新春ムードが漂う中で、あかつき屋では、熱気と昂奮に包まれる瞬間がありました。お宿に常備している木工パズルのうち、難度の高いそれを東京からお越しになった女性のお客様が完成させたのでした。
これまでお客様の何人も挑戦しましたが、解いたのは数学の先生一人だけでした。それだけ難しいパズルなのですが、この度東京からお友達とお越しになった女性が、その難関をクリアしました。
できた瞬間、お友達からは「すごい!」と歓声が上がりました。私も拍手を送り、その快挙をたたえました。
(難しい木のパズルを見事完成させられた女性
=写真掲載了解済、以下同じ)

このパズルは、あかつき屋の近所にお住まいの山下伸郎さんが作成されたものです。何種類かあるうち、最も難しいもので、カニ、オットセイ、ザリガニなどの動物をかたどったピースで構成されています。
木工パズル遊びは、夜が長いこの時期にはお客様の人気の遊びとなっており、今回の女性グループのお客様もお食事から帰ったら早速取り組まれました。
(木のパズルを楽しまれた女性グループ)

お友達が悪戦苦闘する中で、この女性はポイントをつかんだようで、わずか20分ほどで、そのパズルを完成させました。その瞬間、お友達から歓声と拍手が起こりました。
続いて、お友達もそのパズルに挑戦し、見事完成させられました。その健闘の模様については、お宿ノートに詳しく記されました。
あかつき屋に今日、友人のYさんが年が明けてから初めて訪ねてこられました。県の公務員であるYさんは、東日本大震災に伴う被災地の復興支援で年明けから1ヵ月間、福島県に赴いておられたのでした。
Yさんからは、現地での様子をいろいろと説明してもらいましたが、表情は明るく、安堵感も漂っていました。
被災地に行く時は、不安や心配もあったと思います。「お疲れさまでした」と心から労をねぎらいました。
【東日本大震災の状況=Yさんが撮影。以下同じ】
(津波で陸地にまで流された船=左)(護岸が崩壊した海岸線=右)

Yさんは技術畑のご出身で、福島県ではその専門を生かして、主に海岸部で地震や津波の被害を受けた公共施設関係の調査や復旧に向けた計画づくりに当たられました。
Yさんによると、未曾有の自然災害となった現地は、やはり生で見ると言葉を失うほどの状況があったそうです。いたるところにがれきの山があり、海岸からかなり中に入った陸地にもかかわらず、船がいくつも打ち上げられていたそうです。
そんな惨状に心を痛めながら、Yさんは作業に当たられました。
(仮設住宅に設けられた食堂=左)(店主の決意や似顔絵が描かれた色紙=右)

そんな中で、ほっと一息つく時間もありました。仮設住宅に設置された食堂で昼食をとったひとときです。この食堂の店主は、震災被害で一時新潟県内に避難しておられたとのことですが、その後、この仮設住宅でお店「双葉食堂」を再開したのでした。
お店の壁面には、震災で命の大切さを知り、店主が新たな気持ちでお店をやっていく決意を記した色紙が掛けられており、Yさんは、ここでラーメンを食べてきたそうです。
(現地でYさんが身につけていた作業着)

行って肌で感じた被災地の窮状。土地や施設の損壊に伴う暮らしや仕事の困難。原発事故による風評被害。
諸々の状況が重なり、被災地の人々は、今も苦しんでいることをYさんは目の当たりにし、「地域社会に奉仕する公務員としての原点を見つめ直した」とおっしゃいます。
Yさんが、現地で身につけておられた作業着をあかつき屋で実際に袖を通して見せて頂きましたが、これは、Yさんにとって勲章と言っていいような、価値あるものになったようでした。
町家ゲストハウスのご縁でお知り合いになった男性からのご案内で、この男性が撮影した写真の作品展を見にいきました。
会場は、町家からほど近い金沢信用金庫鈴見橋支店のロビー。クラカメおろおろ散歩「モノクロ写真:想像と戯れが共存する世界?」と題されたこの作品展では、風景、人物など同じ被写体をカラーと白黒の2種類の写真で表現しておられます。
撮影場所は私がこれまで訪れたところも多く、親近感を抱きながら作品16点を鑑賞しました。
(カラーと白黒の写真作品が並んだ会場=金沢信用金庫鈴見橋支店)


