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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

恩人の写真遺作展に故人しのぶ

昨年70代前半で他界されたアマチュア写真愛好家の遺作展が13日に、金沢市西泉のフジカラーギャラリーかなざわで始まり、足を運びました。その方の名は、山本裕之さんで、あかつき屋の近くの桜町に住んでおられました。

山本さんはあかつき屋にとって恩人とも呼べる人で、このお宿が2011年の開業以来、何かと気にかけ、応援して下さいました。会場に展示された写真43点は、街角の風景や人の暮らしなどを素直に、丁寧に撮ったもので、見る人を穏やかな気持ちにしてくれます。
展示された作品の数々を故人をしのびながら、見て回りました。

(夫の山本裕之さんの写真展を開いた啓子さん)
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山本さんは生前、サラリーマンをしながら、クラシックカメラや写真を趣味とされ、被写体を求めて、休日には街歩きをされていました。あかつき屋の近所で個展を幾度かされました。

読書家でもあり、蔵書の一部を一般の人に提供する、「一箱古本市」にも参加され、私どもとは2010年秋に、主計町のお寺境内で開かれた、その古本市で偶然出会ったのが、お付き合いの始まりでした。

(会場にはご夫妻とお付き合いのあった人が大勢訪れています)
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気さくで、ボランティア精神にも富み、あかつき屋のお客様を近隣の街歩きにご案内して下さったこともあります。
ところが、昨年思いがけず病を得て、5月に帰らぬ人となったのでした。

今回の遺作展は、山本さんの奥様の啓子さんが、一周忌に合わせて企画されました。「(コロナ禍という)こういうご時世で、しっかりしたお葬式もできなかったのが心残りでした。この機会に夫の友人らにも来てもらって、しのんでもらえればと思って」と啓子さんは、この催しの開催の動機を話されました。

正直言うと、山本さんが亡くなられたということが今も信じられない気持ちですが、私たちは遺された写真をしばし山本さんと対話するように見入りました。

職場で信頼され、趣味や地域活動でも、快い人間関係を築いた山本さん。私たちにとって、理想の人と言える人でした。
この作品展は、5月16日まで開かれています。

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絶景 大自然の中で輝くアート作品

穏やかに秋が深まる中で過日、心に残る風景と出会いました。珠洲市内で今月5日まで開催された「奥能登国際芸術祭2020+」の会場とその周辺です。晴れわたる空の下、美しい海岸線の一角に、ざん新で、意欲的な作品が展示されていました。それは、長方形の鏡のパネルをいくつか設置したものです。

鰐崎海岸という名前の海辺において、海と向かい合う形で立てられています。前面の海を映し、大空を鏡面にとらえます。眼前の大海原に開放的な気分が胸の内に広がる中で、その鏡群は、見る人に鮮烈なインパクトを与えました。

(海と向かい合う形で展示された鏡の作品)
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(目の前には、美しい海岸線が広がる)
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コロナ禍により一年延期されて開かれたこの芸術祭。一回目も観覧しているので、4年ぶりの珠洲訪問となりました。
事前PRで、先の鏡の作品を知っていたので、珠洲・飯田から車で丘陵地を越えて、その作品がある鰐崎海岸に着きました。

海に向かって寄りそうように点在する集落。打ち寄せる波は清冽で、広がる青空と相まって、心がひとりでに、おおらかになっていくのを感じました。その海に臨む形で、シンプルな鏡面の作品があったのでした。
ガイドブックによると、韓国人アーティストキムスージャさんの作品だそうで、「息づかい」というタイトルが付いていました。

(鯨や魚の霊を慰める石碑)
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(その石碑の由緒書き)
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そのそばで、石碑が立っていました。そばに近づいて見てみると、地元の住民たちが設置したもので、これまで何度かにわたって打ち上げられてきた鯨や捕獲した魚たちの霊を慰めるものです。命の糧となったことに対して、感謝の気持ちを表しています。

ここの人々にとっては、太古の昔から魚類を取ってきたであろうに、昭和の時代になっても、その命に感謝の念をもつなんて。この土地の人の心情を垣間見た気がしました。

それにしても、何と美しい風景。高台からの眺望はなお素晴らしく、沖合に七ツ島と思える小島が見えた景色も目に焼き付きました。

(飯田港にある卓球台の作品)
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飯田では、港にある「さいはてのキャバレー」でしばし時間を過ごしました。
その屋外には、卓球台がありました。日本人クリエイターの浅葉克己さんの作品だそうです。

卓球台は一枚の石から作ったものだそうで、その競技スタイルから、交流の活性化の願いを込めたそうです。

社会通念にとらわれない、ざん新な作品群。鑑賞する人の心を限りなく自由に、のびやかにしてくれました。

名園、旬のお料理、座禅 心身に刻む

地域再発見モニターツアー「美しき名園めぐりと座禅、美味体験」(金沢市、金沢市観光協会主催)は17日に、開かれました。あかつき屋はこの催しの企画、運営に当たらせて頂き、予定のスケジュールを滞りなく実施することができました。

天候が心配されましたが、開催中、雨に打たれることもありませんでした。行く先々のお庭は、秋の気配を色濃くしており、参加者一同、ゆっくりと秋の一日を楽しむことができました。

