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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

寒に美味の和菓子と出会う幸せ

大寒が過ぎれば少しは寒さが和らぐのかと思ったら、連日の降雪。あかつき屋の前で雪かきすれば、近所の方も同様に長い柄の付いたプラスチック製のスコップを使って雪を移動させています。交わす言葉は今日も「よく降りますねー」。
お客さん商売をしていれば、なおのこと家の前の雪には鈍感になっておれず、お宿の仕事の合間を縫って除雪に励んでいます。
そんな寒い日が続く中、ささやかでも幸せな気分に浸る時がありました。おいしい和菓子2品と出会ったのです。

(福島製菓さんの「柴舟」)
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いずれも頂き物ですが、これまで知らなかった和菓子2品を初めて味わったのでした。
一品は、材木町の「福島製菓」さんのおせんべい「柴舟」。「柴舟」は、金沢市内では、あちこちのお菓子屋さんで出しておられるのですね。福島製菓さんのそれは、生姜味がしっかり利いており、お茶うけにぴったりと感じました。
この賢坂辻界隈、それぞれ持ち味の違った和菓子屋さんがいくつもあるのは、ありがたいことです。

(ジロンボさんの「仲麻呂」)
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もう一つは、石引・大学病院前の「ジロンボ」さんのお饅頭「仲麻呂」。遣唐使の阿部仲麻呂から名前を取ったこのミニ饅頭、しっとりとした適度な甘さが何とも心地いいものでした。
お宿にお泊りになった外国人女性に、おすそ分けしたところ、「とてもおいしいです」と笑顔で感想を話してくれました。
ジロンボさんは、てっきり和菓子の専門店かと思っていたら、洋菓子がメーンで、仲麻呂のような和菓子はごく一部のよう。こんなお菓子も作れるなんて、仕事の幅が広いですね。

底冷えのする寒さが続く中、お宿の大きな掘りごたつに入って、友人らと交わした御菓子談義は、心なごむひとときでした。







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雪降る大寒の街を行く

今日は、大寒。暦通り寒い一日となりました。そんな折、所用があり、雪降る街へ外出したところ、白色に染められた美しい景色に出会いました。
慌しい中、片時北国の寒の風趣を味わいました。

(成巽閣前の歩道横の辰巳用水)
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成巽閣前の歩道を歩いていると、傍らには辰巳用水が。雪解け水を集めて、用水は音をたてて流れていました。
この用水は、夏は道行く人に清涼感を与えているのでしょうが、今は、水の上には雪が舞い、純で清らかさが際立つせせらぎとなっていました。
流れに目を留める人がいなくても、そんなことは意に介せず、用水はただ寡黙に流れをつくっていました。

(あかつき屋2階から望む卯辰山の雪景色)
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あかつき屋でも、視線をとらえる風景を目にしました。卯辰山が雪にけむって、淡い水墨画のよう。絵心があれば、筆をとりたくなる風景でした。

 スタッフミーティング開く
今日は夜、あかつき屋のスタッフミーティングを開きました。町家ゲストハウスプロジェクトに当初から支えて頂いているサカイさん、女性のノリノリさんと私の3人体制で、快適なお宿づくりに努めます。よろしくお願いします。

夜寒の中、ぽっかり浮かぶ「あかつき屋」

真冬のこの時期、一日の仕事でかなりのウエートを占めるのが雪かき。お店でなくても家を構えているならば、家の前の除雪をするのは、住民の務めとされるだけに、お宿の中の仕事の間げきを縫って、幾度か外へ出て、スコップを振るいました。

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ここ数日、きんかんなまなまの日が続いているので、路面はかちんかんちん、硬い雪を取り除くのにスコップに体重をかけて雪をめくり、アスファルトが出るように奮闘しました。

そうこうしているうちに、辺りは暗くなってきました。
「あかつき屋」の看板の上に設置したライトを点灯しました。灯りに照らされ、看板の文字が、ぽっかりと浮かび上がりました。

この付近は、兼六大通りのすぐ近くでありながら、夜はとても静か。冬が深まってきた最近では、その静けさもピュアな色合いを帯びてきているように感じます。

人通りの消えた夜寒の中、看板を照らす灯りが、人の心をわずかでもあたたかくするものになれば、うれしいです。

新年を迎えた気持ちのオープン初日

金沢町家ゲストハウスあかつき屋が、本日オープンしました。
昨日と今日、わずか一日の違いでしかないのに、玄関にのれんを掲げると、新年を迎えたように心境は一変、その心の変わりように自分でも驚くほどでした。
大勢の方々がお祝いにお越し下さり、私たち夫婦は、ただただ感謝するばかりでした。