作品展を開かれたのは、会場近くに住む山本裕之さん(桜町)。山本さんは、モノクロ写真がお好きだそうで、今回の写真展では、カラー写真で撮ったものをプリント処理で、白黒にしたものも出品されています。
出品作の幾つかを紹介しますと、千里浜「カモメ舞う日」、新宿「盛り場裏通り」、富山城端「冬の寺院」、芸術村「跳ねる」、福井大野「年を重ねて」など。
同じ風景でも、モノクロになると、いっぺんに歴史的な味わい、雰囲気が醸しだされていました。
この作品展、12月24日まで開かれています。
町家ゲストハウスのリニューアルをお願いしている(有)嶋田工建さんから同社の活動や町の話題などを紹介したレター「ありがとう通心」が届きました。
(届けられた「ありがとう通心」)

(町家ゲストハウスの紹介記事部分)

今号では、私どものゲストハウスについて紹介して頂きました。そのレター作りを一手にされておられるのが、社長の奥様「チビママ」さんです。
(工務店・嶋田工建の奥様「チビママ」さん)

今回の「ありがとう通心」では、チビママさんが町家ゲストハウスにお越しになって頂いた時の感想を写真やコメントで説明して下さっています。
チビママさんは、菊川町にあるこの工務店さんへ、比較的近くの町から嫁いでこられました。ご主人は、大正時代から続く大工職人のご一家の三代目で、「(結婚してからというもの)もの作りにこだわる家風を感じます」(チビママさん)とおっしゃいます。
今回の町家リニューアルをめぐって、様々な人と出会う幸せを感じているのですが、チビママさんと知り合えたのも喜びの一つとなっています。
家族経営とも言える家業の工務店を支えるため、事務、経理、電話番、ホームページ管理のほか、「ありがとう通心」では、取材、執筆、編集、発送作業を1人でこなしておられます。
どちらかと言えば、小柄な方ですが、タフで、こまめに動かれ、そして何より明るく、研究熱心なのです。
働く女性として、いや人として、とても学ぶべきところが多いのです。お忙しいなか、「ありがとう通心」ありがとうございます。
さぁ、いよいよリフォーム工事が秒読みに入ってきました。
嶋田工建さん(HP:
http://www.k-shimada.jp/)、これからもよろしくお願いします。
先日、町家ゲストハウスの松の剪定をして頂いた友人のSさん(加賀市在住)に再びお越し頂きました。今度は、お隣の庭木の剪定で、Sさんはいつもの手際良さで幾本もの植木を手入れされました。今回、Sさんは手作りのジェラード、ジャムを持参し、私どもにふるまってくださいました。好天に恵まれた今日、何とも快い一日となりました。
(庭木を剪定するSさん)

Sさんが先週に行った町家ゲストハウスの松の剪定(2010年10月7日付ブログをご参照下さい)をお隣の奥様がご覧になり、その腕前で私の家もというご要望で、この日の庭仕事が行われることになったのでした。
Sさんは、杉、金木犀等々、お隣の主だった庭木を黙々と丁寧に剪定し、2時間ほどの作業で見違えるほどに庭はすっきりし、お隣のご夫婦から喜ばれました。
今夏、イタリアで料理修業Sさんは一方で、「食」にも強い関心をもっておられます。今年の夏、イタリア・ローマに赴き、現地の料理学校でイタリア料理を学んでこられました。
今回は、その成果を披露したいと、本場仕込みの手作りジェラードとジャムを持ってこられました。
(左がジャム、右がジェラード)

ジェラードは、自ら購入した機械で作られたもので、バナナ、クリ、イチジク、リンゴ、ピスタチオがミックスされています。甘さは砂糖ではなく、バナナによるもので、ナチュラルな味に仕上がっていました。
ジャムは、イギリスの加工用の青リンゴ・ブラムリーを材料にしています。ヨーグルトに入れて食べると良いとのことで、早速試してみたらその通りで、酸味が薄まりすっきりとした食感でした。
Sさんは、これをステップに、さらに味を向上させようと、手作り冷菓の評価について気にされていましたが、私たちは「添加物がないせいか、とてもおいしかった。十分いけます」と太鼓判を押しました。
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