あかつき屋は、学生さんのお泊まりが数多くありますが、今回お越しになったのは、食や緑を専門に学ぶ学生さんたちです。一泊二日の金沢でのご滞在中、食べ物屋さんや兼六園などで金沢のエッセンスにふれられ、感銘を受けられたようでした。
ご宿泊されたのは、東京農業大学のサークル山の会のメンバーの皆さん。ふだんアウトドアで鍛えた足腰で金沢の街なかをエネルギッシュに回られ、見聞を広げられました。
(お泊まりになった東京農大の山の会の皆さん=写真掲載了解済)

山の会は東京農大のサークルの中でも歴史が古く、創設から50年ほどたっているそう。この会は全国各地の山を登っておられますが、昨年は屋久島や富士山の絶景を見ることができる静岡の愛鷹山などに行かれたとのことでした。
今回豊かな歴史と伝統文化にふれようと、金沢を旅先に選ばれたのでした。
(昨年秋に登った愛鷹山から見た富士山=お客様ご提供写真)

メンバーの中には、大学で造園を学ぶ二人の女性がいらっしゃいました。兼六園では美しく施された雪吊りに感動される一方、園内に広がる豊かな苔に目が引き付けられたようでした。
行き届いたお手入れにも感心し、「思わずさわっちゃいました」。それは、「苔まつり」といってもよい、見ごたえのある風景でした。
(金沢での旅の印象をお宿ノートに楽しく描いて下さいました)

金沢の食は、圧巻でした。一日目ひがし茶屋街の焼き鳥屋さんで親子丼を食べ、夜はあかつき屋の近所のまるよしさんののれんをくぐりました。
そこは、お寿司とおでんの両方を同時に食べることができるお店。
「初めて白子を食べました。酢の物と軍艦巻の両方で。バイガイも食べました。どれもめっちゃおいしかったです」。
お店のご主人や女将さん、そして居合わせた他のお客さんともおしゃべりしたそう。
「食事は人と人を結びつけてくれるものですね。おいしいものであれば、いっそう」。
そんな思いも抱かれた中身の濃い二日間だったようでした。
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何とも不思議な感情を抱いての二日間となりました。この度あかつき屋に、大阪から修学旅行で一泊二日された団体さんがいらっしゃいました。修学旅行の生徒さんを受け入れるのは初めて。それも予告のないご到着だったので、初め少し戸惑いました。
実は、この生徒さんたちは皆さん大人なのです。大阪アメリカ村にある飲み屋さんの「飲み仲間」なのだそうで、今回は“課外授業”で金沢に来られたのでした。
制服やセーラー服姿の生徒さんたち、金沢の夜の街での授業を終えて夜、あかつき屋でも楽しく過ごされました。その二日間、私も奇想天外の時間を楽しませてもらいました。
(朝あかつき屋から兼六園へと出発される生徒さんたち=写真掲載了解済)

生徒さんが通う飲み屋さんは、大阪アメリカ村(西心斎橋)にある「昭和ときめきサロン 桃色宇宙」さんです。そこは「お酒や店の雰囲気が良いばかりでなく、何と言ってもママさんがとても魅力的」(お客様)とのことで、今回石川県にご縁が深いママさんの呼びかけで、金沢へ修学旅行することになったのでした。
生徒さんはこの日のために、制服やセーラー服などをわざわざ洋服屋さんで買ったり、お友達から借りるなどして準備されたそう。中には、ジャージー姿の女性、お着物の書生姿の男性もいらっしゃり、担任の保健の先生は、白衣姿で薬箱を携えておられました。
(金沢への出発の朝、大阪駅に集合された先生と生徒さんたち=お客様ご提供写真)

この修学旅行については、事前にお知らせがなかったので、最初お店のママさんらと到着されたコスプレ姿の生徒さんらを拝見した時、多少戸惑いがありました。
でも夜に、金沢の街の見学を終えて帰って来られた時は、皆さんすっかりくつろいでおられ、それで私もなんとなくほっとした気持ちになり、制服やセーラー服姿などの生徒さんたちと、気楽なおしゃべりをさせてもらいました。
滞在二日目の今朝は、皆さんそろってあかつき屋から歩いて兼六園へ向かわれました。雪がある兼六園はさぞ美しかったと思います。
大阪アメリカ村で学ぶ生徒さんたち、この度のご宿泊ありがとうございました。
無事卒業された暁には、また卒業旅行でぜひ金沢へ、そしてあかつき屋にお越し下さいませ。
「兼六園で獅子頭を見てきました」。最近あかつき屋でそんなお客様がいらっしゃいました。正確に言えば、兼六園には、獅子頭がありません。
兼六園と隣接する県伝統産業工芸館のことです。ここで現在お正月特別企画「我らが加賀獅子頭展」が開かれており、そのお客様は、その会場に足を運ばれたのでした。
今日私もそこで見学させてもらいました。重厚で迫力のある獅子頭がずらりと並んでおり、見ごたえがありました。
(県伝統産業工芸館の外観)

