三重県四日市からお越しになった建築家の森正秀さんのあかつき屋へのご宿泊は、4泊目に入られました。
「金沢は見る所がすごくある」と、4泊でも足りないとおっしゃいます。
今日は、レトロ(懐古的)なショップが数多く並ぶ新竪町商店街を訪ねられました。
(新竪町商店街を紹介するマップ)

竪町商店街から続く新竪町商店街。竪町が若者向けのファッション関係のお店が多いのに対して、新竪町は、古美術・古道具や雑貨、古着など、昔懐かしい商品を扱う店が数多くあります。
「お店に並んでいる商品もいいけど、(店の)オーナーも味のある人が多くていいねー。ついつい話しこんじゃいました」と森さんは、立ち寄ったお店からもらってきた商店街マップを広げて語ってくれました。
そのマップは、商店街の55店を店のイラストを付けて、楽しい雰囲気で紹介してあります。
森さんは、ギャラリーや雑貨屋さん、靴屋さん、加賀野菜などを売る青果店などに入られたようでした。
(購入されたバッグと象牙のスプーン)

森さんは、買い物しながら、店のご主人と長話することもあったようです。
「オーナーの商品のこだわりには、感心しました。金沢にこんな商店街があるとは、驚きですね」
そして、雑貨店で買って来られたのは、バッグと象牙製のスプーンでした。
値段も、まぁまぁ手頃だったようで、早速、宿の掘りごたつの上に並べて見せて下さいました。
百万石の城下町の歴史と伝統を感じさせる街並みがある一方で、「新竪町のように、観光客をも引きつけるアンティークな魅力を備えた商店街があることも、金沢の幅広さ、奥行きの広さではないか」
森さんは、建築家の視点から振り返られました。
城下町・金沢の様々な造形美は、建築家のハートを強く刺激するようです。現在あかつき屋に連泊中の建築家の方は、街なかを精力的に歩き、多種多様な写真を撮ってこられました。
その中には、21世紀美術館の屋根に設置されている「雲を測る男」というオブジェもありました。その像をとらえた写真は、抜けるような青空を背後に、シャープな構図となっており、その写真自体が芸術作品の趣がありました。
(21世紀美術館の屋根に設置されているオブジェ「雲を測る男」)

(建築家の森さん=ひがし茶屋街の喫茶店。写真掲載了解済)

この建築家のお客様は、三重県四日市市内で工務店を営む森正秀さんです。兼六園や、ひがし茶屋街、近江町市場などを回られましたが、その中で、21世紀美術館がとりわけ引きつけられたそうで、そこには3回も足を運ばれました。
「展示物もさることながら、建物自体が素晴らしい。独創的な造りでありながら、周辺の環境と非常に良くマッチしている。(日中ばかりでなく)夜に行けば、また別の魅力にふれられる」と、賛辞を惜しみません。
その中で、青空に伸びるオブジェ「空を測る男」を紹介して下さいました。
このオブジェは、ヤン・ファーブルの作。両腕を空に向かって掲げて、雲を測ろうとする姿は、凛とした雰囲気がありました。
(森さんが近江町市場のいくつかの食料品店で買い揃えた食材)

森さんは、近江町市場での時間も楽しいひと時だったとおっしゃいます。
友人から金沢に行ったら必ず食べるように言われていた「どじょうの蒲焼き」のほか、甘エビコロッケや出し巻き玉子、くみ上げ豆腐、イカの南蛮漬けを市場のそれぞれの食料品店で買い求め、これも市場の酒屋さんで購入した地ビール『日本海倶楽部』と地サイダー『柚子小町』でのどを潤しながら、昼食を楽しまれたそうです。
「地元(四日市)では、仕事漬けの毎日だったので、金沢での数日間は、本当にいい休日になった」と、柔らかな表情で語っておられました。
台風12号が過ぎ去り、青空が広がった今日、あちこちで「秋」と出会いました。空や水、草木の色、果実の熟れ具合にも、清澄な季節の到来が感じられ、慌しい日常の中にも、ほっとするひとときがもてました。
(夕暮れ近くの浅野川=もりの里付近)

