8月最後の週末を終えました。金沢は、このところすっかり涼しくなり、随分としのぎやすくなりました。様々なお客様があかつき屋にお越しになりましたが、気候が良くなったせいか、お客様が観光に出かけられるご様子は、どこか軽やかに見えました。
夕方、さわやかな表情であかつき屋に戻って来られる姿に接すると、こちらも気持ちが明るくなります。
そんなお客様の中で、一人旅で金沢にお越しになり、このお宿に二泊された女性がいらっしゃいました。和歌山県にお住まいの、さと子さんです。だれに気兼ねすることもなく、ゆったりとマイペースで城下町金沢を巡られました。その先々で、確かに訪れた「秋」を見つけられたのでした。
兼六園や、ひがし茶屋街、近江町市場等々。空の色や水辺のせせらぎ、木々の色には、北の古都に到来した秋を感じられたようです。
さとこさんがカメラに収められた、城下町金沢の秋を紹介させて頂きます。
(兼六園の手前にある八坂。空の色はすっかり秋)

あかつき屋から兼六園へ行く途中にある八坂。空は澄み、大気は、清々しい。急な坂を上っている時、眼下に広がる風景は、一服の清涼剤になったそうです。
(兼六園。木立の間からのぞく空は、明るく晴れ渡っていました)

兼六園。木々の緑は、深みを増し、その木立の間からのぞく空は、秋のそれでした。
(せせらぎの透き通った水は、心地よく)

兼六園内のせせらぎは、底の石が見えるほどに、透き通っています。少し暑くなってくると、その流れは、涼しく感じられます。
(日没後のひがし茶屋街。レトロなムードにあふれる通り)

日が沈んでから訪れたひがし茶屋街。レトロな街灯や家の灯りが、古い町並みを趣深いものにしてみせます。その日の夜空は、雲が低く垂れ、不穏な雰囲気さえありました。
さとこさんは、あかつき屋にご滞在中、ここの町家(屋)の佇まいがすっかり気に入られたようで、お部屋や大きな掘りごたつのあるコミュニティルームなどで、のんびりと過ごされました。
(お客様はあかつき屋のお庭を望む縁側でゆっくりと過ごされました)

秋の気配が漂うお庭もお気に入りの場所で、縁側に座り、心ゆくまで過ごされました。
さとこさん、この度は、ありがとうございました。天候に恵まれた金沢ステイとなり、私たちもうれしかったです。
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金沢はここしばらく雨が多かったので、いよいよ夏は終わりかなと思っていたところ、お客様を通じて思いがけず北陸の夏の風景を見る機会がありました。あかつき屋にお泊まりになった女子大学生のお二人さんが、金沢に来る途中、福井県の若狭・和田と東尋坊の海辺に寄って来られたのでした。
その立ち寄られた海岸線は、たまたま夏の日差しが降り注ぎ、海も空も青かったのでした。「まぶしい太陽。(海で)泳ぎたい気分になりました」と、そこの浜辺で波と戯れた楽しかった時間をお二人は笑顔で話して下さいました。
(福井県内の海辺を旅された女子大生のお客様=写真掲載了解済)

お二人は、千葉県にお住まいで、東京都内の大学の四年生です。来春の就職先も決まり、この夏休みに北陸の旅を企画されたのでした。
東京から夜行バスで出発し、前日の早朝に敦賀に到着。そこから「青春18切符」を使って電車で福井最西端の若狭・和田(高浜町)に向かわれたのでした。
(若狭・和田の海岸=お客様ご提供写真、以下同じ)

若狭・和田の海岸は、事前の調査で海がとてもきれいとの評判があったからでした。
心配していた空模様は、ビーチに着くと「ミラクルが起こったかのように、快晴」。そして、海は予想に違わず、きれいで水は透き通っていました。
(波打ち際でそれぞれに「命」のポーズを取られました)


「こんなに晴れるなら、水着を持って来るんだった」。お二人は、すごく後悔したそうです。
でも、そんな思いもすぐ吹き飛び、海に足を浸し、体を伸ばすなど思い思いに過ごしました。それぞれ「命」のポーズをとって、カメラに収まりました。
若狭・和田の海岸は、実は私にとっても思い入れのある場所。一昨年と昨年の10月、
この港を発着点とするマラソン大会に私が出場していたからでした。
風光明媚な場所であることは知っていましたが、夏の風景を知らなかったので、今、お客様を通じて、その素晴らしい陽光を受けた大海原を知り、今度はバカンスで行ってみたいと思ったことでした。
お二人の女子大生は、若狭・和田の海岸を楽しまれた後、再びJR列車に乗り、三国の東尋坊に向かったのでした。
この車中では雨模様だったのに、東尋坊に着いた頃には、「再びミラクルが起き、夏の太陽が顔を出してくれたのでした」(お二人)。
(雄大な日本海。空は秋の気配も)