県伝統産業工芸館は、兼六園の小立野口のすぐそばにあり、あかつき屋から八坂を上がって兼六園へ行くときには、必ず目にします。あかつき屋にとっては、身近にあるミュージアムです。
(迫力のある獅子頭。背後にはトンネルのような長い獅子舞の蚊帳)

そんなこともあって、先のお客様は「兼六園で獅子頭を見てきました」という言葉になったのかもしれません。私も今日見た獅子頭は、白山市鶴来地区の知田工房さんの協力を得て集められたという鶴来や金沢、津幡のお祭りで使う獅子頭がずらりと展示されていました。
一角には、トンネルのような長い獅子舞の蚊帳もあり、中に入り、くぐってみたところ、わくわくして面白かったです。
(牛首紬をご覧になるお客様)

(かわいらしい加賀人形や加賀八幡起き上がりなどの郷土玩具)

ここは、石川県内の伝統工芸36業種が常設展示されています。
金沢金箔や加賀友禅、九谷焼、輪島塗、山中漆器等々。金沢の郷土玩具として、加賀人形や加賀八幡起き上がりなどかわいい工芸品もあります。
ここを訪れれば、石川県内の工芸の世界がいっぺんに概観できます。意外とご存知でないお客様もいらっしゃるので、お客様のニーズに合わせてご紹介しています。
今日あかつき屋では、金沢市中央消防署さんの定期検査がありました。検査に来られたのは、近くの中央消防署味噌蔵出張所の署員の方たち。
この種の検査は初めてではなかったのですが、やはり検査を受けている間は、緊張しました。20分ほどで検査は終わりましたが、問題はないということで、ホッと。
改めてこのあかつき屋が国登録有形文化財の建造物のお宿であることを認識し、防火の決意を新たにしました。
(2階廊下に置いている消火器)

1月26日は文化財防火デーでもあり、この検査は初心に帰らせてくれる機会にもなります。
前回の検査以降、増改築がされているかどうかの確認や、消火器などが適切に配置されているか、灯油缶の状況などの点検がされました。
検査はスムーズに終わり、一息つきましたが、この時期は降雪などで道路状況が悪くなるので、火の取り扱いにはこれまで以上に注意を払わねばとの思いを強くしました。
ところで、あかつき屋のキッチンの壁には、防火ステッカーを貼っています。そのモデルには、女優の能年玲奈さんが起用されています。
(“あまちゃん”が微笑む防火ステッカー)

数年前にこのステッカーを貼った時、能年さんは存じていなかったのですが、その後NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で大ブレーク、今や知らない人がいないほどに。
不思議な感慨をもって、彼女のお顔を眺めています。
あかつき屋にお正月の縁起物として飾っていた鏡餅に新たな命が吹き込まれました。松の内が終わったのを機に、つき直してお饅頭とし、お客様らにお分けしました。
つきたてのお饅頭は、柔らかくておいしく、お客様と再び新春ムードを楽しみました。
あかつき屋の近所の和菓子店山本観音堂(以下「観音堂」)さんでは、鏡餅をつき直して、お饅頭にして下さることを知り、今年初めて観音堂さんで作ってもらった紅白の鏡餅をお饅頭にしてもらうことにしました。
(上がりの間に松の内まで飾っていた鏡餅)

観音堂さんでは、近隣の事業所や一般家庭などからの依頼でこの種の鏡餅をお饅頭にする作業を請け負っておられます。
あかつき屋では、鏡餅は玄関に面する上がりの間に飾っていたのですが、松の内が終わると早速餅米一升分のそれを、我が子を旅立たせるように観音堂さんに託しました。
観音堂さんでは、このような鏡餅を数日水に漬けて柔らかくした後、適当な大きさに切ります。続いて、これを蒸籠(せいろ)で蒸した後、餅つき機でつき、つき上がったお餅は餡子を詰めてお饅頭にします。
(観音堂さんで蒸されたあかつき屋の鏡餅。紅と白がまだら模様になっています)

(ご主人の手によって、餅つき機でつかれます)

