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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

消防さんの検査がありました。

今日あかつき屋では、金沢市中央消防署さんの定期検査がありました。検査に来られたのは、近くの中央消防署味噌蔵出張所の署員の方たち。

この種の検査は初めてではなかったのですが、やはり検査を受けている間は、緊張しました。20分ほどで検査は終わりましたが、問題はないということで、ホッと。

改めてこのあかつき屋が国登録有形文化財の建造物のお宿であることを認識し、防火の決意を新たにしました。

(2階廊下に置いている消火器)
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1月26日は文化財防火デーでもあり、この検査は初心に帰らせてくれる機会にもなります。
前回の検査以降、増改築がされているかどうかの確認や、消火器などが適切に配置されているか、灯油缶の状況などの点検がされました。

検査はスムーズに終わり、一息つきましたが、この時期は降雪などで道路状況が悪くなるので、火の取り扱いにはこれまで以上に注意を払わねばとの思いを強くしました。

ところで、あかつき屋のキッチンの壁には、防火ステッカーを貼っています。そのモデルには、女優の能年玲奈さんが起用されています。

(“あまちゃん”が微笑む防火ステッカー)
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数年前にこのステッカーを貼った時、能年さんは存じていなかったのですが、その後NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で大ブレーク、今や知らない人がいないほどに。

不思議な感慨をもって、彼女のお顔を眺めています。

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国有形文化財の銘板設置 心にずしり

今日のお昼近く、あかつき屋の正面に国登録有形文化財の銘板(プレート)を据えつけました。
作業をして頂いたのは、この金沢町家の建造物が、ゲストハウスとしてオープンするに当たって、リニューアル工事をして頂いた㈲嶋田工建の社長さん。

据えつけ作業を見守りつつ、多少の補助作業もし、無事に銘板は家の正面に取り付けられました。
国有形文化財の称号を示す銘板を掲げたことにより、重厚さを増したこの町家。改めてお宿としてこの町家をあずかる意義の大きさに、心がふるえるほどでした。

(銘板の据え付け作業に当たられる嶋田工建の社長さん=上・下)
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銘板と登録証は9月末に、その伝達式が金沢市役所であり、頂いてきたのですが、高岡銅器でできたその銘板は、かなり重いため、あかつき屋の建物のどこに付けるかで、かなりの時間を要しました。
正面は格子戸があるため、それに負担をかけないように、これまでお客様としてお泊りの建築士さんらからは家の横側に付けたらどうかとのアドバイスも頂き、一時その方向でいこうかとも考えました。

ところがその後、嶋田工建の社長さんが、格子戸をうまい具合にかわして、銘板を柱に取り付ける方法を考えて下さったので、それでいくことにしました。

(銘板が設置されたあかつき屋の正面)
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この日、嶋田さんは、加工した杉板の台に銘板を載せて、板の背後からネジで留めて設置を完了させられました。
真新しい杉板にはめ込まれた銘板は、驚くほどの迫力とインパクトがありました。

いやがうえにも通りがかりの人の目に留まるので、宣伝効果があり、あかつき屋のお客様にも記念になると喜ばれるのかもしれません。

しかし、それ以上に私たちにとっては、その見た目の存在感は、また別の意味をもつものでした。
二年前、オープンを前にして初めてあかつき屋に看板や、のれんを掲げた日のことが思い出されました。

名実ともに重厚なその銘板は、心にずしりと響き、初心に立ち返らせてくれるのでした。

重たい国登録文化財銘板、責任感ずしり

築約80年の金沢町家あかつき屋が、再び節目の日を迎えました。今日、金沢市役所で国登録有形文化財の登録証や銘板(プレート)の伝達式があり、出席いたしました。

式では、山野之義市長様からごあいさつの後、直接登録証とプレートを手渡されました。銅器製造で名高い高岡で造られたというそのプレートは重く、改めて国登録有形文化財の名誉を頂いたあかつき屋をあずかる責任の重さをずしりと感じたことでした。

