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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

菊花マラソンに初挑戦へ

この秋、11月3日に福井県越前市(旧武生市)で開かれる「第29回菊花マラソン」に初挑戦することにしました。主催者から届いた申し込み用紙に必要事項を記入、町家ゲストハウス近くの扇町郵便局を通じて、参加費を振り込みました。

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福井県内でのマラソン大会への参加は、敦賀、足羽川(福井市)、丸岡がありますが、越前市は初めて。文化の日開催ということで、これまで参加しなかったのですが、町家ゲストハウス関係業務に追われていたら、10月のマラソン大会に申し込みそびれ、これはいかんということで、11月初めの菊花マラソンに急いでエントリーした次第です。

長引いた夏風邪の影響もあって、練習不足は否めず。それで、菊花マラソンの参加種目は10㌔の部にしました。開催要項によると、フラットで走りやすいコースとのことで、「菊の香りかおる市街地や、のどかな田園風景を楽しみながら記録に挑戦してください」と記されています。

この大会を経て、金沢市民マラソン、そして、次にどこかのハーフの大会、というのが、今秋のマラソンスケジュールです。


草花は秋本番に

町家ゲストハウスのすぐ近くにある「たけした花店」を訪れ、秋の草花を買い求めました。女性店主は「今日はどういう訳か、秋の花を買いに来る人が多かった」と話されました。ここ数日の秋らしい天候で、求める花にも変化が現れたということでしょうか。

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私は、その方面はあまり詳しくないので、店主に花を選んでもらいました。で、束ねてもらったのは、パニカム、オミナエシ、リンドウ、ススキ、ワレモコウ、ナンバの6種類。いずれも派手さはないものの、涼しげで楚々としており、いかにも「秋」という雰囲気。色合いも、さわやかに調和しており、気品さえ感じました。

花自体への知識を養うとともに、住まいと草花、そしてそれらをめぐる調度類についても、理解を深めていくことが必要だし、それも楽しいだろうなと、感じています。


ふらっとバスで、ひがし茶屋街へ

町家ゲストハウスから兼六大通りを兼六園下交差点方向に歩けば、コミュニティバス「金沢ふらっとバス」のバス停があります。この明るく瀟洒なデザインのふらっとバスに乗って、ひがし茶屋街に行ってきました。

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兼六大通りの味噌蔵町小学校側にあるバス停「小将町」で、100円を払ってバスに乗りました。乗車したバスは「材木ルート」ということで、武蔵ケ辻・近江町市場を始発として、材木町や横山町などの浅野川界隈のほか、香林坊や兼六園下なども経由する、観光客にはかなりお得な路線に見えました。

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ひがし茶屋街に浅野川をはさんで隣接するバス停「浅野川大橋」で下車、歩いて茶屋街を回りました。一時雨がぱらついたものの、東山に着いた頃は、すっかり雨も上がり秋の空に。観光客らが、ゆっくりと散策を楽しんでおりました。その中で、金沢の観光ガイド「まいどさん」は、あちこちで観光客に説明したり、写真を撮って上げたりと大活躍していました。

ふらっとバスはこの日は平日もあってか、地元のおばちゃん、おじさんら中高年が多く、停車した近江町では買い物した袋を手に乗ってくる高齢の婦人もおりました。車内では、録音した子供の声で、兼六園や材木町小学校などの説明アナウンスがあり、ほのぼのとした雰囲気が漂いました。





今年も届いた米原曳山まつりの案内

滋賀県米原市から米原曳山まつりのポスターやパンフレットが今年も届きました。このお祭りは、滋賀県選択無形民俗文化財に指定されており、曳山の舞台で上演される子供歌舞伎が呼び物です。シャギリの音が宿場町の面影が残る町なかに響く中、住民らを前に、りりしく演じる子供役者の姿が思い出されます。
(今年の米原曳山まつりのポスター)
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この曳山祭りは、地元の湯谷神社の祭礼で、江戸時代の後半に始まったとされています。今年は10月の3連休9、10、11日に開催されます。

私がこの祭りと出会ったのは今から6年前。たまたま米原に宿泊した日が、米原曳山まつりに当たったことから、この子供歌舞伎を間近に見ることができたのでした。
(子供歌舞伎の上演=2004年撮影)
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その日は祭り千秋楽に当たり、それも1日に数回上演される子供歌舞伎の最後の舞台であったため、「打ち上げ」の意味もあって、少し緊張感を緩めた演技となっていました。小学校低学年児童がふんする子供役者は、時にジョークを飛ばすシーンがあり、その度に客席から笑いと拍手が起こるのでした。
「町内会の同窓会みたいだな」。その和やかな光景から、そんな印象をもちました。
(子供歌舞伎の熱演を見守る住民ら=2004年撮影)
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この祭りの実施に当たっては、半年ほど前から準備に入り、宣伝もポスターやパンフレットを作り、かなり労力もお金もかけているのですが、祭り当日は意外と観光客が少なく、目立つのは盛んにシャッターを切るアマチュアカメラマンの姿でした。

