慌しく年の瀬を過ごし、今日は師走30日。新年は目前となり、あかつき屋では、お正月の飾り付けを行いました。
玄関と上がりの間では、生け花を新春にふさわしいものにしました。生けて下さったのは昨年に引き続き、友人の華道教師Kさん。いずれも松を中心にした作品で、その清新な作品は、見ているだけで気持ちが新しくなりました。
(上がりの間の花を生けてくださるKさん)

上がりの間の花材は、若松と千両、ハボタンの三種類。若松は、まっすぐに伸びるようにとの思いが込められており、赤い実をもつ千両は、名前自体がおめでたい、お正月の縁起物。
(玄関の生け花。バラが華やかです)

玄関のお花は、大王松(だいおうしょう)、バラ、千両、ハボタン、柳で作られています。大王松は、その葉が長く束状になっているので、スケールの大きい印象を与え、数本のバラの花は、華やかです。
いずれも今日来られたお客様の目にふれ、お客様は、その花から新年近しを感じておられるようです。
(コミュニティルームでは、テレビ台に七福神を飾りました)

コミュニティルームでは、テレビ台に七福神の置物を飾りました。いずれの神様もふくよかで、円満なご様子。お客様は、それぞれ何の神様であるか、当てっこをされていました。
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あかつき屋に28日から、珍しい方がお泊りになりました。オーストラリアで古い箪笥(たんす)の修復を仕事にされている職人さんで、名前をロブ・リントールさんと言います。
あかつき屋の町家の風情に親しまれる一方、古き良き物を探して、雪の城下町を歩き回られました。
(県伝統産業工芸館へ歩いて行く途中のロブさん。八坂で撮影、写真掲載了解済、以下同じ)

リントールさんは、オーストラリア・メルボルンに在住で、そこでは、アンティーク品の輸入・販売などを行う
KAZARI(かざり)という会社に勤められ、骨董品の箪笥の修復、修繕に当たっておられます。
頂いた名刺には、「箪笥修復家 TANSU SPECIALIST」と記されていました。
今回の訪日は、京都経由で来られ、金沢は初めての訪問でした。リントールさんは28日、あかつき屋に入られて早速私に名刺を渡され、ご自身の仕事と旅の目的を話されました。
初日は、県伝統産業工芸館と本多蔵品館などを訪問され、金沢の伝統工芸品や藩政時代の武具などに理解を深められました。
(忍者寺で記念撮影されるロブさん)

翌日は、忍者寺(妙立寺)や新竪町商店街へ行かれました。
忍者寺では、隠し扉など数々の仕掛けが、とても興味深かったとおっしゃっていました。
この後、アンティーク店が多い新竪町商店街へ足を運ばれました。しかし残念ながら年末のため、多くのお店がお休みだったそうです。それでも入ったお店では、九谷焼の立派な壷などが陳列されており、目を見張ったそうです。ただとても高かったので、買えなかったと、笑っておっしゃっていました。
クリスマスに合わせて、あかつき屋に連泊中の二人連れの女性のお客様は今日、雪の城下町を歩きながら、和菓子手作り体験や兼六園散策などをして帰って来られました。
特に県観光物産館で開かれた和菓子手作り体験は、プロの菓子職人の指導の下、金沢ならではの上生菓子を実際に作り、出来上がった品を持ち帰れるとあって、お客様にはことのほか印象深かったようです。お二人は笑顔でお宿に戻ってきて、きれいに作り上げた和菓子を披露して下さいました。
(お客様が手作りされた和菓子。あかつき屋に携えて来られました)

(和菓子手作り体験で準備された材料や道具
=県観光物産館、お客様撮影・写真掲載了解済、以下同じ)