夕暮れ近く、もりの里のホームセンターへ日用品の買い物に行きました。そのホームセンターそばを流れる浅野川の河畔。日に照らされたところと、そうでないところが見事なコントラストを描き、鮮やかな景観を見せています。
空は明るく晴れわたる一方で、浅野川の水は、日陰になっているせいもあるのか、深い色合いを見せています。水は、冷たさを増しているように見えました。
(一面に広がる白いそば畑=かほく市中沼付近)

能登方面へ行く機会がありました。河北縦断道路を北上し、かほく市の中沼付近にさしかかると、一面白い花畑が広がっています。そばの花でしょう。「こんなところに蕎麦を作っているのか」。驚きつつ、車を止め、しばし見入ってしまいました。
(押水特産直売所で買ったイチジク)

さらに7、8分ほど車を走らせると、宿の交差点手前に
押水特産直売所が左手にあります。イチジク直売の看板があり、迷わず中へ。
顔なじみのお店の女性によると、今回の台風の雨の影響で、イチジク生産農家が数日、収穫できなかったとか。そのため、店頭には、雨上がりを待って一斉に収穫されたイチジクが、ずらりと並んでいました。
赤く熟し切ったイチジクを何パックも買い求めました。
(妻の筆による「赤とんぼ」の歌詞の掛け軸)
「赤とんぼ」の掛け軸下げるお宿あかつき屋では、さらに秋の装いを進めました。上がりの間の衝立に、妻が童謡「赤とんぼ」の歌詞を毛筆でしたためた掛け軸を下げました。
「夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われて見たのは、いつの日か」
夜が涼しくなってきたので、そろそろお客様布団を少し厚手のものにしようかな、と思っています。
輪島にある国指定文化財名勝「千枚田」が、実りの秋を迎えています。稲穂はこうべを垂れ、豊作を予感させます。
この度あかつき屋に連泊された茨城県内の大学生4人グループが3日に、車で現地へ赴き、撮影して来られました。居ながらにして、能登を代表する景観の一つの直近の表情を知ることができました。
(実りの秋を迎えた千枚田)
![senmaidazenkei[1]](http://blog-imgs-37.fc2.com/a/k/a/akatsukitarou/2011090422523954d.jpg)
この大学生グループは、兼六園やひがし茶屋街、近江町市場など、金沢では、定番の観光地を回られたのですが、能登にも興味をもっておられ、3日の午後、とんぼ帰りで千枚田へ行って来られました。
(しっかり実を付けた穂を垂れる稲)

千枚田には、夕方に到着したそうです。暗くなりかけていましたが、コメは順調に生長したと見えて、しっかりと実をつけた稲穂は、黄金色に輝き、刈り取りを待っています。
この千枚田の様子については、グループの女子学生2人が撮影した2枚を紹介させて頂きました。自然に対して、関心が強い方々で、性能の良さそうなデジカメを持って、様々な被写体にレンズを向けておられました。
スローな台風12号の北上とともに、季節は次第に秋へと移っていきました。
あかつき屋では、そんな気候の変化とともにここ数日、家のたたずまいを秋仕様へと整えつつあります。玄関の軒下に吊るしていた風鈴は片付け、上がりの間の小机に「うさぎと月」をあしらった小さな置物を飾りました。玄関には、秋の草花を生けると、初秋の趣が醸しだされました。
(「うさぎと月」のお飾り)

これまで定番の黒電話があった場所に置いた「うさぎと月」のお飾り。すすきが、そよぐところでたたずむうさぎたちが、空に浮かぶ名月を見上げています。野の生き物たちも、静かに深い夜を楽しんでいるのでしょうか。
(玄関の花=上と衝立の花=下)


玄関の花は、あかつき屋から至近の、たけした花店さんに花材を選んでいただきました。
うんりゅう柳、赤なす、日扇、のばら、やはずすすき。落ち着いた中にも、草花それぞれに個性的な彩りがあり、玄関をきりっとさせています。
ムクゲを上がりの間の衝立に飾りました。その白い花が、周囲に清楚な明るさをつくっています。
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