(崖の上で海を見つめるお二人)

火曜サスペンス劇場でも有名な、景勝地・東尋坊。その断崖絶壁の崖っぷちまで行き、「騒ぎました」(お二人)。お二人で切り立つ崖の下をのぞき込んだり、果てなく広がる日本海を眺めたりして、過ごされたのでした。
あかつき屋には前日の午後7時頃にご到着。街なかのお食事処で夕食を済まされ、近所の温泉の銭湯で旅の疲れを癒されました。
今朝、お二人は「熟睡しました」とすっきりとした表情でお目覚めになりました。
お庭を見ながら、朝食を取られた後、兼六園へ歩いて向かわれました。
夏の暑さは、峠を越えたのでしょうか。金沢は今日、幾度かにわか雨があり、涼しさも感じる一日となりました。「暑いですね」とご近所の人とごあいさつ代わりに言葉を交わしていた毎日だっただけに、今日のような気候は、正直うれしくなります。
夕暮れ時、車で移動中、兼六園の付近を通ったら、西の空は、秋の色を帯びた青空が広がっていました。暑さと格闘していた折、そんな風景を見るとほっとし、元気づけられます。この夏も、もうひと踏ん張り、といったところでしょうか。
(夕暮れ時の城下町金沢=兼六園から西方を望む)

(兼六園横・兼六坂上から北西方向を望む)

朝11時頃に、突然強い雨がありました。「忍者寺(妙立寺)に行って来ます」と出かけられた二人連れの女性のお客様は、あかつき屋に戻って来られると、「帰りに雨にあいました。あわてて、カフェに入り雨宿りしました」と、昂ぶった調子でおっしゃいました。こればかりは、金沢に住む人でも、なかなか予想のしにくいところです。
昼頃からは天候は穏やかになり、晴れ間が広がりました。
夕方5時過ぎ、外での用件を済ませて、あかつき屋に戻る途中。兼六園付近。西側の空は、青空が横長に広がっていました。茜色の夕焼けというまでには至らないものの、秋の気配を感じさせる、清澄感のある空でした。
お盆が過ぎたとあってか、周辺の通りは、観光客の方の数も少なめに感じました。
夜のあかつき屋。お客様たちはご夕食を済ませた後、近所のお風呂屋さん(温泉の銭湯)へそれぞれ歩いて出かけられました。その帰り道に、にわか雨に遭遇した方もいらっしゃいました。
「傘は欠かせませんね」とお客様。「そうなんです」と私。
そんな片時の出来事においても、お客様は夏から秋へと変わろうとする北陸・金沢の気候を感じ取られたようでした。
お盆は大雨に見舞われましたが、それが終わると、再び真夏の日差しが戻ってきました。金沢はここ数日30度を超える暑さで、もう一度気合を入れて、まぶしい太陽と向かい合っています。
そんな中で、今日、「秋」を見つけました。その場所は近江町市場です。八百屋さんの店頭に押水産のイチジクが並んでいたのです。8月だというのに、早くもイチジクが出るのか。驚きつつ、1パック買い求めました。
(近江町市場の八百屋さんに並んだイチジク)

今朝、朝ご飯の買い出しに、あかつき屋のお客様と一緒に、近江町市場へ出かけた際、イチジクを見つけたのでした。その値札には、石川県内屈指の産地である押水(現宝達志水町)産と書いてありました。
お店の人に聞くと、イチジクは10日ほど前から、売り出したとのことでした。
イチジクは子供の頃からなじんだ果実で、その成分が健康にいいような気がするので、今も好んで食べています。ですから、そのお店では、迷わず、赤っぽく、熟していそうなのを選んで買いました。
今年初めてのイチジク。帰って食べたら、実は甘く、とろけるような柔らかさで、身体に清涼感を与えてくれるようでした。
芸術的なお魚の陳列風景近江町市場には、開店前の午前7時半頃に到着しました。どのお店の人も、商品を店頭に並べるのに、忙しくしておられました。
この日、ご案内したのは、山梨県にお住まいの若いお二人。
(見ごたえのする、様々なお魚を組み合わせた魚屋さんの店頭)