それでも地元の人たちは、そんなことに意に介するふうはなく、準備から上演に至るまで祭りに打ち込み、心から祭りを楽しんでおられるのでした。

米原は、JR北陸線や北陸自動車道の出発点であり、新幹線への乗り換え駅でもあり、知名度は抜群。でも駅を降りて町なかを歩く人は、少ないようです。
でも私は、この米原訪問を通じて、歴史ある祭りが、一年の暮らしの軸になり、地域で生きる誇りや住民融和の絆になっていることを図らずも知ったのでした。




鯖のヘシコ、自家製にひかれ

町家ゲストハウスの徒歩圏内にある扇町、天神町界隈。そこには数軒の魚屋さんがあり、そのうちの一軒、扇町の「越吉(こしきち)」さんを訪ねました。
(町家風建物の鮮魚店「越吉」さん)
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越吉さんの店舗は、大正14年の創業とあって、町家風の建物。店頭には、いく種類もの鮮魚が並んでおり、自慢のうなぎのかば焼もガラスケースの中にありました。
(鯖のへしこ)
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その中で、目に留まったのは、「自家製鯖(さば)のへしこ」の文字。金沢では「こんか漬け」が一般的な呼び方だけに、余計に興味をもちました。

ご主人に話をうかがうと、今年は猛暑だっただけに、7、8月はよく出たそうで、「あと(鯖を漬け込んだ)桶は一つだけになりましたわ」(ご主人)とのこと。鯖を漬けて、出来上がるまでには1年かかるそうで、ご主人は「これから来年分の漬け込みに入ります」。ただ、鯖はサンマと同様、暑さのせいで、不漁であるのが気がかりとのことでした。

(鯖のへしこをご飯の上に載せたお茶漬け。惣菜の残りも添えている)
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いわゆる、こんか漬けは、焼いてご飯と一緒に食べるのが、ポピュラーのようですが、私は、焦げ目がつく程度に焼いた後、これをお茶漬けの具にして食べました。この食べ方は、以前に白山市美川のフグのぬか漬けの製造業者に教わったもので、この時フグをご飯の上に載せて食べたところ、おいしかったので、今回鯖でも試してみたのでした。

お茶漬けにすると、ぬか漬けの塩辛さが薄らぐとともに、鯖の脂がお茶漬けのお湯の中に浮かび、これが何とも言えない、うまみになるのでした。焼いて、ご飯と一緒に食べるもよし、お茶漬けにするもよし、へしこ(こんか漬け)は、結構長持ちする、お得な郷土食ですね。









和室に必要な「長押掛け」

「いいものがありましたよ」。いつもの明るい笑顔でやって来られたのは、一級建築士の山田憲子さん。見せてくれたのは、「長押(なげし)掛け」と呼ばれる、和室にはなくてはならない、金具です。

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山田さんは、町家ゲストハウスの設計監理をお願いしている女性建築士さん。最近独立して設計事務所「あとりいえ。」を開業されました。古い町家に関心が強く、ご自身の自宅兼事務所も材木町の町家を使っておられます。町家関係の仕事やイベントなどを手がけておられ、私どもに適切なアドバイスをして下さいます。

長押とは、日本建築において、柱と柱の間を水平につなぐ建築材。部屋の構造を補強する性格があるのですが、住宅では、装飾的な役割で使われるようにもなってきたそうです。

長押掛け(フック)とは、和室に額やすだれなどを掲げる際に、長押を傷つけないようにするための金具のこと。田舎の実家にはありましたが、洋風の生活に慣れた身にとっては、言葉自体が耳新しく感じられました。

この町家でゲストハウスを運営していくためには、これからまだまだ細かな道具や調度類をも学んでいかないといけないと実感したことでした。





ここは「日本の道百選」

兼六園下界隈はよく通る道。周辺の風景は、おなじみになりましたが、今日思わぬものが目に入りました。兼六園下バス停そばの緑地に「日本の道百選」「兼六園をとりまく道」と刻まれた石柱があるのです。

