今日は、大寒。一年で最も寒くなるとされる日。金沢は、マイナス1℃余りを記録しました。路面は、アイスリンクのように、ツルツルに氷り、まさに金沢の方言で言うところの「キンカンナマナマ」の状態となりました、
今冬は雪が多く、一日中雪かき(雪すかし)に追われると、正直、ここを恨めしく感じる時もあるのですが、この日は、雲一つない青空。スカッと晴れ渡り、素敵な雪の城下町が、広がりました。
(大寒の日のあかつき屋)

(軒下に下がるつらら)

金沢の伝統町家である、ここあかつき屋。屋根の下につららが下がり、陽光に照らされた黒瓦は、明るく輝きました。いっとき除雪の手を休めて、その風景を楽しみました。
(雪の河原の中を流れる浅野川)

ふだんの散策コースにある、浅野川河畔。河原は、雪に覆われているものの、日が高くなるにつれて、気温は上昇。川は雪解け水を集めて水かさが増し、流れはいつもより速くなっています。
清冽な、その流れは、周囲の雪を洗うように、川下、そして、日本海へと向かいます。この時季、観光客は、まばらですが、冬の金沢の魅力の一つでしょう。
(青空の下、視線を奪うメタセコイアの並木=太陽が丘)
圧巻の美しさ、メタセコイアの並木 さらに、もう一つ、金沢の新百景に数えられるスポットがあります。東側の丘陵地・太陽が丘にある、メタセコイアの並木道です。
新緑、紅葉の時季が特に美しく、金沢では知る人ぞ知る、ストリート。
今は、木々はすべて葉を落としています。青空の下、整然と並ぶその姿は、凛々(りり)しさを感じさせます。所用で出かけて、その風景と出会うことに。いつまでも心に留まる美景でした。
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朝から晩まで、巷を覆いつくす新型ウイルスの情報。見えない敵であるだけに、もどかしさと不安感が付きまとう毎日です。
そんな中で、気持ちを和ますのが、花の佇まいが満開へと向かう桜。兼六園のみならず、あちこちに桜並木があり、その美しさに歩を止めることがあります。
(並木町、梅の橋付近の夜桜)


浅野川をはさんで、ひがし茶屋街の対岸にある並木町。ここは夜の散歩コースでもあります。
年度末の節目の夕食を終えて、しばしこの道を歩きました。河畔には、満開に近い桜が。花々はライトに照らされて、光彩を放っています。
今年は、そのウイルス渦で、桜を愛でる空気は後退していますが、やはり美しいものは、美しい。見ているだけで、気持ちが一気に明るくなりました。自粛ムードもあり、桜を観賞する人は減っていますが、桜は例年通りの見事さです。
この界隈は、家並みや木造の梅の橋もあり、和の趣にあふれるだけに、この花見のチャンスは、逃すのは惜しい、と思います。
兼六園はこの時期、無料開放され、金沢城の桜も際立っています。城下に織りなす桜絵巻は、少なくともあと一週間は、続きそうです。
10月は、ビッグイベントの金沢マラソンがあり、その数日間は、あかつき屋はマラソン一色になりましたが、ふだんの日常では、個々のお客様がこの金沢町家のお宿の個性や魅力をゆっくりと味わわれる姿がありました。
フランスからお越しになったご夫妻。奥様が絵画をたしなんでおられ、ここの縁側でお庭の絵を描かれました。お庭の絵を描くお客様はこれまで大勢おられ、それぞれに個性的で、その女性が仕上げた絵も、なかなかに見ごたえのあるものでした。
(お庭の絵を描かれるフランス人女性。隣はご主人
=写真掲載了解済)

(出来上がった作品)

その奥様は、ご出発の朝、お庭を望む縁側で憩っておられる中で、思い立って絵を描き始めました。スピーディーにクーピーペンシルを走らされ、わずかな時間で力感あふれるお庭の絵を完成されました。
松の木を大きく描き、石灯籠や踏み石、かん木など、お庭を構成する重要な要素を象徴的に記されました。簡潔ではありますが、とても印象に残る作品です。
(お二人、笑顔でお宿を後にされました)
2年前にも若いフランス人カップルがお越しになり、お部屋からお庭を望む絵を描かれましたが、また違う味わいです。
同じお庭でも人によって見え方が異なるのだなと、感じ入っています。
フランスのご夫妻。素敵な絵、そして、ご宿泊ありがとうございました。
二月が秒読み。寒い冬は最終盤(と思いたい)。連日雪かきに追われ、今冬ほど春を待ち焦がれる年がないかもしれません。
でも、この冬を通じて、様々な雪景色を見ることができました。空模様や気温、雪の降り方によって、城下町金沢、そして金沢町家のあかつき屋は、様々な表情を見せてくれました。
ちょっと早いかもしれませんが、この冬を写真で振り返ってみました。
【あかつき屋】
(1月13日。大雪に寒さが加わり、軒下に長いつらら。前は広済寺さん)

(1月12日。お庭の名木の松。
雪吊りに守られています。)

【兼六園そばの八坂】
(平成29年12月20日。金沢の隠れた名所・八坂。前方に雪の城下町。)

【絶景浅野川。天神橋たもとから梅の橋を望む】
(1月22日)

(1月30日)
昼間能登方面での用務を終えて、車での帰り道。のと里山海道(旧能登有料道路)を降りる頃、ちょうど夕暮れ時にさしかかり、内灘インタチェンジを下りた後、内灘海岸に立ち寄ってみました。
小春日和の一日を終え、海辺も穏やかにこの日の幕を下ろそうとしています。日は雲間から見え隠れしながら、最後の光彩を放ち、周囲の雲や青空は、光の角度で秒単位で、色合いを変えていきます。空に音が奏でられているかのように、ドラマティックな風景です。
一筋の雲が大空を斜めに横切っていきます。ジェット機が空高くに飛んでいきました。シャープに夕空にトレースする飛行機雲です。
その形状は、爽快感さえあります。
(内灘海岸の夕暮れ。飛行機雲が、大空を斜めに横切っていきました)

夏のにぎわいからは、遠くなったビーチ。しかし、そこは、寂しさが支配するのではなく、一種平和な空気が流れています。
車でやって来て、波打ち際に集う若者たち。
仕事を終えて立ち寄ったという若い女性のお二人も。段ボールの紙片を砂の上に敷いて腰を下ろし、夕空を眺めていました。
(波打ち際に数羽の海鳥。そぞろ歩く姿に心和ます)

岸辺に近づきました。波の音が高まり、暮れなずむ海岸線の絶妙な効果音になっています。
よく見ると、小鳥が数羽波打ち際を歩いていました。
名も知らぬ鳥ですが、この鳥たちも夕暮れ時を楽しんでいるよう。どこか、ほっとします。
あと数分で日が沈もうとする頃。暗くなる前にと、車へ戻り、再びハンドルを握りました。
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