山梨県は、海がないこともあって、お二人は魚屋さんに並ぶいろいろなお魚には、興味津々といったご様子でした。私にとっても、最も数多くのお魚が並ぶ開店直前の魚屋さんの陳列棚は、刺激的で、感動さえ覚えました。
いろいろな形や色をしたお魚を絶妙に配置した姿は、芸術的とも言え、思わずカメラを向けてしまいました。
今年のお盆、北陸は異例の雨続きとなっています。暑過ぎるのは困りますが、こんなに雨が降り続くと、楽しみにして金沢にお越しになったお客様には申し訳ないような気持ちにもなります。
そんなここ数日ですが、あかつき屋のお客様は、それぞれに充実した金沢観光を楽しんでおられるようです。この度あかつき屋に横浜からお越しになった、りえさんは「ひがし茶屋街で珍しいお茶とケーキを頂いてきました。ほうじ茶風味のラテとパンケーキなんです」と話して下さいました。
早速その写真を見せて下さいました。ほうじ茶の色を帯びたラテとパンケーキ。こんなスイーツもあるんだと、感心しました。
(ほうじ茶風味のラテ・上と、パンケーキ・下=お客様ご提供写真)


りえさんは、金沢市内に母方のご親戚があり、お墓参りを兼ねて金沢に来られました。あかつき屋には昨年の桜の花見シーズン以来で、二泊されています。
加賀棒茶は、お茶の茎を焙煎したもので、金沢が発祥の地とされています。あかつき屋の近所には、
加賀棒茶の専門店があり、あかつき屋では、お客様にお出しするお茶の一つとして、その加賀棒茶を常備しています。
(あかつき屋で雨に濡れたお庭を楽しまれたりえさん=写真掲載了解済)

りえさんは、ご自身のルーツの一つである金沢、石川県に強い関心と愛着を抱いておられるようで、ひがし茶屋街にあるカフェー「Fluffy」さんに入った際も、金沢ならではの、ほうじ茶ラテとほうじ茶パンケーキを注文されたのでした。
いずれも加賀棒茶の風味が漂い、パンケーキは甘過ぎず、しっかりとしたお味でおいしかったとのことでした。
最後の特急はくたか乗車りえさんは今回、東京から新幹線Maxときと特急はくたかを乗り継いで、金沢にお越しになりました。
来年春に北陸新幹線が開通します。「今度金沢に来る時は、新幹線かがやきに乗って来ます。その前に特急はくたかに乗りたかったんです」とりえさん。
その車窓からは、順調に育った稲田が見えたそうです。稲田は来月には刈り取りを迎えます。
「田んぼは、稲の黄色と緑に覆われていました」。ラスト乗車となる、はくたかからの光景は、ことのほか印象深かったようです。
当あかつき屋が、雑誌『SINRA』2014年9月号(発行・編集 ㈱天夢人、発売 ㈱新潮社)に紹介されました。
同誌は、自然と文化をテーマにした総合的な雑誌で、2000年に一度休刊しましたが、今回復刊されました。あかつき屋はこの復刊1号において、特集「全国古民家宿66選」で取り上げられました。
(雑誌『SINRA』21014年9月号)

この特集で、あかつき屋は「北陸初、国登録有形文化財のクリエイターが集まるゲストハウス」の見出しで、10畳のあかつきの間の写真とともに記載されています。
(あかつき屋が紹介されたページ)

格子戸や玄関の円窓、座敷の床の間などの建築美から、国登録有形文化財に指定され、客層は外国人やクリエイティブな職業に就く宿泊客が多い、などと記されています。
玉村豊男氏が責任編集となり、復刊記念として椎名誠氏や西木正明氏、最相葉月氏がエッセイを寄せておられます。丁寧に編まれた上質な雑誌に掲載されたことは光栄であり、これに恥じないよう、心新たにお宿業に励んでいきます。
台風11号が石川県内に向かっているとあって、この週末落ち着かない日々となりました。幸い金沢は、目立った被害もなかったようで、あかつき屋のお客様は無事にチェックイン、チェックアウトされました。
ほっと一息ついて、週明けを迎えました。
台風が石川県に向けてほぼ直進するルートをとっていたので、どんな風雨になるのかと身構えましたが、金沢では風は強く吹いたものの、雨は思ったほどではありませんでした。
そんな中で、お客様の中には、台風11号が石川県を通過しつつある時間帯を撮影してきた方がいらっしゃいました。不気味ささえ感じる空模様。でも、それは、アーティスティックでもありました。
(フランスの建築家男性が21世紀美術館で撮られた風景=ご提供写真)