この日の体験教室は、市内の和菓子屋さん「うら田」の職人さんの手ほどきで進められました。
へらなどの道具は準備されているものの、ほとんど手作業で、40分ほどかけて、餡や求肥(ぎゅうひ)などの材料を粘土細工するように、平らにしたり、丸めたりしながら、3個の和菓子を仕上げたそうです。
お土産として、プロの職人さんが作った和菓子1個が付けられました。
お客様にとって、うれしかったのは、上品に出来た和菓子もさることながら、1200円の体験料を払いながら、500円のお買い物券が付いている点でした。
お二人は「上生菓子はもともと高いもの。それなのに(お買い物券が付き)500円分得した気分。せっかくなので、観光物産館で、お買い物券も使って、お土産を買いました」とのことでした。
お二人はこの後、観光物産館からすぐ上の兼六園を散策されました。間断なく雪が降る天候だったものの、大勢の観光客が来ていたそうです。
(雪化粧した兼六園の唐崎松)

(雪吊りされているものの、松は雪をはねのけるだけのたくましさを備えていると感じました)

雪をかぶった唐崎松など、冬の名園の風情を撮影されていました。そのうち、私は、雪をかぶった松の木をアップにした写真に心が引きつけられました。
一見すると、雪吊りの縄が、雪をかぶった松を支えているように思えます。が、確かに縄の力を借りているのかもしれませんが、松の枝や葉自体が力をもち、雪の重みに抗しているいるように見えるのです。暖かな季節に力を養ったかいあって、厳しい冬になった時でも、雪をはねのけるだけの、しなやかさと強さを備えている。
葉や枝には、そんなことを感じさせる、若々しいほどの生気が認められました。
三連休の中日は、クリスマスイブ。この日は、朝から雪模様となり、夜遅くになって降雪が本格化し、外は真っ白な銀世界になりました。
一年で最も聖なる時間とも言えるこの夜、あかつき屋ならではの一夜にしようと、お客様らが手作りしたオリジナルスイーツをともに味わいながら、心潤うひとときを過ごしました。
(お客様が手作りされたオリジナルスイーツ)

(ろうそくの灯りのもと、クリスマスイブを過ごしました)

オリジナルスイーツは、Haagen-dazs(ハーゲンダッツ)で買ってきたバニラ、ストロベリー、チェリーの三色のアイスクリームをメーンに、地場産品の柿やリンゴ、それにチョコレートキャンディを添えてこしらえました。
特別高価な材料を準備したわけではないのに、出来上がると彩り豊かなフルーツパフェのようになり、一同大満足。蛍光灯を消して、ゆらめくロウソクの灯りの下、心おきないおしゃべりに興じました。
今日のお客様は大阪府高槻市のご出身。高槻といえば、毎年1月に国際シティマラソンが開かれるところ。実は、この大会に私は過去3回ほど出場しているので、その大会のことや駅前商店街のことなどで、話が盛り上がりました。
(雪化粧した朝のお庭)

この日は、天気予報通り、朝から雪模様。目が覚めたら、お庭は白く雪化粧していました。時折、日の光が差し込み、そこは清純な世界に。絶好の機会なので、朝食が終わった後、お庭に隣接する戸を開け放ち、雪国ならではの風景をご覧頂きました。
(ご近所の電飾で飾られたお家。その迫力に圧倒されました)

(奥様=真ん中は、飾り付けの工夫などを説明して下さいました)

夜は、このシーズンならではのご近所の絶景スポットをお客様と訪ねました。横山町の広見近くにある「イルミネーションの家」です(
昨年のブログをご参照下さい)。電球約1万個を使ったというこのお家。色とりどりのまばゆい灯りは、寒さも吹き飛ばすほどの迫力です。
玄関では、サンタさんやクリスマスツリー、クリスマスリース、ロウソクなどが、ところ狭しと飾られています。イルミネーションの研究に余念がない、この家の奥様に、飾りつけの創意工夫や日々の研究活動などについてお話をうかがい、私たちは、その情熱に感心いたしました。
クリスマスに合わせたように、フランス・アラス(Arras)からうれしいお便りが届きました。今年の8月、あかつき屋に二泊して下さった
日本人女性Oさんとフランス人男性Fさんのカップルからです。
思いがけないことで、びっくりすると同時に、絵葉書の心温まる内容に、この時期ならではの慌しさと肌寒さも吹っ飛び、ハッピーな気持ちに包まれています。
(フランスから届いた絵葉書=写真掲載了解済)