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日本の道百選は、道の日の制定を記念して1986年度、1987年度に、当時の建設省(現国交省)と「道の日」実行委員会により制定されたもので、日本の特色ある優れた道路104本が選ばれたそう。

金沢市内では、百間堀通り・百万石通りが対象になっていることを知りました。沿道は、春は桜並木、そして、新緑、秋は紅葉に染められ、なかなか見ごたえのあるもの。最近は、見る角度によって、金沢城の石垣も、なかなかのものと感じています。長年、金沢に暮らしていますが、意外と知らない部分が数多くあります。






「雑草」比喩にされる通りなんです。

北陸にまとまった雨を降らせた台風9号が通過して、数日ぶりに町家ゲストハウスの庭に出てみました。庭はしっとりとした風情を漂わせているものの、雑草が背丈を高くしていました。

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家の維持管理では、庭の草むしりがかなりのウエートを占めます。数日手を入れないと雑草は、すぐ伸びてきます。記録的な猛暑となったこの夏でも、雑草だけは、ひるまず生えてきます。苔の面積を増やしたいと思うのですが、むしっても、むしっても、雑草は他を圧するほどに、その領域を広げてきます。

「雑草のようなたくましさ」などと、比喩によく使われますが、本当にその通りなんですね。どこに、このような生命力があるのでしょうか。“敵”ながら、見習いたいものです。


台風が過ぎて、一気に秋になったようです。日中でも、虫の音が聞こえるようになり、夜は随分と涼しくなりました。

二股ソケット交換、パッと明るく

古い町家ですから、電気器具や家具などが、正常に作動するか事前に点検する必要があります。その中で1個所の電燈の球が点かないことが分かり、早速処置を施しました。
(レトロな雰囲気の電燈)
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家の中の不具合については、極力自分で解決することにしているのですが、電気系統ということもあり今回はリフォームの施工をお願いしている(有)嶋田工建の社長さんに見てもらいました。
2個ある電球のうち、1つの電球が点きません。配線に問題があるのではなく、灯らない理由は電燈本体らしい。で、ソケットを外して、他の部屋の電燈のソケットと交換したら、点きました。
ソケットが、原因であることが分かりました。

このソケット、電球の取り付け口が2個所あるんです。「二股(ふたまた)ソケットや。松下幸之助が作ったやつ」。嶋田社長さんは、声を上げました。ソケットには「NATIONAL」の文字が刻まれておりました。二股ソケットと言えば、松下電器(現パナソニック)の創業者松下幸之助が、会社の草創期に開発してヒットさせた商品。果たして、現在も市販されているのかどうか。
(年代物の二股ソケット)
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「とにかくムサシに行って来るわ」と、嶋田社長さんは二股ソケットを求めて、腰も軽くホームセンターへ向かわれました。「(二股ソケットが)あってほしいなぁ」。ないとなると、レトロな趣のある電燈の笠も用をなさなくなります。

この町家は長い年月を経ているだけに、特に家具・調度類は代わりが見つからないものが、多いのです。そこらへんも、町家に引き続き暮らしていく難しさです。

1時間ほどして、嶋田社長さんが戻ってこられました。明るく弾む声で「(二股ソケットが)ありましたよ」。ホームセンターで、438円(税込)のものを買って来られました。
早速、電燈に取りつけると、2つの電球がパッと明るく灯りました。
そのやわらかな灯りに、ほっと心もなごみました。


宿屋主人の英訳は?

町家ゲストハウスの開業に向けての準備作業では、名刺を作ることも必須事項。ゲストハウスは、外国から来る方も想定しているので、「宿屋の主人(代表)」を英語で表すにはどんな言葉が適当か、家人で検討しました。

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英和辞典では「社長」などの意味がある「President」がまず思い浮かんだんですが、それは大げさすぎるということで却下。「Manager」はどうかという案が出ましたが、これは、なんか現場の運営管理者という感じがして、しっくりせず。言葉に経営的なニュアンスが欲しいなぁ、と思いまして。

そこで知り合いの英語の先生に相談。その先生はネイティブの男性教師と一緒に考えて下さいました。その結果、「Innkeeper」が適当とのこと。宿屋を表す「Inn」を「Keep」する人でどうか、と。「Keep」は英和辞典によると、「保持する」「守る」などの意味のほかに、「(商店などを)経営・管理する」の意味もありました。

何を「保持」「持続」していくのか。昭和初期の町家建築の様式が際立つ「家屋」を。これまで、この家を守り育ててきた人たちの「愛着」や「良心」を。そんな意味あいを「Innkeeper」に込めたいと思います。