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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

生け花など整え お正月準備

今年も残りわずか。様々な思いが去来する中で、あかつき屋では、慌ただしくお正月準備に勤しんでいます。

今年も私たちの友人の華道教師・角尾宏子さんに、上がりの間などに正月花を生けてもらいました。清新な雰囲気があふれ、一足早く新春ムードを醸し出しています。

(上がりの間に整った正月花)
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(玄関には万年青)
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そのお正月花は、若松や南天、葉牡丹、柳、白梅、百合で構成されています。外は木々が葉を落として、モノトーンの色彩になる中で、この生花は、彩り豊かで、気持ちが明るくなります。
玄関の円窓の前には、これも縁起物の万年青(おもと)を生けてもらいました。

新春らしく、きれいに花が整えられた後で、角尾さんと私どもとしばしおしゃべり。今年を省みると、何と言っても、コロナに始まり、コロナで終わる感じ。

仕事やプライベートでそれぞれに、コロナの影響を受けており、薄氷を踏む瞬間もあったと、振り返りました。ふだん定期的に会った友人とも、集まることはかなわず、来年はコロナが止み、通常に戻りたいものだと、祈念しました。

(しめ飾りも購入。正月準備は大詰め)
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近所のスーパー・ニュー三久でしめ飾りも購入。大晦日は、新年の飾りつけを終えて、今年最後のお客様をお迎えすることになります。

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清新さと芳香 畳、障子貼り替え

金沢町家のお宿・あかつき屋では、先月から今月にかけて畳や襖・障子の張り替え作業を行いました。開業10周年にちなんだリフレッシュ事業の一環です。

畳や襖・障子は、館内ではお客様の肌にふれ、視野の大部分を占めると言っていいほどに重要な内装品です。それらが今新しくなり、青畳の芳香と相まって、清新な雰囲気に満ちています。

(瀬田さんの手によって襖や障子が新しくなりました)
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この作業に当たって下さったのは、いずれも菊川に仕事場を構える瀬田表具店さんと倉西畳店さんです。開業からですから、10年のお付き合いです。
久しぶりに来て頂くと、お互い元気でやっていることを確認しつつ、仕事が一段落すると、世間話の一つ、二つに興じたりします。

瀬田さんは金沢町家の先生。いつも問わず語りに、町家の維持管理の方法や、建物の細部の名前や役割について教えて下さいます。今回もきれいになった障子や襖を所定の位置に据えた後、2階お座敷床の間の前の書院について「昔は、ここで勉強したので、この名前が付いたんや」と、話して下さいました。80代のご高齢ですが、お仕事が生きる張りになっているといった風情です。

(表替えした畳を注意深く据え付ける倉西さん)
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倉西さんには、2階10畳間と6畳二間の計3部屋の畳の表替えをお願いしました。きれいになった畳をただ木の床の上に載せるのではなく、歪みや、隙間がないかなど、細部にまで注意を払われ、手当てされます。その姿勢には感銘を受けます。いつもお仕事には奥様が同行され、奥様は「私はおしゃべり担当です」と笑われますが、仕事の重要なパートナーであることは、誰もが認めるところです。

小春日和の日もあれば、一日のうちに雨と曇りが目まぐるしく変わる日もある、いかにも北陸の空模様という、毎日ですが、あかつき屋は、中が一新され、清々しい空気に満ちています。

お客様には、そんなあかつき屋の雰囲気にふれて頂ければと思います。お越しを心からお待ちしています。

お座敷に光る亡き叔母の書作品

10月、秋が佳境へと時を進める中で、国登録有形文化財の金沢町家あかつき屋のお座敷に、素晴らしい一帖の屏風が加わりました。表面には、中国東晋時代の詩人陶淵明の『四時(しいじ)の詩』(四時とは四季の事)の句が毛筆で書かれています。これは、今夏に94歳で人生を全うした叔母がしたためたものです。

四季の美しい情景を描いた句の作品は、叔母の凛とした、しっかりとした筆遣いにより、際立った存在感をもっています。訪れるお客様はその書作品を味わうとともに、その背後に広がるお庭にも目をやり、金沢町家での秋の時間を楽しまれています。

(氷見の叔母の書作品が掲示された屏風)
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叔母は富山県氷見市で生まれ育ちました。人生の半ばからは仕事の傍ら書道に励み、数多くの秀作を遺しました。その一つは、掛け軸の作品として、これまで折にふれて、あかつき屋で掲げてきました。
最晩年は、高齢もあって福祉施設で余生を過ごしました。