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この日は、お泊りのお客様が1人いらっしゃり、そのおもてなしで静かな1日になると思っていました。
ところが、朝から開店祝いのお客様が次々と来られ、慌しく一日が過ぎていきました。
お祝いの言葉を受ける度に、ありがたさでいっぱいの気持ちになりました。

本当に、ここまで来るのに、周囲の人たちの心温まる応援に支えられたことを痛切に感じています。そして驚いたのは、私たちと面識のない人の中にも、あかつき屋のために力になって下さったことを知ったことでした。
そんな方々も含めて、心から感謝申し上げます。

時折雪の降る寒い日でしたが、終日ホットな一日となりました。この熱い気持ちでこれから1日1日誠心誠意努力していきたいと思います。

今は、スタートラインに立ったに過ぎません。
今日よりは明日、明日よりは明後日、より良いお宿にするよう、尽力したいと思います。
よろしくお願い申し上げます。













渡り廊下作りに取り組む

あかつき屋の土間に敷く渡り廊下作りに取り組みました。庭の手入れから花栽培、日曜大工まで、家周りの仕事なら何でもこなすSさんの力を借りて本体をほぼ仕上げました。

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渡り廊下の製作に当たっては、材料の調達などのため、Sさんの地元である加賀市に出向きました。ホームセンターで部材を購入し、その後、Sさんの自宅倉庫で組み立て作業に当たりました。部材を適当な大きさに切った後、ネジ釘で留め、本体を作り上げました。
私も技術習得を兼ねて、電動ドリルを使ったり、板をサンドペーパーで磨いたりなどの作業に勤しみました。

これを軽四ライトバンに積んで、あかつき屋に運びました。施工の嶋田工建さんにプロの目で見てもらったところ、表面処理などで不十分な点もあったため、お手伝いしてもらうことになりました。
木材の見方や処理についてレクチャーを受け、今さらながらその道の広さ、奥深さを知りました。

 予約申し込み入る
あかつき屋のオープンまであと数日。真冬のこの時期、どうなるものやらと案じていましたが、予約や問い合わせがぼちぼち入り始め、ほっと。
とにかく開店までできる限りのことを行い、当日は、いい意味で自然体でお客様をお迎えしたいと思います。

近くにお店いっぱい、周辺マップ作る

あかつき屋周辺のお店を紹介するマップができました。
金沢大学の学生さんが中心となって手描きしたもので、とても親しみやすい仕上がりになっています。
来られたお客さんには、大いに利用して頂ければと思います。

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マップは、あかつき屋にお泊りになったお客さんが買い物やお食事などで外出する際に役立ててもらおうと作ることにしました。

この作成に当たっては、金沢大学の女子学生Kさんらが手伝ってくれました。Kさんは、大学で国際関係を学んでおり、あかつき屋ではオープン後、お泊りになった外国人と交流を図りたいとの希望をもっておられます。
そうした活動の準備として今回ボランティアで周辺マップ作りに力を貸して下さいました。

マップは、色鉛筆で描かれ、兼六園下から、あかつき市場(ニュー三久)付近までの兼六大通り沿線のお店を紹介しています。
洋食屋や焼き鳥屋、寿司店、洋菓子店、和菓子店、たい焼店、酒屋、イタリア料理店、銭湯等々と実に様々。私たちが何回も足を運んだ店、このブログで紹介した店が数多く含まれています。

これらのお店は、商品だけでなく、ご主人や女将さん、ママさんらお店を切り盛りする人も魅力的。そんな界隈で商売することの喜びと責任をかみしめ、いいお宿にするようがんばっていきます。








レンジ棚組み立てに奮闘

三連休の中日、あかつき屋で電子レンジの棚の組み立てに取り組みました。工作関係は、どちらかと言えば苦手な方ですが、コストなど様々な点を勘案すれば、好き嫌いは言っておれず、夫婦で3時間ほどかけ何とか棚を作り上げました。

(完成した電子レンジなどを置く棚)
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電子レンジを置く場所は、これまで給湯器があったところ。町家の改修では、オール電化にしたことにより、この給湯器を使わなくなったため、その場所に棚を設置することにしたのでした。
電子レンジを置く棚は割安な分、買い手が自ら組み立てるもので、まぁ何とかなるだろうと簡単な気持ちで、部材が入ったダンボール箱を持ち帰りました。