その写真を撮られたのは、フランスの建築家の男性で、あかつき屋には恋人とお越しになりました。
お二人は、夕刻から金沢21世紀美術館に滞在され、その建築美とともに、空の変化を追っておられたのでした。
あかつき屋で撮った写真を見せて頂いたのですが、台風の通過に伴って刻々と変わる空の様子を的確にとらえておられました。
低く垂れこめた雲。
そのフォルムと色彩は、尋常でないたたずまいでした。日は既に沈んだ時で、空は陰影を帯び、おどろおどろしささえ感じました。
(あかつき屋に宿泊されたフランス人カップルのお客様=写真掲載了解済)

その空の下で、ライトアップされた21世紀美術館は、明るく輝き、空と好対照を描いていました。三々五々散策するカップルの姿も見られ、のんびりしたムードさえありました。
(お庭から見た空模様=9日午後7時前)

一方、あかつき屋。夕暮れ時、庭に出て見上げると、青空がのぞいていました。台風の目でしょうか。その辺りは、周囲の雲も明るくしていました。
風は、やや強く吹いていましたが、心配なほどでは、ありませんでした。ただ空気が、妙に生暖かく、これは、台風のせいかなと感じました。
国内外からお客様がお見えになっている夏休み。あかつき屋では今回初めて北欧ノルウェーから親子のお客様をお迎えしています。
こちらのお客様はあかつき屋に4泊されており、金沢では、たっぷり時間がおありです。時間に追われることなく、あかつき屋で過ごすなり、市内を観光するなり、ゆったりと金沢ステイを楽しんでおられます。
(ノルウェーからお越しの親子のお客様=写真掲載了解済)

あかつき屋にお越しになっているのは、ハンネさんと、そのお母様、そしてお姉さんのマリさんです。ハンネさんが今年東京大学に短期留学されたことから、母国のノルウェーからお母さんとお姉さんが初めて来日されたのでした。
金沢では「のんびり過ごしたくて」(ハンネさん)と、あかつき屋に4泊されています。
兼六園、武家屋敷跡、ひがし茶屋街、21世紀美術館等々、主だった観光スポットを回られる一方、ある夜、こんな過ごされ方をしました。
お客様たち、そろそろ日付が変わろうかという時間に帰って来られました。
玄関に入って来られるなり、ハンネさんが「(片町の)カラオケに行ってきました」と高揚した表情でおっしゃいました。
「1時間が2時間、2時間が3時間になっちゃいました」と身体からは、楽しかった時間の余韻が漂っていました。
ノルウェーでは、カラオケボックスがないため、とても印象深い時間になったようです。
(回転寿司店で夕食を取られるお客様)

(金箔を散らした「いろどりにぎり」も注文されました)

昨晩は、回転寿司店へ行かれました。お寿司屋さんのレベルが高い北陸・金沢。それは、回転寿司店でも同様であり、そのお寿司の内容やシステムを知ってもらいたくて、ご案内させて頂きました。
訪れたのは、海天すし田上店さん。広い店内。カウンターやテーブル席は、ご家族連れやご夫婦らのお客さんでにぎわっており、ハンネさんは「良さそ~」と目を輝かせて、声を上げられました。
いろいろなお寿司を食べられる中で、「いろどりにぎり」なるお皿も注文されました。それは、うに、中とろ、いくらの3点盛り。そのお寿司の上には、金箔が散らされているのが、金箔が伝統工芸としてある金沢らしいところ。
その演出にも心をとらえられたようでした。
(お母様は持参したノルウェーのお酒をご披露)

