気温の上昇に伴い、桜は一気に花を開き、それに伴い花見客も大勢繰り出していました。桜は4分、5分咲きぐらいでしょうか、花びらの色合いは淡く、それだけに初々しさを感じる花模様を描いていました。
(大勢の花見客が訪れた兼六園界隈)

あかつき屋から兼六園までは以前から近い距離にあると感じていましたが、最近さらにそれを実感することになりました。というのは、あかつき屋から、ほぼ直線で兼六園に着く道を知ったからです。
広済寺さん前の道をまっすぐ歩き、小立野台に通じる八坂の階段を登り、金沢医療センター(旧国立病院)の横に出れば、兼六園の小立野口に着きます。あかつき屋から兼六園までは時間にしてわずか8分ほどです。
時間が短くて済む上に、八坂の階段を上がれば、賢坂辻界隈や卯辰山の穏やかな風景が望め、ほっとした気持ちにもなるのです。
兼六園にまで至る小道と、その坂道の風情は、金沢の人にもそう知られていないのでないかと思われ、自分だけが知る秘密の道のような感を抱きます。
余談が長くなりました。
今日は朝から青空が広がったので、兼六園では家族連れから若いカップル、高齢者と、それこそ老若男女が園内の散策を楽しんでおられました。
東日本において未曾有の自然災害があったとあって、花を観賞する姿にも例年と違って、浮かれる様子はなく、どこかかみしめるように見えたのは、気のせいでしょうか。
私自身、こうして天下の名園の春の息吹を身体で受け止めることができ、感謝したい気持ちにもなりました。
いつも通りのこととは言え、百間堀通りを見下ろす歩道に露店が並ぶ風景も、心が和みました。
(昼の石川門)

(夜の石川門)

夜、再び兼六園そばを通る機会がありました。行燈に灯がともされ、昼と違って幽遠な趣も。前方の石川門も深く気高い佇まいを見せていました。