(掘りごたつの上に広げた部品=左と ちょうつがいの取り付け=右)
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ふたを開けてみたら、材料の多いこと。棚板などの部材及びネジなどの留め具類は、それぞれ20種類余りありました。説明書ではご丁寧に、混乱しないよう、広いとこころで、部材、部品をきちんと並べた後、組み立て作業を始めて下さい、と書かれていました。

とにかく説明書に従い、板と板を合わせたり、ネジを回したりの作業を二人で声を掛け合って進めました。
その中では、開き戸のちょうつがいを取り付ける工程もありました。
「ちょうつがいまであるんだ」。二人から思わず出た言葉でした。
「こんな部品の取り付けまであるのなら、買うのをやめたかもしれないね」。
と言っても時すでに遅し。

とにかく午前中いっぱいかけて棚を作り上げました。早速電子レンジとポットを置きました。















新年もレトロな量水器を検針

掘りごたつで事務作業をしていると突然の来客、どなたかなと思ったら、金沢市企業局から派遣された水道の検針担当の女性でした。
玄関の中で、時代がかった量水器のふたを慣れた手つきで器具を使ってめくり、水道の使用量を測定されました。

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この量水器、鉄製のだ円形をしており、今では極めて珍しくなったもの。
金沢市の町家保全の担当の方が、初めてあかつき屋の玄関に入った時、驚かれたのは、円窓とこの量水器でした。私も最初見たとき、これはいったい何なのか分からなかったのですが、ふたの表面には丸っこい字で、「水」「量水器」と記されており、合点がいきました。

女性の検針員に聞きました。
「こんな量水器は、ほかでもあるんですか」。
検針員は「町なかの古いお宅では、ままありますね。でも今は、四角いプラスチック製で、外にあります」と答えられました。

外にあれば、検針員の方と接することは、まずありません。検針員が家の中に入ってこられたので、ついつい水の使用量を聞いて、渡された使用量や使用概算額が記入された長い紙片に見入ってしまいました。




和菓子屋さんのミニ福袋にニッコリ

栗きんつばを買いに、兼六園下の「和菓子の老舗 中島」さんを訪ねました。カウンターでお菓子を包んでもらうのに待っていたら、店員さんが福引の箱を目の前に出されました。くじをつまんで開いたところ、「当たり年」と記されており、お菓子の詰め合わせが入ったミニ福袋を頂きました。
新年早々、幸先がいいと頬がゆるみました。

(ミニ福袋)
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お正月には必ず話題になる福袋。でもこれまでデパートなどで一度も買ったことがありません。まさか中島のお菓子屋さんで手に入れることになるとは思いませんでした。

(かわいらしい招き猫)
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袋を開けると、福梅のほか、中島菓子店さん自慢の「おぼろ月」や、せんべい、あられなどが入っていました。
その中には、パッケージに「千万両」「一万両」などと書かれた、かわいい招き猫もありました。
こんな招き猫に誘われて、お客さんがたくさん来てくれることを願うばかりです。

「若松のように」 うれしい正月花

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

新年早々うれしいことがありました。友人の華道教師Kさん(金沢市在住)が、あかつき屋に正月花を生けて下さったのでした。リニューアルを終えたばかりの町家に生けられた花は、部屋を清新で華やかなものにし、心もフレッシュになりました。
年の始め、友人の厚意に感謝しつつ、がんばっていこう、と決意を新たにしました。

(上がりの間の生け花)
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Kさんは、玄関横の上がりの間には、ワカマツ、スイセン、キク、ツゲ、ヤナギなどの花材を使って生けて下さいました。このうち、ワカマツは、「まっすぐに伸びるように」(Kさん)との意味が込められているそうです。
ゲストハウス開業に当たっての今の自分の気持ちをストレートに表しているようで、背筋が伸びるようでした。
ヤナギにもいわれがあり、これは「曲がっても折れない」(同)との人生応援歌のような意味があるそうです。

(オモトを生けて下さるKさん)
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Kさんは、もう一つ玄関用にオモト(万年青)を生けて下さいました。漢字が示すように、いつまでも緑を絶やさないということで、これも縁起のいい植物です。大切にお世話したいと思います。

 息子の高校の部活仲間が同窓会
このお正月、実は若者たちにこの町家を1泊2日で利用して頂くこととなりました(ボランティアとして会場提供)。息子の高校時代のバスケット部の同級生たちが、ここで同窓会を開いたのです。

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コミュニティルームの掘りごたつを囲んで食事会。時間を気にする必要がないので、日付が変わったあとも数時間語り合ったようです。
翌朝、彼らは「第二の実家みたい」とか「快眠できた」などと感想を話してくれたのは、うれしいことでした。
また、遊びに来て下さい。