その後、あかつき屋で二次会。「ノルウェーのお酒があるので、ご一緒しませんか」と誘われたので、同席させて頂きました。
お酒に強くない私。ジャガイモが原料になっているというそのお酒。アルコール度数が40度余りあり、「気をつけて飲んで下さい」と言われ、茶碗に注ぐと強烈なにおいを発しました。
私は、体が受け付けないのではと危ぶみ、一口、二口飲んだだけで、碗を置きました。
「これは、アブナイですね」と私が言うと、ハンネさんは「アブナイ、アブナイ」と相づちを打ち、北欧のお客様のように、このお酒の醍醐味を知ることはできませんでした。
「ごめん下さい。(チェックイン)予定の時間より遅くなりました」と、お客様が慌ただしく玄関に入って来られました。お越しになったのは、埼玉のOさんらグループで、車で来られました。
早速コミュニティルームに入って頂き、ごあいさつも早々にお話をうかがうと、金沢の伝統工芸の一つである金沢和傘を買いに行っておられたというのでした。
「金沢和傘??」。以前から知ってはいましたが、ゆっくりと実物を見たことがありません。「見せて下さいますか」とお願いすると、Oさんらは笑顔で応えられ、和傘を広げて見せて下さいました。
気品があって、色鮮やか。和の趣のあるあかつき屋に、優美さと彩りが加わり、お部屋に何とも言えない情緒が醸し出されました。
(松田和傘店で買われた和傘を披露されたお客様=写真掲載了解済)

Oさんらが訪ねたのは、金沢市千日町にある松田和傘店でした。ここは金沢市内でただ一つ残った和傘店として知られています。
「ご主人の松田弘さんが90歳。ご高齢のため、耳が遠くて、会話がなかなか成立しないんですよ」。そうOさんらは、おっしゃいました。あかつき屋に当初の予定よりご到着が遅くなった理由が分かりました。
松田さんのお店では、耳がご不自由で、会話がままならないながらも、Oさんらは、それぞれにお気に入りの和傘を買い求められたのでした。
Oさんによると、松田さんは全行程をほぼ一貫生産されておられますが、傘の柄は加賀友禅の職人さんに様々な模様を描いてもらっているのだそう。
Oさんらが今回買い求められた和傘にも、カエデや草木の気品のある絵が描かれていました。
そのお店では、松田さんは、美しい和傘を気軽にいっぱい開いて見せてくれたそうで、見るだけの来店も可なのだとか。
ただ、Oさんらは、そのお店では、伝統工芸の業界がおかれている状況も垣間見られました。
「わしは、弟子をとらんことにしとるんや」と、松田さんは、おっしゃったそうです。
「この(和傘の)仕事じゃ、なかなか生活はしていけんから」。
ちょっと悲観的なお話ですが、でも松田さんは意気軒昂。耳がご不自由ながらも、毎日仕事場で和傘作りに元気に励んでおられるようです。大変高齢ながらも気力はいささかも、衰えていないようです。
私も近いうちにそのお店を訪ねてみたいと思ったことでした。
お盆が近くなってきました。そんな時季に合わせてとでも言うのか、ご法事に出席するために、あかつき屋に全室貸切でお泊まりになった東京都内ご在住のご家族がいらっしゃいました。
ご主人が金沢生まれで、菩提寺が金沢市内にあり、今回ご先祖様のご法事が催されることから、子供さんのご家族とご一緒にお越しになったのです。
金沢町家のあかつき屋では、金沢の親類の家にご宿泊されるかのように、くつろいでお過ごしになりました。
(今朝ご法事に出発されたご家族=写真掲載了解済)

お客様は都内にお住まいの田中さんご一家です。田中さんは高校時代まで金沢で暮らされ、その後勤務された金融機関の関係で東京にお住まいになられたそうです。
田中さんご夫妻、そして子供さんご家族とともに金沢にお越しになった田中さん。一日目は兼六園を訪れた後、夜は、あかつき屋の近所の串焼き屋・上々南々さんで晩御飯を取られ、その帰り道に銭湯みろく温泉さんで旅の疲れをいやされました。
(田中さんのお孫さんがお宿ノートに書かれた絵日記)

そのご様子について、お孫さんがあかつき屋のお宿ノートに絵日記にして記して下さいました。
兼六園では「根上松とやまとたけるのみことを見ました。ももかき氷といちごかき氷とソフトクリームとしおバターメロンパンを食べました」
上々南々さんでは「手羽先がおいしかった」。みろく温泉さんでは「コーヒー牛乳を飲みました」。
その日、田中さんは、学校時代のお友達との同窓会が生まれ育った地元であり、そこに参加され、旧交を温められたとのこと。
今朝は皆さん早々に起きられ、ご法事に出席するため正装に着替えられ、出発されました。
この度は、ありがとうございました。また、お気軽にご利用下さいませ。
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