今回の屏風の作品は先日、四十九日の忌明けに、叔母の家から贈られたものです。

春水満四澤(しゅんすいしたくにみつ)
夏雲多奇峰(かうんきほうおおし)
秋月揚明輝(しゅうげつめいきをあげ)
冬嶺秀狐松(とうれいこしょうをひいず)

ある文献によると、陶淵明のこの作品は、次のように解釈されるようです。

春は水が 四方の沢に満ちる
夏は入道雲が 素晴らしい峰を形づくる
秋は月が 明るく輝いて 天にかかり
冬は嶺に 一本の松の緑が秀でて美しい

(屏風は背後のお庭と一体となり、絶佳の風景を見せてくれます)
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この書作品は、文字で成り立っていますが、これに見入っていると、四季折々の美しい風景が目に浮かぶようです。
屏風の後方には、あかつき屋のお庭が広がっています。書作品と渾然一体となって、和を極める景観が現出されています。

お客様は、書に感嘆しながら、「時間が止まったように感じる」などと感想を語られていました。

叔母さん、ありがとうございました。安らかにお眠り下さい。

あかつき屋10周年 新たなステージへ

北陸金沢は、梅雨入りしましたが、今のところ、梅雨独特の蒸し暑さはありません。雨上がりの後は、スカッとした青空が広がり、それはまさに初夏の空。空気はさわやかで、特に朝、夕は屋外で過ごすのが、気持ちよく感じます。

そんな中で、本日ここあかつき屋で意義深いミーティングをもちました。あかつき屋は、今年10周年。これを記念して、来年度洗面所やシャワールームなど水回り空間をリニューアルすることにしたのです。
それに向けて、このお宿の立ち上げに関わって下さった建築関係者の皆様と打ち合わせを行いました。これまでの歩みを振り返りながら、次なる一歩へ熱い気持ちを胸に秘めての意見交換となりました。

(上がりの間は初夏の装い)
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あかつき屋は2011年1月にオープン。今年10周年を迎えました。お客様をはじめ、関係の皆様に心から感謝申し上げます。
この節目の時が「コロナ」で試練の日々となっていますが、それも峠を越えそうで、夏の繁忙期を控え、体制整備を進めているところです。

(打ち合わせに参加して下さった皆様。
右側二人が嶋田工建さん社長ご夫妻。左端が建築士のやまださん。そして私)
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この日、10周年を記念した一部リニューアル工事の打ち合わせに参加して下さったのは、創業当時からお世話になっている嶋田工建さんの社長さんご夫妻と建築設計士のやまだのりこさん。やまださんからリニューアル内容について説明してもらった後、工事スケージュールなどを検討し、確認しました。

打合せの後、参加者でティータイム。それぞれ近況や今後についておしゃべりしながら、「コロナに負けないで、頑張っていきましょう」と申し合わせました。

     割安宿泊プランを実施中
なお、金沢市観光協会主催の「地元お客様限定!宿泊プラン」への参加企画で、あかつき屋が実施する「北陸三県の在住者らに割安宿泊プラン」については、まだ余裕がございますので、皆様お気軽にお申込み下さいませ。

あかつき屋 外も中も初夏の装い

6月。春から夏への踊り場のような時季。日は長くなり、日差しは時に強く感じます。そんな時季も今年は、ちょっと静か。件(くだん)のコロナ禍で、金沢は毎年6月第一週の週末に開催される百万石まつりが中止に。観光の人の姿も目立たず、穏やかに時間が流れていきます。

でも、世の不安定な動向と無関係のように、自然は正しく、健やかに時を刻んでいます。緑は一段と厚みを増し、花は順に開いていきます。あかつき屋のお庭でも同様で、それに歩調を合わせて、ここでは、お宿の内外で、しつらえを変えています。

(玄関は、夏バージョンののれんに替えました。)
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(円窓前に整えた生け花)
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玄関前ののれんは、夏バージョンに。麻布に染色された水色のそれは、さわやか。風に吹かれて、なびく様は、見ていても気持ちいいです。
玄関から入って正面の生け花も活け替え。彩り鮮やかで、一服の清涼剤になっているようです。

(華やかに咲きそろったサツキ)
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(ギボウシは日ごとに生長。開花は間近)
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お庭は、この時季ならではの光景に。サツキは、清楚な花を順に咲かせており、そのそばにあるギボウシは茎を日に日に伸ばし、もうじき花を咲かせるような按配です。
過日、二泊されたお客様は、そんな風景に感嘆され、縁側でしばし憩いの時間を過ごされました。

今は、夏の繁忙期の前の、比較的静かな時ですが、それにふさわしいおもてなしをと、朝、気持ちを新たにのれんを掲げる日常です。