(つき上がった餅は、手際よく黒餡を詰められます)
この工程については昨年詳しく観音堂さんの作業場で見せてもらいましたが、今年もその最終工程を見学させて頂きました。
つき上がったお餅は、女将さんが手で適当な大きさにちぎり、それをご主人が受け取り、素早く餡子を詰めていきました。長年の経験に裏打ちされた全く息の合った流れ作業でした。
(出来上がったお饅頭=一部。柔らかくておいしかったです)

こうして出来上がったお饅頭は、あかつき屋に届けられました。せっかくの機会なのでお昼頃に、京都からご到着になったお客様の女性お二人に、まだ温もりが残るそのお饅頭を差し上げました。
お二人は、それを兼六園の見晴らし台(眺望台)でお茶とともに召し上がったとのことでした。
「モチモチした食感で、とてもおいしかった」そう。
その言葉を聞き、とてもうれしい気分になりました。
この年末年始のお休み、あかつき屋では今回も様々な出会いがありました。人はもちろんのこと、全く予期せぬ産物との出会いもありました。
心に残ったのは、徳島県鳴門地方の名産のサツマイモ、鳴門金時「里むすめ」を初めて知ったことでした。年末に徳島からあかつき屋にお越しになったご夫妻がお土産にと持参されたのです。その奥様は、その里むすめをあかつき屋のキッチンで焼いて下さり、お客様にご披露、甘くしっとりとしたお味は、とてもおいしく、夜の団らんはなお楽しいものになりました。
(お土産に頂いた鳴門金時里むすめ)

徳島からのお客様は、あかつき屋にお越しになるのは、今回で3回目になりました。すっかりおなじみになったので、私も肩に力が入ることなく、遠い親戚のような感覚でお迎えしました。
今回は鳴門金時里むすめを持参されました。このサツマイモは、鳴門・里浦町で生産されているもので、ブランド化の努力のかいあって、かなり徳島内外で認知度がアップしているのだとか。
お客様の奥様は夜の団らんの時間、台所に立たれました。その里むすめをアルミホイルに包み、グリルで40分ほどじっくりと焼き上げられました。
(食卓に上った、里むすめのホイル焼き)

(里むすめを囲み、団らんのひとときを過ごしました=写真掲載了解済)

焼き上がったお芋は、皆さんが集うコミュニティルームで披露されました。早速頂いたところ、しっとりとした甘みが口の中に広がりました。
この日は外国からのお客様もお泊まりになっており、ご一緒にそのお芋さんを食べました。里むすめのほか、徳島や金沢の特産品のことが話題になり、楽しい一夜となりました。
Wさん、おいしいお土産ありがとうございました。
金沢は、今日は雪。街は白く染まり、肌寒い一日に。あかつき屋の界隈では、足早に目的地へ急ぐ人、雪かきする人と、様々に冬の風景を描きました。
年末年始のにぎわいが一服した今、雪はそんな熱気をも冷ましてくれるようであり、ほっとした気持ちにもなります。あかつき屋の前の雪かきに勤しむ一方、中の仕事が一区切りついたので、昼頃歩いて近くの兼六園へ出かけました。
(雪化粧した琴じ灯篭。背後には霞ヶ池)

雪の兼六園。冬にあかつき屋に来られるお客様は、雪を期待する人が少なくないので、雪景色の名園を見ると、安ど感さえ覚えます。
(眺望台からは、白くなった医王山が望めます)

琴じ灯ろう、霞ヶ池、唐崎松、旭桜…。雪をかむり、それぞれに趣がありました。
眺望台からは、卯辰山の右向こうに医王山の山容が見えます。
(帰る頃には再び雪。花見橋は雪見橋に)

あかつき屋に戻る頃、再び雪が降り始めました。花見橋は、この時季雪見橋に。雪にけむるその橋と、せせらぎ。このシーン一つ切り取っても絵になります。
訪れた時間、兼六園は雪は強く降っていなかったのですが、人の姿は少なく、そこは静寂の世界。名園の風情を楽しむ一方で、この一年の過ごし方にも思いをはせてみたことでした。
(兼六園までの行き帰りに通る八坂。人影少なく静かな坂道)

帰り道。八坂もお隣の松山寺さんや町家と相まって、森閑とした雰囲気。雪の賢坂辻界隈の家並み、そして卯辰山が望めます。
(雪をのせ、気高い姿の松の木)

(雪に包まれたお庭。今朝の風景)

