FC2ブログ

あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

世界遺産・合掌集落を歩く

お泊まりのお客様をお送りした午後、小旅行を試みました。出かけた先は、世界遺産に登録されている富山・五箇山の相倉合掌集落。合掌造りの家屋が点在する景勝の地です。

遠く感じられるかもしれませんが、ここから車で一時間ほどで着きます。軽い気持ちで出かけて、いつもとは立場を変えて、しばし旅人となりました。

(世界遺産の相倉合掌集落)
0603ainokuramain.jpg

(田植えを終えて間がない田んぼは、早苗がみずみずしく)
0603ainokuratanbo.jpg

(集落内をそぞろ歩く観光客の姿も)
0603ainokurasub.jpg

合掌造り家屋群は、日本の原風景の一つに数えられ、その集落は五箇山と岐阜県白川村が世界遺産に登録されています。街から遠く離れた山あいにありますので、自然と織りなす風景は、四季を通じて美しいものです。

(茅葺屋根の葺き替えが行われている家屋)
0603roof.jpg

南砺市城端の国道を通って、相倉集落に到着したのは、午後2時頃。さすがに日曜のこの時間帯は、観光客で混み合うことはなく、ゆっくりと集落を散策できました。
田んぼは田植えを終えたばかりで、整然と並ぶ早苗はみずみずしい。家の周りには、水場があったりで、涼しげ。素朴な家並みの中で、気持ちが自然と和んでいくのが分かります。

途中、合掌家屋の屋根の葺き替えを行っている風景と出会いました。当然のことながら、歳月を刻めば、萱で葺いた屋根も劣化します。幾十年かの節目に、こうした作業を通じて風土が生んだ文化的財産が守られているのでした。

(麦秋。まぶしいほどの麦田が広がる=南砺市福光町)
0603fukumitsu.jpg

帰り道は、東海北陸自動車道経由で。インタチェンジを下りた福光町には、目を奪う風景が広がっていました。幹線道沿いに麦田が広がっているのです。

明るく、光沢を帯びた麦の「海」。その中に家が島のように点在しています。
「麦秋至」。麦を刈り取る時季をこう呼びますが、まさにその時、来たれりの光景です。ふっと思いついて行ったドライブでしたが、季節の変わり目を感じる時間ともなりました。

スポンサーサイト

敦賀 臨海部に魅力的な施設群

(前回のつづきです)
私がこれまで持っていた敦賀のイメージと言えば、福井・嶺北と嶺南の結節点であることのほかに、気比神宮や気比の松原などの観光スポットがあること、そして原発が立地していることなどでした。

しかし、敦賀市役所のご担当者の案内で回った今回の視察では、臨海部(金ケ崎周辺エリア)に敦賀の風土や歴史を特徴づける数多くの施設が立地していることが分かりました。
隣県の石川に住みながら、自分の知識が、いかに貧相であるかを思い知らされた視察となりました。

訪れた個々の施設について、詳細な記述はしませんが、それぞれ重厚な歴史があり、一つの場所に半日いても飽きない内容を備えていました。

訪ねた順にご紹介します。
●敦賀市立博物館
敦賀の歴史や風土を数多くの展示物で紹介する施設。昭和2年に建築の旧大和田銀行本店を活用しており、県指定有形文化財に登録されています。ちなみに旧大和田銀行の創業者は、俳優大和田伸也、大和田獏兄弟のご先祖の親族だそうです。
1202museum.jpg

●博物館通り
敦賀市立博物館の前の通り。町家が軒を連ね、レトロな雰囲気が漂います。カフェーなどが入居した町家ショップや、紙わらべ資料館などがあり、観光客らの立ち寄りスポットとなっています。突き当たりには、古い佇まいの敦賀酒造があります。
1202street.jpg

●お魚通り
数多くの鮮魚店が並び、ここが漁業のまちであることも、感じさせてくれます。訪れた時、店頭には、今漁のピークを迎えた越前ガニやセイコガニ(金沢では、コウバコガニ)が色鮮やかに並んでいました。干物も軒下に吊るされ、買い気をそそります。
1202fishstreet.jpg