このお客様カップルは、夏の休暇を利用して金沢入りされ、兼六園、ひがし茶屋街、21世紀美術館などを観光されました。
このお二人については、何と言っても印象に残っているのは、デザイナーのFさんが、
あかつき屋のお庭が良かったと言って、色紙にその情景を色鉛筆画にされ、お宿に残していって下さったことです。
このサプライズ・プレゼントに感激し、しばらく彼の心のこもった力作を、宿の上がりの間に飾らせて頂き、お客様からは好評を得ました。
今回届いたお葉書は、過日の金沢旅行が良い思い出になっているということとともに、寒さが募る中、私たちの健康を気遣う内容でした。
半年近くたっても、あかつき屋のことを思い出し、気にかけてくださるなんて、何と私たちは果報者なんでしょう。
(Oさん、Fさんの近況を伝える写真=写真掲載了解済)

早速先方にお礼のメールをお返しすると、今度は楽しい内容のメールが返ってきました。
アラスは、Fさんのご実家があるまちで、お二人はその家で彼のご両親とともにクリスマス休暇を過ごしておられるとのことでした。
そして、お二人の近況を伝える写真も添付して下さいました。その写真は、Fさんが大の日本ファンであることが分かるものでした。
「Oさん、Fさん お便りありがとうございます。素敵な写真を拝見して、夏の日のことを思い出しています。お元気で。また、あかつき屋に遊びに来てくださいね」
今日は冬至。テレビで銭湯のゆず湯のニュースなどを聞きながら、家の中の仕事を中心に慌ただしく過ごしました。
天気予報によると、明日から来週月曜日にかけて、雪が激しく降るとのこと。その備えをと、夜になってから、お隣のクスリのアオキ暁店さんへスノーダンプ(別名ママサンダンプ)を買いに走りました。
(新品のスノーダンプ)

昨年はあかつき屋で初めて迎えた冬でした。年明け1月末に記録的な大雪に見舞われ、除雪に悪戦苦闘しました。その時は、プラスチック製の柄の長いスコップだけで雪かきしてたのですが、もう一つはかどらなかったため、スノーダンプの必要性を強く感じました。
今年は数日前に、お隣のクスリのアオキさんにスノーダンプがあることを発見、1980円と値段も手頃だったので、買わないとと思っていました。
今晩買いにいった時は、スノーダンプは3機だけ残っていました。「売り切れていなくて良かった」。ほっと胸をなで下ろしながら、それを手にして、レジへと向かいました。
今、外は雪が降っています。予報では、これからずっと雪マークなので、明朝から、この新品の除雪道具が活躍しそうです。
今日、地域の氏神様である椿原神社から新年用のお札が届きました。お札は、神棚用と(火除けの)台所用の二種類、それに新年の略暦も付いていました。
袋から取り出して、掘りごたつの上に並べて見ていると、厳かな気持ちになりました。

このお札は先日、町内で購入受け付けの回覧があり、申し込んだものです。椿原神社のお世話役を務める近所の方が今夕、その品を届けて下さいました。
特別の宗教心がある方だとは思わないのですが、新年は心新たに迎えたいという心持ちがあります。何より、80年前に建てられて以来、住む人の心が尽くされてきた、この町家を縁あって、お宿として開かせて頂いているのですから、そのめぐり合わせと、責務に、おのずから思いを深くします。
お札には、感謝と報恩、そして新年の決意を込めて、それそれの場所に供えます。
所用があり昼頃、金沢城周辺の街を歩きました。肌寒さもあって、歩く人の姿は少なく、師走の慌しさにはまだ早い雰囲気。
尾山神社に立ち寄りましたが、境内は静かで、縁起物を買って帰途につきました。
(お正月には大勢の人でにぎわう尾山神社)

尾山神社には、金沢城側の裏手から入りました。で、いきなり珍しいものが目に留まりました。池の傍らで、サギが立っているのでした。何か考え事でもしているのか、身じろぎもしません。全く動かないので、時が止まったままの真空地帯にいるような感覚になりました。
(池のそばで立っていたサギ)