あかつき屋のお庭も雪景色。雪吊りした松の木、白くなった庭園。木々には雪の重みが気になるところですが、しばらく雪の風情を楽しむ日々がもてそうです。
この年末年始休みの最終盤、あかつき屋はアートに携わる団体の方々の新年会の会場となり、盛り上がりを見せました。お越しになったのは、神戸を活動拠点にし、アートを軸としたまちづくりを進めるNPO法人芸法の皆様。
ご一行様は鳥野菜鍋とトマト鍋の二つの鍋料理をされ、会食されました。「おいしい」「おいしい」と声を弾ませられながら、この一年の奮闘を互いに誓い合っておられました。
(お鍋料理で新年会をされた芸法の皆様=写真掲載了解済)

芸法さんはふだん、アート・イベントの企画、運営などに当たっており、昨年開催された芸術祭神戸ビエンナーレ2013の広報関係のプロジェクトを担当されました。
昨年夏に、芸法さんの幹部の方があかつき屋にお越しになったのがご縁で、今回のご宿泊となりました。
金沢でのご滞在は、ここでの新年会がメーンだったようで、21世紀美術館を見学された後、お鍋料理の材料の買い出しに、近所のスーパーあかつき市場さんへ行かれました。
(石川のご当地料理・鳥野菜鍋)

(トマト鍋。大阪・寝屋川で現在注目とか)

作られたお鍋は、石川県のご当地料理である鳥野菜鍋とトマト鍋の二つでした。
鳥野菜鍋は鶏肉とお野菜がふんだんに入った金沢の人には、おなじみのお鍋。
もう一つのトマト鍋は、大阪・寝屋川で最近まちおこしの一環として、普及に力を入れられているお鍋とか。
二つのお鍋はおいしく出来上がり、小國陽佑代表さんの乾杯の発声で、お客様はお食事を始められました。
昨年は神戸ビエンナーレへの参画があり、有意義な年だったよう。
今年は、神戸・新長田にある古民家をリノベーションして、新たなアートのまちづくりの拠点にする計画があるとのこと。
楽しく、和気あいあいなおしゃべりな中にも、メンバーの皆さんは今年の活躍を心に誓っておられるようでした。
あかつき屋ではこのお正月休み期間中、大学生の卒業旅行の皆様をもお迎えしました。いよいよ、今年もそんなシーズンに入ったのかという思いがひしひしとします。
お越しになったのは、早稲田大学の写真サークルの皆様。昼間は金沢市内で撮影活動を繰り広げられ、夜にあかつき屋に到着されました。ここで存分に語らい、ゲームなどに興じられ、残り少なくなった学生生活を古都金沢の地で燃焼されたようでした。
(ご出発の朝、家の前で思い思いにポーズをとられるお客様=写真掲載了解済)

あかつき屋では昨年の秋ごろから、大学生や大学院生の卒業旅行としてのお泊まりが見られますが、その多くが数人の友達単位のもので、今回のように団体でのお泊まりは初めてです。
今回の早稲田大学の皆様は総勢10人で、あかつき屋では使い勝手のよい全室貸切でご宿泊されました。
にっちゅうは、兼六園や21世紀美術館、ひがし茶屋街を回られ、夜お食事の後、あかつき屋に入られました。
近所の温泉の銭湯で一日の疲れをいやされた後、あかつき屋では、大きな掘りごたつのあるコミュニティルームで歓談の一夜をもたれました。
皆様、残りの学生生活を楽しく、有意義に。そして、卒業後のご活躍をお祈りします。また遊びに来て下さい。
新春ムードが漂う中で、あかつき屋では、熱気と昂奮に包まれる瞬間がありました。お宿に常備している木工パズルのうち、難度の高いそれを東京からお越しになった女性のお客様が完成させたのでした。
これまでお客様の何人も挑戦しましたが、解いたのは数学の先生一人だけでした。それだけ難しいパズルなのですが、この度東京からお友達とお越しになった女性が、その難関をクリアしました。
できた瞬間、お友達からは「すごい!」と歓声が上がりました。私も拍手を送り、その快挙をたたえました。
(難しい木のパズルを見事完成させられた女性
=写真掲載了解済、以下同じ)

このパズルは、あかつき屋の近所にお住まいの山下伸郎さんが作成されたものです。何種類かあるうち、最も難しいもので、カニ、オットセイ、ザリガニなどの動物をかたどったピースで構成されています。
木工パズル遊びは、夜が長いこの時期にはお客様の人気の遊びとなっており、今回の女性グループのお客様もお食事から帰ったら早速取り組まれました。
(木のパズルを楽しまれた女性グループ)

お友達が悪戦苦闘する中で、この女性はポイントをつかんだようで、わずか20分ほどで、そのパズルを完成させました。その瞬間、お友達から歓声と拍手が起こりました。
続いて、お友達もそのパズルに挑戦し、見事完成させられました。その健闘の模様については、お宿ノートに詳しく記されました。
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