(村瀬社長=右から5人目=の案内で兼六園を散策)
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(時雨亭で茶の湯を体験)
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今回のツアーでは、あかつき屋は金沢が庭園都市とも称されることから、お庭にスポットを当てて、ツアーを構想しました。兼六園は知らない人がいませんが、ふだん人が訪れることがない、巷(ちまた)のお庭にも着目し、街歩きを組み立てました。松山寺さんや一般のお宅のお庭なども訪問先に組み入れました。

お庭ガイドでは、金沢の老舗造園業・村瀬造園の村瀬彰社長に兼六園をご案内して頂きました。村瀬社長は準備した資料を基に、「金沢の庭」と「金沢の樹木の剪定」について話して下さいました。

金沢の庭は柿、ビワなど食用の樹木がよく植えられていることから、用と景(実用と景観)を兼ね備えた要素が多いと指摘。松の剪定などでは、北陸は湿った重い雪が降るため、重い雪が枝に積もりにくいように、枝を減らす、透かしという技法を用いていることなどを説明されました。

園内の散策では、紅葉が始まった山崎山を楽しんだほか、アケビの実も見つけ、心が弾みました。
時雨亭さんでは、茶の湯を体験。お抹茶と上生菓子を頂き、風雅なひとときを過ごしました。

玉泉邸さんでは、お庭・玉泉園を散策した後、レストランで季節の会席料理のコースに舌鼓。味はもちろん、その優美な盛り付けに一同大満足でした。

(玉泉邸ではお庭を見ながらお食事)
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八坂に隣接する曹洞宗・松山寺さんでは、お庭見学の後、座禅を体験。心鎮めて、禅の世界に浸りました。

【松山寺】
(お庭を散策)
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(心鎮めて座禅)
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最終目的地は、ここあかつき屋。お庭を見学した後、二階のお部屋に移り、この日の印象について記すアンケート調査に回答。そして、お一人お一人感想を述べました。

(あかつき屋ではアンケート調査に回答)
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有名、無名、様々な名園スポットが街なか各所にあり、参加された方々にとっては、新鮮な発見と驚きがあったようでした。
「催しの成功は、90%準備で決まる!」。そんな気持ちでお世話させて頂いた我々スタッフ。良い出会いを頂くことができました。

参加された皆様、そして関係された方々、ありがとうございました。

名園めぐりツアー目前 準備大詰め

金沢市と金沢市観光協会が主催する地域再発見モニターツアーの一つ「美しき名園めぐりと座禅、美味体験」が来たる17日(日)に開催されます。

これを企画、運営するあかつき屋では、スタッフが大詰めの準備作業に追われています。当日、参加者への配布資料の作成のほか、訪問先の一つである、ここあかつき屋のしつらえなど、最終段階の作業を行っています。

(ツアーの配布資料を準備しています)
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配布資料は、ツアー当日のスケジュールやコースのマップ、金沢のお庭などについての情報を収めています。資料作成に当たっては、ツアーで兼六園を案内して下さる村瀬造園(鳴和2丁目)の村瀬彰・社長の協力を得ました。

(玄関に置いたムラサキシキブの苔玉=右)
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(コスモスも彩りを加えています)
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あかつき屋館内では、玄関にムラサキシキブの苔玉を置きました。ざん新な造形と、その実の色あいが気品ある雰囲気を醸し出しています。
また、各所に今が見頃のコスモスを配しました。ピンクや赤の花がお部屋に華やかさを加えています。

(お庭を楽しまれるお客様)
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お庭の手入れも行いました。松やモチノキ、ツツジなどを剪定。お客様は、きれいになった町家の和風庭園をゆっくりと楽しんでおられます。

高まる春の鼓動 朝市が再開

日ごとに春の鼓動の高まりを感じます。あかつき屋の近隣にあるお寺・常福寺さんの境内で朝市が再開されました。野菜や果物、花などが並び、店頭は彩り豊か。近所の人たちが訪れ、旬の品を買い求めました。

静かな住宅街にあるこのお寺。ここに人が軽やかに行き交う姿は、長かった冬に終わりを告げたことを象徴しているよう。訪れた方々の表情に、やわらかなものを感じました。

(朝市が開かれた常福寺さん)
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この朝市は、4月から11月の間、毎週水曜日の朝8時頃から開かれます。お世話されている男性によると、8年ほど前に、金沢市の買い物難民の解消事業の一環として始まりました。

(店頭に並んだ品々)
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(訪れた人は、お買い物しながら歓談も)
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この日、店頭に並んだ品は、ニンジン、里芋、ネギ、シイタケなどの野菜のほか、オレンジなどの果物や花などでした。主催者によると、まだ春の走りとあって、地物は少なく、市場で仕入れたものが大半とのこと。それでも、市内の五郎島のサツマ芋や夕日寺地区のほうれん草などがありました。手作り品として、フキノトウ味噌があり、私は野菜やお米とともに買い求めました。

高齢者が多いこの地区の住民にとって、この朝市は、春を告げる歳時記の一つになっているよう。久しぶりに顔を合わせ、歓談する光景がありました。
私も、ご近所さんと再会のあいさつをした後、しばし世間話に興じました。