今年4月に文化庁の審議会から、あかつき屋が国登録有形文化財として指定するにふさわしいとの答申があり、その後8月に文部科学大臣名で正式に登録され、そしてこの日を迎えたのでした。

伝達式では、山野市長様から他の出席者とともに「金沢の貴重な文化財として、今後ともしっかり守っていって下さい」との言葉を頂きました。

(伝達式で頂いた国登録有形文化財登録証・上と、同プレート・下)
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目の前には、国登録有形文化財のプレートが置かれました。懇談の時間、思わず「重々しい感じですね」と感想を述べたら、市の事務局の方が「本当に重いですよ」と言われました。
実際に桐の箱に入ったプレートを手で持ち上げようとしたら、簡単に持ち上げられないほどに重いものでした。

以前にも、このブログで記しましたが、縁あって昨年一月にゲストハウスとしてオープンさせて頂いたこの町家。言うまでもなく、これまで建築主として住まわれた方、80年前に建てられた大工さんのこの建物への深い思い入れと愛情、愛着があったからこの称号を頂いたと考えています。

二年前、ゲストハウスとしてリニューアルするに当たっては、ご支援頂いた金沢市様が、この建造物を優れた金沢町家の様式を備えていると高く評価され、完成後、国登録有形文化財の指定に向けて、骨を折られたのでした。そのほか、オープンに際して、またオープン後もこの町家を支えて下さる方々に対しまして、心から感謝申し上げます。

これまでの歴史と、その価値を改めて深く噛み締めています。今後も良好な状態で、お客様にこの町家の魅力を味わって頂こうと、あかつき屋の保全と整備、そして有意義な利活用に向けて決意を新たにしているところです。

有形文化財確定から一夜明け 一層の責任感 

あかつき屋の国の登録有形文化財への登録確定から一夜明けました。あかつき屋には早々に、お祝いの来客があったほか、電話や花が届き、お宿の中は、晴れやかなムードが漂いました。

(お祝いに頂いた胡蝶蘭を玄関に飾りました)
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地元紙の北國新聞には、登録文化財関連の記事が掲載され、あかつき屋は県内の他の3カ所とともに紹介されていました。

(登録有形文化財などに関する記事が掲載された北國新聞)
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この町家の誕生からおよそ80年、不思議なめぐり合わせに改めて感慨を覚えると同時に、貴重な町家をあずかる立場として、一層の責任をかみしめています。

この日は、大阪などから、お客様がお見えになりました。お客様は、玄関に飾られたお祝いの花・胡蝶蘭に目を留められるので、簡単に趣旨をお話しました。

私の説明を聞かれると、お客様は家の内外に目を凝らされ、写真を撮るなどされていました。

あかつき屋 国登録有形文化財に

文化庁の文化審議会が今日開かれ、町家ゲストハウスを営むこの「あかつき屋」が新たに登録有形文化財(建築物)として登録されるよう、文科大臣に答申されました。

今回全国で166件の建造物が新たな答申の対象となりましたが、あかつき屋がそのうちの一件となりました。

昭和8年に建てられたこの町家。金沢の町家の特徴を鮮明に残しながらも、随所に建築に携わった大工さんのこだわりや、粋を感じさせるこの家屋。それも極めて良好な状態で保全されている点が、評価されたようです。


縁あって、この町家のオーナーとなり、昨年1月から町家のゲストハウスとして活用させて頂いているのですが、このような称号を頂くことになるとは、この町家と出会った時は、夢にも思いませんでした。

町家の保全・利活用に尽力されている金沢市をはじめ、石川県、国などの関係者の方々が、その建築的、歴史的な価値を認めての有形文化財への登録という運びになったのでした。

この文化財登録は、言うまでもなく、昭和初期にこの町家を建てられた施主さん、施工の大工さん、家が完成後、大切に住まわれてきたご家族のお心が、結実したものです。

私たちは、その歴史に深く思いをいたし、この貴重な町家を良好な状態で維持し、大勢の人に親しんで頂こうと、今、心を新たにしています。