拝殿前では、一人の女性の方がお参りしていました。お正月には、大勢の参拝者でにぎわうところも、今はとても静かです。
私は、拝殿横の縁起物などを販売するところで、お目当てのものを一つ求めました。
そうこうするうちに、みぞれ交じりの雪が降り出したので、商工会議所前で、ふらっとバスに乗り、あかつき屋へ帰りました。
知る人ぞ知るというのか、隠れ家的というのか、兼六園のすぐそばに、ここだけ時間が静止したようなカフェー(喫茶店)があるんですね。その名は、「カフェ・ド・ティ・エリー」。
今日は久しぶりに晴れ間が広がったので、気分転換を兼ねて、ここで遅い昼食をとりました。
(カフェ・ド・ティ・エリー)

この店は、私の知人からおしえてもらいました。「石川門から尻垂坂の方向に行ったところの左手にある、とても静かで落ち着いたところ。パフェやオムライスがおいしいのよ」。
別の金大卒の友人は、小立野方面に自宅があったことから、お城の中に大学があった学生時代は、よく友だちと入ったそうです。
そんな知人からは、この店の話を聞いていたので、10日ほど前に妻と一度行き、今日は二度目の訪問でした。
昭和42年にオープンしたというお店。既に45年ほど経過したことになるのですが、その年輪が、落ち着きと安心感を与えているような感じです。店内には、クリスマスソングが流れていました。
(人気メニューのオムライス)

知人の薦めにしたがい、迷わずオムライスを注文。出てきたそれは、とても食べ応えのありそうなもので、ご飯を包んだ卵焼きは、小山のようにうず高くなっていました。
このオムライスは、ハーブを卵に焼き込んでいるのが特徴で、今回素材となったハーブのディルなどが、独特の味のアクセントになっていました。
わきには、大根の煮物やキュウリ、オニオン、キャベツなどが添えられており、ふだんの食事で栄養バランスを気にかける私には、とてもうれしいものでした。
(窓辺の景色も心を落ち着かせます)

食べ終わり、ほっと一息ついて、店を営む女性の方と、しばしおしゃべり。窓外の木々の緑や、遠くに望める医王山の景色の良さもさることながら、この方の、ふんわりとやわらかいお人柄が、この安らぎ感をつくっておられるように感じました。
もう少しここで時間を過ごしたくて、この後、やはりおいしいと評判のブレンドコーヒーを味わいました。
あかつき屋で今朝、目が覚めてお庭を見ると、白い塊りが。寝ている間に雪が降ったのでした。苔や飛び石の上に積もった雪は、そんなに多くはないものの、初雪であるだけに、鮮烈な感があります。お庭の色彩がやや後退してきた時期だけに、その白さは清純で、心地良ささえありました。
そんな中、あかつき屋に宿泊されている千葉からのお客様は、北陸の冬を楽しむかのように、金沢市内をあちこち移動され、北陸の味覚にふれたり、名所を訪れるなどして一日をフルに過ごされていました。
(お庭に降り積もった初雪)

雪は、昨夜の雷鳴とともに降ったようでした。ブリ起こしとも言われる、この冬雷、お客様は驚かれましたが、冬の日本海の王様ブリの漁期の号砲にも聞こえ、北陸に住む者にとっては、そんなに悪い知らせではありません。むろん落雷による火災には、気をつけないといけませんが。
お庭の雪の方は、量が大したことがなかったので、松の木の雪吊りに留まりませんでしたが、朝の光を受けた頃は、神々しい雰囲気さえありました。
(お客様が近所のお店で買って来られた地酒とケーキ)

その中で、千葉からのお客様は、朝一に妙立寺(通称・忍者寺)に出かけられた後、昼過ぎにいったん戻ってこられました。手には、何か持っておられます。
中身は、お酒とケーキ。何と近所の酒屋「酒のふじた」さんと、賢坂辻の堀田洋菓子店さんで買って来られたのでした。
お酒は、お店の人に薦められたということで、高岡の地酒「勝駒」。ケーキを酒の肴に、「まろやかな味わい」(お客様)の勝駒を召し上がっておられました。
夜はカニとブリにこだわりたいということで、素材の良さと店主の創意工夫に定評がある笠舞の割烹・居酒屋「まつ蔵」へ行かれ、北陸の冬の幸を満喫されたようでした。
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