●旧敦賀港駅舎(敦賀鉄道資料館)
かつてシベリア鉄道経由でヨーロッパとつながった「欧亜国際連絡列車」の発着駅だった敦賀港駅の駅舎を再現したものです。敦賀の鉄道に関する歴史を模型や各種資料で紹介。敦賀がヨーロッパへの一つの玄関口であったと知り、驚きました。
1202railroadmuseum.jpg

●人道の港 敦賀ムゼウム
1940年、リトアニア駐在の杉原千畝領事代理が発行した「命のビザ」を手にして、シベリア経由で敦賀港に上陸した多数のユダヤ人難民などのことについて紹介する資料館。訪れた日には、外国人の見学者も多数いました。
1202humanism.jpg

●敦賀赤レンガ倉庫
明治38年(1905年)に建設された石油会社の倉庫で、二棟からできています。往時の繁栄を伝え、独特の建築美をもつことから、国の登録有形文化財に指定されています。
平成27年10月に、敦賀市一円を眺望するジオラマとレストランを備えた商業施設として整備され、週末は大勢の観光客でにぎわっています。
1202redbrick.jpg

(リアルに敦賀のまちを形作ったジオラマ)
1202diorama.jpg

駆け足の視察でしたが、北陸新幹線の開通を控え、一層魅力的なまちにと官民挙げて取り組んでいることが十二分に感じられる半日行となりました。
今度は、オフモードで、時間を気にせず、ゆっくりと各スポットを訪ねたいと思いました。

福井・敦賀駅 装い一新

関係する団体の視察で福井県敦賀市を訪れました。敦賀は、関西・中京方面へ行く時は、必ず通るところ。でも、駅に降りて街を歩くのは久しぶり。いろいろと発見があり、刺激的な一日となりました。

平成34年度末の北陸新幹線金沢ー敦賀間の開通を控え、敦賀駅が大きく様変わりしているのに驚きました。近年の整備事業により、駅舎は新しくなり、シックな外観に。駅舎に隣接して、交流施設「オルパーク」が新設されていました。開放感と洗練された雰囲気があり、駅舎と合わせ、敦賀の新たな顔になっていました。

(シックな外観となった敦賀駅と交流施設オルパーク)
1202tsurugaekifront.jpg

(内装材に木材をふんだんに使った駅舎内)
1202tsurugainside.jpg

敦賀は、私にとっては、親近感のある場所。マラソンを愛好する私は以前に秋に開催される敦賀マラソンに数回出場しています。
関西、中京方面の経由地であるばかりでなく、若狭・小浜方面へ至る中継点でもあるからです。
お土産として、小牧のかまぼこを買ったこともあります。

駅に降り立って、振り返ったら、その駅舎の外観の様変わりに驚きました。以前はコンクリート造りでしたが、今は落ち着いた色調の外観に変わりました。駅舎の内装素材も木をふんだんに使用しており、心が安らぎます。

(交流施設「オルパーク」の多目的室)
1202tsurugacommunity01.jpg

隣接して、交流施設「オルパーク」があります。2階に上がると、コミュニティ・スペースがありました。駅前広場に向けて、全面ガラス張りとなっており、開放感いっぱいです。そこでは、高校生らが静かに勉強していました。
駅がすっかり、まちの集いの場になっていました。(つづきます)

清涼 新緑の中、手取峡谷

連泊のお客様が観光に出かけられた後の昼時、ちょっとリフレッシュしたいと車で白山ろくに向かいました。ささやなかグルメ探訪と名所散策です。

訪れたのは、大日川沿いで、山すそにある、そば屋「唐変木」さん。ログハウス風の店内に入りました。12時前に着いたのに、既に中は、大勢のお客さんで混み合っていました。

