。その背後に、町家のお宿あかつき屋があります。
やわらかな西日を受けて、普段にも増して、落ち着きを見せています。
春夏秋冬の中で、あかつき屋を象徴する風景の一つです。

(軒下で繁茂するコリウス)
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家の軒下に置いていた植物コリウスの赤い葉が、見事に繁茂してきました。前を通る人の目も引いているようです。
数か月前ホームセンターで、軽い気持ちで買ってきた二株。それが、日ごとに生長し、今は、存在感をもって、町家の趣に厚みを加えています。

(上がりの間に飾った柿とイチジクの絵画)
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お宿の中も、秋の装いを進めています。上がりの間では、柿やイチジクを描いた日本画を飾りました。妻の友人のお父様の手によるものです。
オレンジや赤の色が印象的で、お部屋にしっとりと馴染んでいます。

命あるもの、そして、そうでないものも含めて、様々なもの、ことが、燃える秋へと時を刻んでいます。