注文して待つこと30分余り。
出されたおそばを見て、驚きました。おそばが見るからに、しっとり、つややかで、光っているのです。新鮮なお刺身を前にした感じ。

もちろん食感も、さわやかで、おいしく、大満足。
メニューは、ご飯類などなく、おそば一本に絞っており、その意気込みを十分に感じさせる、納得のいくお味でした。

(新緑の中、勢いよく落ちる綿ケ滝=展望台から)
0529kyoukokumain01.jpg

この後、車を走らせ、手取峡谷へ。綿ケ滝そばの駐車場に車を止めました。展望台に向かいました。
そこは誰もおらず、静かな佇まい。手取川上流に視線を向ければ、綿ケ滝がしぶきを上げて、渓谷に落ちていました。
何とも言えない壮観な風景。眼前の新緑といい、滝といい、心身は清涼感で満たされました。

(不老橋からの眺め
     写真上は上流、写真下は下流)
0529huroubashikami.jpg
       0529huroubashishimo.jpg

続いて、ここから数百㍍下流の不老橋へ。ダイナミックに展開する渓谷の景観。橋の上流と下流で、随分と景色が違います。
崖、岩場、緑、そして川の流れ。季節と時間で、表情を変え、心をとらえます。

近づく梅雨入りを前に、命を洗濯した時間でした。

隠れた名所 小松・日用の苔の里

ゴールデンウイークの忙しさから一息ついた先日、小松市の里山地域にある「日用(ひよう)苔の里」を友人たちと訪れました。噂には聞いていた苔の里、実際に足を踏み入れたそこは、想像以上に豊かな苔のじゅうたんが広がっており、見ごたえがありました。

加賀温泉郷の一つ粟津温泉から車で3分ほどのところにあるこの苔の里は、静かな里山集落の中にあります。いわゆる観光地化による俗化は見られず、素朴な雰囲気が漂います。隠れた名所の感があり、しばし落ち着いた時間を過ごしました。

(ガイドさんの案内で苔の里を見学)
0510hiyou1.jpg

日用町は、過疎化が進み、現在は七戸で集落をつくっています。私たちを案内して下さった、日用苔の里推進協議会の山際富弥康理事によると、この地域は元々杉林であったところに、木を間伐して家を建てたために、絶妙に日向や日陰ができ、苔が生育しやすくなったそうです。

これまでの住民のお世話もあって、スギゴケ、ハイゴケ、ヒノキゴケなどのほか、現在は計48種類の苔が確認されているとのこと。目を凝らすと、その生え方や、色合いなど、様々な苔が育っていることが分かります。開放的な苔の野外ミュージアムの趣があります。

(日用神社に入る)
0510hiyou2.jpg
(神社横には一級河川と言う日用川が流れる)
0510hiyou3.jpg

(緑豊かな苔の絨毯に感嘆)
0510hiyou4.jpg

この日は明るい日差しが注ぐ日でしたが、木立の中は案外と涼しく、森林浴をしているよう。コースには、日用松、能登ヒバや銀杏の大木などがある日用神社や、コンサートや作品展示、結婚式などに利用されているゲストハウス「叡智の杜 Wisdom House」もあります。

80分の説明時間でしたが、散策コースが変化に富んでいる上、ガイドの山際さんの説明が要領を得ているので、全く退屈しませんでした。

(眞子さまが歌会始で詠んだ歌の歌碑)
0510hiyou5.jpg

この苔の里には最近、ビッグな出来事がありました。秋篠宮家のご長女、眞子さまが昨年11月に、この苔の里を訪問なさったのでした。
さらに住民の方々を喜ばせたのは、眞子さまが今年の宮中・歌会始の儀で、ここを訪れたことを題材にした歌を詠まれたのでした。
「広がりし 苔の緑のやはらかく 人々のこめし 思ひ伝はる」
住民の方々の長年のご苦労が、思いがけない形で結実したのでした。

すっかり苔の世界に浸った一日。あかつき屋のお庭に広がる苔を見る目も変わりました。

FC2Ad